二億斉藤

俺は人類最後の斉藤として、オークションに出品された。
斉藤という平凡な苗字が、こんな貴重になるとは……。
てか、あっさりと絶滅するなよ俺以外の斉藤達よ。
考えている間に俺の値段が上がっていく。
「二億で落札です!おめでとうございます!」
どうやら俺は二億の値段がついたらしい。
無価値だった俺が、希少価値になるなんて思わなかった。
落札したのは、金のネックレスを首に沢山かけているザマス婦人。
俺は目隠しされ、どこかへ連れていかれる。
「今日からここがあなたの部屋ザマス」
ようやく目隠しを外されたと思ったら部屋に押し込まれ、すぐにドアを閉められて鍵をかけられた。
360℃ガラス張りの部屋。
外から丸見えじゃないか……。
「皆さん!人類最後の貴重な斉藤ザマス!」
沢山の人がガラス越しで俺を見ている。
これからは視線を気にしながら生活しないといけないのか。
貴重な存在になっても、良いことはないと身をもって実感した。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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