画面越しのリシュヴール

外に飲みに出かけることがほとんどなかった4、5月。今思えば、かなりの非日常だったなぁと思うし、外に出なかった分、思い出が本当に少ない気がする。(一番面白かったのは会社の仲良いメンバーでオンライン飲みでクラブ化して音楽ガンガンで踊り出したことだな、、笑笑。翌日意味が分からないくらいワインと缶ビールが空いてた。)

そんな中でも、心が動いた忘れられない出来事が1つある。

ご縁があって、ヴィンテージがある程度経ったリシュヴールが手元にやってきた。
(もしこれを見ていたら。本当にありがとうございました。)
一人で飲むには勿体ないし、でもなるべく早く飲まなければいけないものだった。
そこで、いちばん一緒にこのワインを飲みたい人と作戦を立てた。
ワインを半分取り出し、残り半分になったボトルを渋谷駅でその人に直接渡して持って帰ってもらう。
その後、オンラインで一緒に味わう。
非日常の中での非日常。まず、ボトルから半分取り出したときのリシュヴールの強い香りに高揚し(もちろんここではまだ飲まない)、久しぶりすぎる電車と渋谷駅にも少し高揚した。ちょっと怖さもあったけど。なにより、久しぶりに、その人と直接顔を合わせられたのも嬉しかった、本当一瞬だったけれど。

その後、画面越しに、同じリシュヴールが揃った。
リシュヴールは、強く、その造り手らしい姿で、時間が経つごとに少しずつ変化をしてくれた。
その変化をこうだね、ああだね、と言いながら過ごす時間。
一緒のワインを分かち合う、その純粋な楽しさを久しぶりに味わうことができた、心高鳴る初夏の夜。

画面越しのリシュヴール。造り手とヴィンテージは、ここでは秘密。


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