1分しまうま

空には虹が出ている。
こっちの世界は、さっきまで雨が降っていたようだ。
ノティは先生から出された魔法課題に合格するため、魔法が存在しない異世界にやってきた。
課題内容は一分しまうま魔法で、沢山の人を驚かせること。チャンスは一度のみ。
「どうすればいいんだ…」
ノティは大きい建物が並ぶ人通りの多い所に来た。
魔法を使うには絶好の場所だが、ノティはすぐに魔法を使わず考え込んでいる。
きょろきょろしたり、同じ道を行ったり来たりを繰り返す。
「はぁ…」
ノティは溜め息をつきながら空を見上げると、まだ虹が出ていた。
ノティはしばらく虹を見て、小さい声で呟く。
「一分しまうま」
虹の形が、シマウマに変形した。
空を駆ける虹色シマウマに気付いた人達が、声をあげて驚いている。
一分後、虹色シマウマは雲の中で消滅した。
ノティは魔法課題に合格出来たが、噂によると異世界では虹の代わりに、虹色の雲が現れるようになったらしい。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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