みやざき子どもの貧困対策人材育成研修(1月8日回)
こんにちは、教員を助ける学生団体Teacher Aide宮崎支部のゆいです。今回は、宮崎支部のツイートでも宣伝した
についてのまとめをしたいと思います。
↑こちらのツイートですね。お話しされたことのまとめと、わたしが感じたことを書いていきたいと思います。スケジュール等あわなくて参加することができなかった方はぜひ最後まで見て頂けると嬉しいです。
⑴子どもの貧困と学習支援
NPO法人Swing-by(NPO法人 Swing-by (swingby-miyazaki.com))の磯崎さん、都城市社会福祉協議会の鎌田さん(都城市社会福祉協議会 (m-syakyo.or.jp))にお話をしていただきました。
NPO法人Swing-byでは、(私も参加させていただいたことがあるのですが)ボランティアで、貧困家庭の子どもたちを中心的なターゲットとし、彼らの基礎学力の定着から受験対策までの学習支援を行っています。その簡単な活動報告や今後の課題などをお話してくださいました。学習支援ボランティアを通し、子どもと心まで通わすことの難しさや手立ての工夫を感じたり考えたり、そして子どもたちの学力向上による貧困からの脱却(自立)と同時に自分たち(ボランティアスタッフ側)も、将来教師になるためのステップアップとして整えられた環境であることを発表してくださいました。
そして都城市社会福祉協議会では、
「ひとり親家庭や生活保護受給世帯を含む生活困難世帯の子どもに対して、将来の自立に向けた生活支援と学習支援を一貫して実施することで子どもたちが抱える特有の課題に対応し、生活や学習支援や居場所の提供を行うことで、貧困の連鎖を防止すること」
を目的とし、事業を展開されています。
都城市の取り組みはとても特徴的で、ここでちらりと個人の感想を述べさせてもらうと、
って感じです、お話に戻ります、失礼。
都城市は15の中学校を単位として、地域福祉活動を展開しており、 全15地区で学習支援活動を行っています。そして、全ての地区や団体は、4つの運営主体によって運営されています。つまり、全部をひとりのリーダーが治めているのではなく、4人のリーダーに振り分けられている、っていう感じです。
そして魅力的なのが、全ての地区が同じことをしているのではなく、その地区に適した支援を行っていることです。
の4つに分類されるみたいです。社会福祉協議会がコーディネートすることで、より正確に、地域に適した支援ができますよね。私は宮崎に生まれ、宮崎で育ちましたが、このような取り組みをされている場所があることは知りませんでした。それが知れただけでも満腹でした…。
さて、宮崎にはもちろん他にも社福はあるはずなので、それらがどのように教育を捉え、子どもとかかわり、地域に根差しているのかは1教員としてこれから知りたいと思っているところです。
⑶子どもの遊び場・居場所
このテーマについては、NPO法人ヒミツキチの山下さん(NPO法人ヒミツキチ (himitsukichi.org))、そして北九州市立大学准教授の山下さんにお話ししていただきました。補足情報ですが、お二人苗字が一緒だけど、何の関係もありません!(笑)
NPO法人ヒミツキチでは、現代に生きる子どもの「体験の貧困」に着目し、子どもに遊びを通して体験活動を提供する事業を展開されています。
体験の貧困、ぱっとその言葉を聞いてどのようなものか想像できるでしょうか。私なりの解釈では、遊びを通して得られる日常的な科学的知識、情緒、人とのかかわりで得られるコミュニケーション能力など、これらを経験する機会がぐんと減ってしまったことだと思います。
ヒミツキチの特徴的な取り組みは、「プレーパーク」というものです。
また、ヒミツキチでは
ぼーっとする
冒険する
没頭する
という「3つのB」を大事にされているみたいです。特にコロナの感染拡大をきっかけに、子どもが外で遊ばなくなったというのを改めて感じた方もおおいのではないでしょうか。しかし、それはここ数年ではじまったことではないんですね。宮崎市にはこのように、「遊び」を真剣に考える大人がいます。必要な誰かに、この情報が届いたらいいなと思います。
山下准教授には子どもの「居場所」について、大学の先生らしく(これは私の感想・感覚です)批判的な視点で非常に興味深いお話をしていただきました。
そもそも「居場所」という言葉、不登校・非行問題が激化した1970年代に登場した言葉らしいのです。
全児童対策の取り組みが増え、放課後児童クラブにおいても「居場所機能」が求められるようになりました。たとえば近年だと、子ども食堂や貧困対策学習支援。山下先生は「『居場所』概念の過渡期」とおっしゃっていました。必要な実践の視野が増えたのか、それとも本質的な問題が見えづらくなり、支援が行き届きづらくなっていないだろうか。
大人が作れるのは居場所ではなく、「場所(環境)」。そこを居場所にするのは子どもの主体性であるという言葉がとても考えさせられました。山下先生は学生時代から「居場所」にとことんこだわっていらっしゃって、商店街にブースを設け子どもたちが遊べる「場所」を作っていました。そこに集まる子どもたちは、誰かとなにかをして遊んだり、また、ずっとひとりで何かをしている子どももいたようです。「ここってひとりでいてもいいから、いいね」という子どもの言葉。居場所とは何か、について改めて考える必要がありそうですね。
⑶終わりに
私がこの1月8日回で感じたことは2つあります。
たまに聞くこの言葉に私がずっと違和を感じていたのは、「勉強ができなくても生きていける」のであって、「勉強しなくても生きていける」のではないと認識していたからだと、今回の研修を受けて改めて実感することができました。貧困の大きな一つの特徴として「選択肢がない(少ない)」ことがあります。特にSwing-byは貧困の連鎖を断つために”学習”にアプローチをかけて、支援を行っています。大阪府立西成高校の反貧困学習が有名かと思いますが、「学ぶ」ことが脱貧困につながるという意識は持っていて間違いないことだと思います。軽い気持ちで吐いてしまいそうなこの言葉、今一度よく考えてみたいですね。
こちらも、山下先生のお話をきいて、私もずっと心に引っかかっていた「居場所づくり事業に対するもやもや」が張れたような気がします。
子どもの「居場所」は”大人が”つくることができるのかということについて、このような事業が多く展開されている今だからこそ考えたいテーマであります。居場所と謳いながら、その施設等に「子どもが来ない」と嘆くという矛盾もあります。小さな認識のずれが、社会問題の解決に足を引っかけている可能性があることを知っていたいです。
「みやざき子どもの貧困対策人材育成研修」1月8日回、今回も学びが多く、そして子どもともっとも近い場所で働く学校職員をはじめとし、そして社会全体がもっともっと”じぶんごと”として考えられる大人たちでたくさんになるといいなと感じました。
今のわたしにできることは、こうやって、アンテナを高く張ってひたすら学ぶこと、そして自分なりに発信していくことです。今後もこの研修は続きます。都度アウトプットをしていきたいと思います。是非遊びに来てくださいね。