理科室まがった

理科室には曲点がある。
今日の理科の授業で先生が言っていた。
皆はマッド先生と呼んでいて、変わり者扱いしている。
「お、お邪魔しまーす……」
僕も変わり者かもしれない。
曲点というワードが気になり、理科室に来ていたからだ。
「おお!よく来た!」
先生が両手を広げて歓迎してくれた。
「先生、曲点について詳しく聞きたいのですが……」
「そんなものはない」
「えっ」
即答で言われ、唖然とする。
「君は曲点が気になったのだろう?わくわくしたのだろう?そういう仲間を探していたのさ」
つまり、友達が欲しかったということだろうか。
「曲点はないと言ったが、ないなら作ればいい。そうだな……曲点を突くと、ぐにゃりと曲がる。いいじゃないか。まずはこの理科室を曲げるところから始めよう。さぁ、実験開始だ!」
先生は嬉しそうに実験器具を次々と出す。
楽しいなら……いいか。
「手伝いますよ、先生」
僕も先生と一緒に実験をすることにした。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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