バイリンガルギョウザ

海外出張が決まり、スペイン語とドイツ語を喋れるようにならなければいけない。
「二ヶ国語も無理だろ…」
途方に暮れながら歩いていると、餃子屋の看板に目が止まる。
"餃子を食べると二ヶ国語喋れるようになります"と書かれていた。
藁にもすがる思いで店に入り、餃子を注文。
「何語にするネ?」
語尾に癖のある店員だ。
「スペイン語とドイツ語で」
「はいネ、少し待つネ」
三分後。
「出来たネ」
早っ!というか大皿からはみ出るほどの大きい餃子が出てきた。
箸で皮を切ると、中から肉汁が溢れる。
一口サイズに切り、口の中へ運ぶ。
「はふい…」
熱い、美味い、熱い、美味い。
まるで餃子が舌の上で踊っているようだ。
完食したあと、早速二ヶ国語を言ってみる
「エンパナーダ、マウルタッシェン」
本当に二ヶ国語喋れるようになった。
「これなんて意味ですか?」
「餃子ネ」
「え?」
「餃子」
「…」
俺はラーメンとライスを追加注文した。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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