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表現の不自由と政治 Part-2 私たちの『表現の不自由展・その後』名古屋展レポート(仕事文脈vol.21)

 2019年のあいちトリエンナーレ(以下、あいトリ)で「表現の不自由展・その後」(以下、不自由展)を見れなかった1人である。その夏は韓国取材があり「平和の少女像」が展示されている「戦争と女性の人権博物館」も訪問することになっていた。その少女像に日本で、公人である市長がヘイト発言をして、国は助成金の不支給を示唆し、これに呼応して抗議が現場に殺到し、たった3日で中止となった。訪韓直前に行ったあいトリで、灯りが消された不自由展のブース、展示ボイコットをする海外アーティストの抗議の声明文を見た。この事態を、どう伝えればいいのか。重く苦々しい思いを引きずって韓国に向かった。そして今回、政治に関する企画を話し合う過程で、不自由展が名古屋で行われることを知った。アートに政治的なテーマを持ち込んだ作品が検閲されることに抗う不自由展は、この企画で取りあげるべきなのでは。ちょうどあいトリ(名称が変わって、国際芸術祭「あいち2022」になっていた)時期、完全予約制で最終日に空きがある。これは苦い夏のリベンジのチャンス、と名古屋行きを決めた。

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