チョコを渡すときに告白できなかった私は大勢の人の前で告白されました!
〇:ん〜 ……はぁ...
△:大会前なんだからため息なんてつくなよ
△:優勝が遠のくぞ〜
〇:優勝はべつにど〜でもいいんだけどさ〜
△:は?あんだけ練習したのに優勝はどうでもいいのかよ
〇:うん。新人戦でも総体でもないしな
△:そりゃあそうだけど...
〇:そんなことより!男として精神がエグられる2月のイベントがあるだろ!
△:あぁ...あの陽キャ限定イベントな
〇:今年こそはチョコという名の宝石をこの手におさめる!
△:おぉ...
〇:とは意気込むものの、どう考えても無理だなぁって思ってため息ついてんだよ
△:まぁ俺らに出来ることなんてスポーツ以外なにもないからな
〇:とにかく今日は1日中頭の中で作戦会議だ!
△:頑張れ〜
一方
どうしよう......チョコ作るのもドキドキするするけど......わたし渡せるかな...
?:さっちゃんなんでモジモジしてるの?
咲月:なぎぃ〜どうすればいいかなぁ...
和:何にそんなにモジモジしてるの?
咲月:明日バレンタインじゃん?
和:うん。そうだね
咲月:それで......チョコを渡そうと思ってるの
和:そうなの!?
和:誰に渡すの!?
和:わたし?それともアルノ?それとも......それとも...
和: …だれ?
咲月:女の子じゃないの
和:そうなの!?さっちゃんが男に渡すなんてありえない!!
和:クラスのトップイケメンから告白されてもすぐ断ってたのに!?
咲月:あれはただイケメンなだけじゃん!!
和:だけって...... (結構大事なとこだと思うんだけど
和:誰に渡すの?
咲月:〇〇くんだよ
和:あの筋肉ムキムキのひと?
咲月:そう!
咲月:とにかく!渡そうと思ってるんだよ
和:なら渡せばいいじゃん
咲月:でも......わたし渡せるのかな...
和:教室で発表するときもガチガチだからね
咲月:緊張しすぎて渡せないかも...
和:でもね、何もしないんじゃ始まらないでしょ!
和:チョコ作って渡しに行こ!いま渡さないと絶対後悔する!
咲月:わ、わかった!作ってくる!
それから咲月は次の朝までチョコ作りにはげみ...
和:あの...さっちゃん?
咲月:どうしたの?
和:目の下にすごいクマができてるよ
咲月:寝てないからかな...
和:こんなにヘロヘロで告白なんてできるの?
咲月:そんなの...でき......あ、でもクマがあるような人と付き合いたくないよね...
咲月:はぁ...今日は告白無理かも...
和:何言ってるの!今日渡さないと食べれなくなっちゃうじゃん!
咲月:そうだけど...
和:さっちゃん可愛いから大丈夫だよ!
和:最悪、私のクマ隠し貸してあげる
咲月:ありがとう!放課後渡すことにするよ
和:わかった
そして〇〇は...
〇:結局バレンタイン当日になったのはいいけど...チョコ貰える方法なんてまったくわからなかった...
△:だからいったろ?そんなこと気にせず練習だけに取り組めって
〇:だってチョコほしいんだもん...
△:はぁ...ダメだこりゃ
?:〇〇ってバレンタインなんて気にするような人だったの?笑
〇:昔からずっと気にしてるよ...桜
桜は中学の頃からの友達だ
桜:ボクシング選手でもチョコなんて欲しいんだ笑
〇:俺は賞状よりバレンタインのチョコの方が欲しい
△:はぁ...強いやつの言うことは違うや
桜:でもチョコ貰えたとしても減量は大丈夫なの?
〇:そんなの大丈夫だ
△:そんなわけねぇだろ!
〇〇は大幅に減量しなければならない選手である
〇:チョコ食ったレベルで減量にはあんま影響せん!
△:やり方が荒いな...
〇:勝ってんだからいいだろ
桜:そんな調子乗ってると次の試合負けちゃうよ〜
〇:絶対KOしてやる
〇: ……けどその前にチョコ欲しい...
桜:しょうがないな〜
〇:え!桜チョコくれるの!?
桜:義理チョコくらい渡そうと思ったんだけど......減量中だからこれね
そういって袋を渡される
〇:なにこれ?
桜:開けてみて
〇:うわっ...これプロテインじゃん
桜:チョコ味のプロテインだよ
桜:〇〇このメーカーのプロテイン好きだったでしょ?
〇:好きだけど...チョコと思って期待しちゃったじゃん...
桜:もう!チョコ作るより高くつくんだから感謝してよね!
〇:はいはい....泣きながら飲むよ
△:どんだけチョコ貰いたいんだよ...
桜:泣くんじゃなくてはやく着替えないと体育始まるよ
〇:あっそうだった!今日はバレーじゃん!
〇:せっかくのスポーツの時間にムダが出来てしまう!
桜:はぁ...ほんと目の前しかみてない...
△:これでボクシング強いなんてほんとありえん
ー体育の時間ー
△:ボールあげるから打て
〇:あいよ!
バンッ
△:ナイス!
〇:危なかった...ちょっとズレた
桜:(やっぱりスポーツに限っては〇〇すごいな〜
バタッ
桜:!!!
和:さっちゃん!さっちゃん!
和:大丈夫?ねぇ!ねぇ!
桜:だいぶキツそうだね....
一方
△:お、おい...菅原さん倒れてんぞ
〇:マジじゃん...スポーツ嫌いなのかな?
△:バカ!仮病じゃねぇだろ!
〇:え、じゃあいそいで保健室に連れてかなきゃじゃん!
△:お前バカにも程があるだろ...
桜:〇〇はやくきて!
〇:おう!
〇:菅原さん大丈夫?
桜:この状況で大丈夫なわけないでしょ!
〇:そ、そうだよね......
桜:保健室行かなきゃだから〇〇運んで
〇:おれ一人で!?
桜:そんなキン肉マンみたいな体してんだから大丈夫でしょ!
〇:わかったよ...
和:あ!わたしもついて行くよ
〇:井上さん助かるよ
それから優しく菅原さんをかつぎ保健室へ
だが....
〇:あれ?先生いないじゃん
和:とりあえずさっちゃんをベットに寝かせよ
〇:そうだね
〇:菅原さんおろすよ?
それから菅原さんをベットに寝かせ...
和:あ、私先生呼んでくる!
〇:いや、俺が呼んでくるよ
和:いいのいいの!私が行くから!
〇:そ、そっか
和:(さっちゃん!2人っきりなんだから頑張れ!
和:(起きたら〇〇君がいるよ!
〇:井上さん呼びに行かないの?
和:い、いまいくよ💦
〇:菅原さん...大丈夫?
咲月: ……
〇:まぁ寝てるし返答はないよね
咲月:うっ...う...
目を覚まし起き上がろうとする咲月
〇:す、菅原さん!?
咲月:あれ...なんで私保健室にいるの...?
咲月:てか〇〇君だ!!!
〇:体育の時間に倒れちゃったんだよ
咲月:あぁ...倒れちゃったんだ
〇:そんなことより、大丈夫?
〇:クマもすごいし疲れ顔だよ
咲月:昨日夜中まで起きてたからかな....
〇:そんなことしたらそりゃあ倒れちゃうよ
〇:しっかり寝ないと
咲月:そ、そうだよね(〇〇君のためにチョコ作ってたからなんだけどね
咲月:(それにしても...〇〇君と2人きりなんて///
〇:あれ?菅原さん顔赤くなってるよ?
〇:もしかして熱?
咲月:い、いやそういうんじゃなくて...
〇:え?
不思議そうに咲月の顔を覗き込む〇〇
咲月:(顔が近いよ...かっこいい///
咲月:ま、〇〇君?
〇:なに?
咲月:放課後少し時間くれない?
〇:放課後かぁ...ロードワークがあるんだけど、少しくらいなら大丈夫だよ
咲月:わかった!ありがと!
それから菅原さんは体調を回復させ放課後になり...
〇:おまたせ
咲月:うん (〃´ . .̫ . `)モジモジ
〇:あの...なんで僕呼ばれたの?
咲月:今日ってバレンタインじゃん?
〇:そ、そうだね
咲月:実は......〇〇君にチョコ作ってきたの//
〇:ほんと!? めっちゃ嬉しい!
咲月:そんなに喜んでもらえるんだ
〇:だって今までチョコなんてもらったことないし嬉しいよ!
咲月:それで...その......あの.....えっと...
咲月:す........
〇:(す?
咲月:(なんでよ!好きって言えわたし!
咲月:すぅ.....
咲月:む、むりだぁ...ごめん
そしてチョコを渡しどこかに逃げていく菅原さん
〇:え?なんで?
〇:それにしても......いまの菅原さんめっちゃ可愛かったぁ
ー試合前日ー
〇:ふぅ...明日か
桜:明日なんかあったっけ?
〇:大会だよバカ!
桜:バカって言わなくてもいいでしょ!
△:まぁまぁ...減量しててピリピリしてるから許してあげて
桜:そうだけど...
△:それにしてもあんなにやる気なかったのにバレンタインの日からやたらマジになったよな
桜:チョコもらえなかったのがいい刺激になったかもよ?
△:そうかも笑
〇:違うわ!
桜:え?
〇:ちゃんとチョコはもらった
桜△:えぇぇぇぇ!!
桜:あの〇〇がチョコもらったの!?
△:まさか...先越されちゃったか
〇:それで......明日勝ってリングで告白しようと思うんだよ
桜:チョコくれた人に?
〇:うん
△:それならダメージおっちゃいけないな
桜:告白する時に顔がボコボコじゃダサいからね
〇:そんなもん応援して貰えるんだしワンラウンドKOで終わらせてやる
△:決勝がワンラウンドKOかぁ...スゲー記録がでそうだ
桜:ワンラウンドKO負けしないように頑張ってね笑
〇:おい!俺は勝つんだ!
むかえた決勝
〇:(菅原さんも観にきてくれてる...
〇:(絶対勝って告白してやるっ!
一方
咲月:(〇〇君から誘われてきたけど...〇〇君が殴られてるのみたくないなぁ...
和:ボクシングなんてみるの初めてだね
咲月:〇〇君大丈夫かな......
和:〇〇君ここまで全戦KO勝ちだってよ?大丈夫でしょ
咲月:そうかもしれないけど...殴られちゃったら私観てられないかも......
和:大丈夫だって!あんなに筋肉ある人だよ?サイキョーだよ
咲月:そうだといいんだけど......
『うわぁぁぁ!!!』
その騒音と共に〇〇が入場してくる
和:へ?なに!?
咲月:あ、〇〇君だ!
和:〇〇君すごい顔してる
やる気に満ち溢れているのか、まるでオオカミかのような目をしている〇〇
咲月:いつもとは雰囲気が全然違うね
和:そうだね。あんな目でみられたら相手怯えちゃうよ
咲月:で、でも相手の選手も...(怖い顔してるのかな
そして相手選手の顔をみると
和:こ、こわっ...
咲月:あれほぼヤンキーだよ
和:すっごい純粋な人VSヤンキー(みたいな人)
咲月:なんか〇〇君の方が劣勢なような...
和:さっちゃんが気落ちしてどうするの!応援しないと!
咲月:そ、そうだね!〇〇君頑張れー!
〇:(あれ?さっき菅原さんの声がしたような...
相手:おい、どこ向いてんだよ
〇:お、すまんすまん
相手:お前が何考えてっか知らないけど俺が勝たせてもらう
〇:ほぉ、でも負けるわけにはいかねぇんだよなぁ
相手:そうか。滅多打ちにしてやる
〇:はいはい
ボックス!
実況:さあ始まりました!この大会全試合オールKOの〇〇対 判定勝ちを得意とするアウトボクサータイプの選手
実況:どちらの選手の距離に持っていくかが大切になりそうですね
解説:〇〇君が相手の近くに潜り込めばかなり〇〇君の勝利に近づきますね
実況:今はお互い距離を取りジャブで牽制しあっています
咲月:すごい緊張感だね
和:あのジャブ?ってやつだけで私なら倒れちゃいそう
咲月:私も倒れちゃうよ
?:俺も〇〇のジャブなら倒れちゃうな〜笑
和:あ!いつも〇〇君の近くにいる△△君だ
△:うん。
咲月:△△君はどっちが勝つと思う?
△:僕は圧倒的に〇〇が勝つと思うよ
咲月:いまだに2人ともあんまり殴ったりしないのに?
△:〇〇は1回相手を捕まえると離さないんだよ
和:どういうこと?
△:1回も反撃されずにKOしちゃうってことだよ
和:おそろしい......
△:捕まえたら相手の顔の形変わるくらいすごいパンチが出てくるから楽しみにしてて
和:か、顔の形が...
咲月:変わる!?
〇:(ん〜さすがに距離取られちゃうよなぁ
相手:(こいつなんで攻めてこないんだ?
〇:(あと1歩こっちに来たら仕留める
相手:(くそっ!コイツ舐めてやがるな
相手:(それならこっちから!
そう思い相手が少し大振りな右ストレートを繰り出そうとする
〇:(ここだ!
相手:(なに!?
バゴンッ
相手:(うっ...カウンターかよ...
〇:(このまま倒す!
バゴンッ バゴンッ バゴンッ
実況:おー!物凄いパンチの連続だ!
解説:狩りが始まりましたね
和:ちょ、ちょっと!相手1発もパンチできてないじゃん
咲月:〇〇君すっごい...
△:腹ばっかり攻めてるな。さすがだ
和:なんでお腹なの?
△:腹を叩き続けると足にくるんだよ
△:そうすると立てなくなるんだ
咲月:こんなにいっぱい叩くんだ
〇:(そろそろ顔かな
相手:(うっ...なにがくるんだ...右ストレートか?それともなんだ?
〇:(まだ1発殴ってKOは無いから連打か
バンッ バゴンッ バンッ バゴンッ
実況:おっと!今度は腹から顔に連打だ
解説:さすがの相手選手もまったく手がでてませんね
和:△△君?
△:どうしたの?
和:相手の顔...もう形が違うような...
△:うん変わってるね。もうすぐ倒れるよ
和:怖くなってきた......
咲月:〇〇君カッコイイけど、怖い
△:今までで1番〇〇は攻めてるね
咲月:まだ叩いちゃって相手は大丈夫なの?
△:大丈夫だよ。普段から練習してるから
〇:(もうガードが崩れたな...アッパーで終わりだ
相手:(も、もう...手があがらん......
〇:(決めてやるっ!
バゴンッッッ
相手:ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”
実況:倒れたーーー!!
実況:レフェリーが続行不可能の合図を出しています。
実況:〇〇選手ゆうしょーーーう!
咲月:すごい✨️ 勝った!〇〇君が勝った!
和:あれ、担架持ってきてる
△:たぶん相手選手は意識ないね
△:プロのボクサーグローブと違って柔らかいのに意識飛ばしちゃうなんて...人間なのか...?笑
〇:(緊張するなぁ....アホみたいに緊張するぞ
〇:(告白なんてどうすればいいんだよ....はぁ
実況:〇〇選手一言もらえますでしょうか
〇:あ、えっと...その前に少し時間くれませんか?
実況:あ、そ、そうですか。それではどうぞ
〇:(ふぅ...落ち着け...落ち着けオレ
〇:菅原さん!
咲月:(ふぇ?わたし?!
〇:菅原さんリングまで来てもらえませんか
咲月:はいっ!
和:(〇〇君リングで告白する気!?
△:(羨ましいなぁ...リングで告白か
〇:菅原さん!
咲月:はい (な、なんだろう......すごい観客の人が見てる
〇:そんなに気が利かなくて、チョコもらったときも全然いい反応できなくて、今日も来てもらったのに上手く対応できないようなやつだけど......
〇:あなたのことが大好きです!僕と付き合ってください!
咲月:うぅぅ...🥲
咲月:私なんかでいいなら...よろしくお願いします!
〇:やったぁぁ
あまりの喜びから両手を上げると
『おめでとー!』
『彼女作ったからって弱くなんなよー』
『彼女さんべっぴんさんじゃねーか!』
〇:すごい祝福だ
咲月:なんか恥ずかしくなってきちゃった//
〇:何にも恥ずかしいことないよ。可愛いよ
咲月:こ、こんなところで照れさせないで///
〇:保健室のときと同じ顔になってるよ笑
咲月:やめてよ〜もう//
〇:そうだ!肩車してあげる!
咲月:へ?
〇:ほらっ
そう言って軽々と持ち上げ肩に乗せ
〇:どう?結構すごい人でしょ
咲月:みんな私のことみてる
〇:カッコイイ人みつけた?笑
咲月:そんなのとっくのまえに見付けてるよ
〇:そっか笑
△:こんなアマーい匂いがするリング初めてみたぞ
和:リング上でいっぱいの人が観てるなかで告白なんて羨ましいぞ!さっちゃん!
△:い、井上さんも羨ましいと思うんだ
和:もちろん!今日の試合も含めて、最高の告白じゃん
△:そうだよね (俺も頑張って勝ってここで告白しよ
それから〇〇達2人は離れることなく無事ゴールインし...
最強の父親が誕生した
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