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公的支援を利用しながら未経験からデザイナーへ E・Nさん/太田明日香(仕事文脈vol.21)

今回お話を伺うのはE・Nさん。新卒で入った会社を退職後、知人の伝手で職を得たものの働き方が合わず5年で退職。うつに近いような状態になって、働く気持ちももてなかった。そこから少しずつアルバイトや在宅ワークをしながら、自分のやりたいこととじっくり向き合い、35歳のとき未経験からグラフィックデザイナーとして再就職を果たした。Nさんがこの時にお世話になったのが、男女共同参画センターのカウンセリングやハローワークの職業訓練等の公的支援だったという。公的支援の活用の仕方やポイントについてお話をお伺いした。

ーー職業訓練については前からご存知だったんですか。

10年ほど前に友人(16号で登場したキャリアカウンセラーの梅山晃佑さん)に教えてもらいました。デザイン関連の訓練に申し込んだのですが、応募者が少なくて開講されませんでした。その時にちょうど梅山さんから前職の求人を紹介されて就職しました。そのおかげで今回の転職のときに気軽に相談できたのだと思います。

ーー前職はどんなお仕事でしたか。

まちづくりコンサルティング会社ですが、基本的には行政からの委託を受けて仕事を受注する流れになるので、仕事内容はまちまちです。最初は行政から委託を受けたまちづくりセンターの運営スタッフでしたが、報告書やパンフレットなどの印刷物を作るスタッフが足りないということで、先輩についてIllustratorの使い方を習い、簡単なチラシや説明資料のデザイン、冊子の編集を任されるようになりました。外注のデザイナーさんへの指示も行っていました。

その仕事は自分には合っていたのですが、会社としてはじょじょに地域のイベント運営やファシリテーションの比重が高くなっていきました。土日がつぶれたり、代休が取れなかったり、ずっと人とコミュニケーションを取り続けたりするような仕事内容に疲れてしまって、2018年に退職しました。短歌を詠んだり盆踊りに行ったりするのが趣味なのですが、周りには地域に関わる仕事が好きでプライベートと仕事が一心同体という働き方が当然の人が多くて、その雰囲気が合わなかったのも理由だと思います。

ーー退職したあとはどうしていましたか。

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