週末レビュー(2021年1月31日)

いい一週間だった。非線形の成長を感じることが人生の中で最も好きな瞬間のひとつなんだけど、久しぶりに思考の深まりにその成長を感じて嬉しかった。

週の出来事と雑感

先週に引き続き、今週も全社の戦略についてじっくりと考えることに時間を使った。年始から1ヶ月断続的に同じテーマについて思考をしたことでかなり核心に近づけたと思う。

今の会社に入っておよそ二年半。5、6人目のメンバーとして新規ビジネスの立ち上げから参加をして、今は組織は20-30人の規模になり、元々のtoBビジネスは当初から売上規模は4倍と成長し、新たにtoC向けサービスを立ち上げ・リリースをする中で、ようやく自分なりに戦略というものを自分の感覚に落とし込めた感覚がある。

それまで戦略というものをうまく自分の中に落とし込めなかったのは、立ち上げ当初の組織の中におけるそれぞれの個人の役割があいまいで団子サッカーのような状態から戦略に関わる仕事をほぼ一人でしていたことで、経営レイヤー、部門長レイヤーと実務のリードレイヤーと組織における階層を全く意識しなかったからだと思う。


スタートアップで働いている自分の現段階での戦略の定義とは、

目的達成するために生じる複数の難題を貫き、解決する最も重要なアイディアを実現させるための資源(ヒト・モノ・カネ)の割り振りと施策を時間軸・要素間の相互関係を踏まえた順序を取り決めたもの

ここでポイントは戦略が「目的を達成するためのアイディアを実現する手順書」であって、「課題を解決するためのToDoリスト」ではないということだと思う。

楠木先生の『ストーリーとしての競争戦略』に例として出されていたサッカーの話のように、戦略とは得点を取るためのサッカーチームの連動した動きのことであって、それぞれの選手が試合中に気を付けると決めたことをまとめたものではない。

その定義通り、戦略は検討・整理され、実行に移す段階で限られた会社のヒト・モノ・カネを同じ方向に向け、目的を達成するために組織全体として進歩しないと全く意味がないのだけれど、恥ずかしながら戦略を全く理解できてなかった僕は、ビジネスの構成要素(顧客、運営方針、組織、モジュール等)を濃淡なく全体の関係性の中で整理をし、山積する課題一つ一つに対して各部門に担当者を決め、「課題を解決するためのToDoリスト」作成ガイドを作ってしまっていた。大切なのは、ユーザーが必要とするものを、まだどの会社もやっていない形として提供することを、どうやって会社内で有機的に実現するかというアイディアなのに!

戦略を描くにあたって、経営レイヤーでは、

・目的を実現するための課題のすり合わせとアイディア出し
・実現のロードマップ
・リソースを獲得するためのコスト制約の確認
・リスクの許容範囲の確認

とするべきで、

部門長レイヤーでは、

・実行プランの検討と実現可能性の精査
・部門内の評価体系のチェック・変更
・実務的なマイルストンの設定

が必要であり、

実務のリードは

・実務的なスケジュール
・担当者のアサイン

が必要。

僕が理解していなかったのは、経営レイヤーは戦略であるものの、その検討と落とし込みにかかわる部門長以下の動きは戦略ではなくて、計画(ToDoリスト化)であるということだと思う。どちらも理解できていなかったために、戦略を戦略としてアイディアの磨きこみと組織のリソースの選択と集中を促せないまま過ごしていたのだと思う。

読んだ本・見たもの

東山魁夷と四季の日本画、山種美術館

東山魁夷の朝焼けの潮が素晴らしかった。目の前に座ると波が力強く岩に当たり砕ける音が聞こえてくるような力に溢れた絵だった。他には、奥田元宋の絵が二枚展示されてあったんだけど、そのどちらもとても美しかった。日本の風景画であんなに目を奪われたのは初めてかもしれない。ちょっと東京からは遠いけど、コロナの状況を見ながら、広島の彼の美術館に行ってみたい。

アシュリー・グッドール 、マーカスバッキンガム、『仕事に関する9つの嘘』

読み進めているところ。9つの現在良いとされている経営手法に対して本当に組織が効率的に運営されるかと問いを設定しているのだけど、よくあるGAFA礼賛するような書籍とは違って地に足がついた論調に引き込まれる。無意識的に流行りの経営手法は取り入れようとしがちなところがあるので、こういう正しい問いを提示してくれる本は非常に有益。

今週も頑張ろう。


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