クリスマスカラス

雪が降る夜の町で、少年はカラスを追いかけていた。
ぼろぼろの服に穴が空いた靴。
チキンを買うお金がない少年は、カラスを捕まえて食べようと考えたのだ。
逃げるカラスに追いつかず、少年は息を切らしながら雪の上に倒れ、そのまま眠ってしまった。
目覚めた少年がいた場所は、雪の上ではなくソリの上。
赤い服を着た老人が振り向き、少年に声をかける。
「目が覚めたかい?使い魔が君を見つけて、私に助けを求めてきたんだ」
老人の横には、少年が追いかけていたカラスがいた。
「ちょうど一仕事終えて家に帰るところだ。ご馳走するから一緒に来るといい」
ソリは山のほうへ向かい、煙突のある家に降りた。
少年は老人の家で、冷えた身体を暖炉で暖まり、チキンと温かいスープをご馳走になる。
両親を早くに亡くし、帰る家がない少年は、老人にここで働かせてくれるよう頼んだ。
「カー」
翌年から少年はカラスと共にソリに乗り、プレゼントを配る仕事をしている。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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