あなたが本当にほしいもの
?:〇〇!早く起きてー
〇:もうちょっと寝かせてよ.... “史緒里”
史:何バカなこと言ってるの!
史:今日は平日なんだからちゃんと起きれ!
〇: はーい....
史:私なんて〇〇が起きる2時間前には起きてるんだから!!
〇:すげーな
〇:もう朝ごはんってできてる?
史:あっ …
〇:え?
史:忘れてた
〇:2時間も前に起きたのに!?
史:女性は忙しいの! メイクとか!
〇:いや、スッピンじゃん
史:あっ …
ここで〇〇は事態を察した
〇:2時間前に起きた “だけ” で何もしてないんでしょ?😏
史:ギクッ
どうやら図星だったようだ
そんなこんなで朝を過ごし、会社に出勤
〇:おはよう
□:おはよう
□:お前部長によばれてたぞ
〇:マジか、ちょっと行ってくる
〇:(部長がなんの用だろう?
□:うん。
〇:部長、おはようございます
部長:おはよう。
部長:ちょうどいいところに来たね、君に話があるんだよ
〇:はい....
部長:君には 、、、 転勤してもらう
〇:(転勤!?
〇:部長、転勤ですか!?
部長:あぁ転勤だ
〇:どこに転勤なんですか?
〇:(近かったらいいんだけど....
部長:東京だ
〇:とっ、東京!!
部長:そうだよ。君はうちの本社に転勤だ
部長:君は有望株だ。こんな田舎でやるより都会の方が遥かに効率的だ
〇:そうですか ….
部長:実質の昇進だ、嬉しくないのか?
〇:いえ、嬉しいんですけども
〇:遠距離恋愛になってしまうなと思いまして
そう。東京への転勤は史緒里とほとんど会えなくなることを意味していた
部長:出世のためならそれくらいの妥協はしなさい
〇:はい。。。わかりました
部長:それと、転勤の準備とかもあるだろうから、今日は帰っていいぞ
〇:ありがとうございます
ガチャッ🚪
〇:ただいま
史:え?帰ってくるの早かったね〇〇
〇:うん.....
史:どうしてそんなに暗いの?
〇:転勤になった
史:ぇ....
史:どこに?
〇:東京の本社
史:そっか....
〇:史緒里は一緒にこれないでしょ?
史:ごめん。仕事的に行けない
〇:だよね
〇〇としても史緒里が一緒に行けないのはわかっていた。
〇:わかった。ひとりで行ってくるよ
史:ごめんね、、、
〇:全然いいよワハハハ
史:でも怖いなぁ
〇:何が?
史:〇〇が都会の色に染まりそうで
〇:ぁぁ
史:染まらないで帰ってきてね!
〇:うん
〇:向こうに着いたら史緒里になんか送るよ
史:そんなことしなくていいよ!
史:帰ってきてくれればいいの!
〇:わかったわかった笑
史:じゃあ...またね...
〇:うん。ちょっとしたらまた会えるからそれまでは...バイバイ
史:気をつけてね....
〇:うん
段々と〇〇の背中が遠くなっていく....
史:私も行きたかったな😢
離れてから寂しさが溢れる史緒里
ー半年後ー
prrrrr📱
〇:史緒里かな?
〇:もしもし?
史:〇〇、、、😢
史:早く帰ってきてよぉ😭
〇:ごめんって史緒里、、、
〇:結構立て込んでて帰れないんだよ
史:そうだよね....ごめん
〇:あ、そういえば!
〇:最近都会で流行ってるダイヤの指輪を送ったよ
史:うん、、、ありがとう......
〇:あんまり嬉しくなかった?
史:だってダイヤより〇〇のキスの方がきらめくんだもん!
〇:そっか笑
〇:ごめんね待たせて
史:いいよ、私のわがままだし
〇:なるべく答えられるようにする
史:ありがと!
ー1年後ー
〜電話中〜
〇:全然会えなくてごめんね
史:うん。。。
〇:そうだ!
〇:俺のスーツ姿の写真送るよ
史:いや、草に寝転んだ〇〇の方が見たいかな
〇:あれは田舎じゃないと出来ないもんな
史:ていうか! 何この木枯らしのビル街!
〇:まぁ都会ですから笑
史:なんか....体に気をつけてね
〇:わかったよ
〇:欲しいものとかない?
史:なんにもないよ
史:あ、〇〇は早く私の近くに欲しい!
〇:わかったよ笑
〇:じゃあ切るね
史:うん。また電話してきてね!
〇:おう
?:誰と電話してたんですか?”部長”
〇:お、” 山下 “
〇:彼女だよ
美:あれ?〇〇さんの家に行ったとき女ものの服とかなかったですよね?
〇:そんなとこみてたのか!
美:女はだいたい見てますよ
〇:俺は男でよかった
美:それを女の前でよく言いますね笑
〇:ごめんごめん
美:一緒に暮らしてないってことは遠くにいるんですか?
〇:うん
〇:転勤前は一緒に暮らしてたんだけどね
美:転勤前って....もう1年経ってるじゃないですか!
〇:そうなるね
美:会いにいかないんですか?
〇:行きたいんだけどね....
〇:こっちでの仕事が多すぎて帰れないんだよ
美:最年少部長ですしね!
〇:その肩書きいらない
美:おっカッコイイ✨✨
〇:いじるなバカ
美:部長ひどーい
美:美月ちゃん傷つきました!
〇:はいはい。じゃあね
美:むぅ!
ー2年後ー
" 宅配便でーす "
史:あれ?誰からだろう?
史:あっ! 〇〇からだ!
宅配されたダンボールを開けると....
史:何このお花....
史:あ....
花が何か分かったと同時に悟った
史:都会に染っちゃったか
史:いちおう電話かけようかな....
prrrrr📱
史:もしもし、〇〇?
〇:ん?だれ?
〇:あ、史緒里か
史:やっぱりそっか....
史:あの花って " アスチルベ " だよね
〇:うん。
美:〇〇さん早く準備して!
〇:あぁごめん
史:え?今の声だれ?
〇:今の彼女
史:え、、、
〇:そういうことだよ
史:お別れってことだね...
〇:うん
史:最後に....1個欲しいもの言ってもいい?
〇:渡せるか分からないけど、、、いいよ
史:涙を拭くための木綿のハンカチーフをください
アスチルベの花言葉
-----地味さ 輝きのない
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