ルールを知らないオーナメント

クリスマスが終わり、飾り達はツリーから降りていく。
「なんだあれは?」
てっぺん星が、部屋の隅を見て言った。
「あれは鏡餅ですよ。正月に飾られる物で……おや?飾りはまだで餅だけですね。クリスマスだけの我々には関係ないです」
ジンジャーブレッドマンが、眉を八の字にしながら言った。
「それを聞いたら黙って箱に戻るわけにはいかないな!」
「我々とは別の飾りがあるので」
「そんなの知るか!サンタ!」
星に呼ばれたサンタ人形は、ジンジャーブレッドマンの頭に噛みつき、サクサクと音を立てながら食べた。
「皆!次はあそこだ!行くぞ!」
星の掛け声で、飾り達は鏡餅へ向かって走り、次々と鏡餅に張り付いていく。
餅は飾りで埋まって見えなくなった。
「俺は勿論てっぺんだ!」
星は宙を舞い、鏡餅のてっぺんに突き刺さった。
「あら?クリスマスの飾りがこんな所に……。ちょうどよかったわ」
家の住人の女性は鏡餅を持ち上げ、ゴミ箱に捨てた。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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