告白雨雲

智樹は同じクラスの愛理に好意を寄せていた。
だが、告白するどころか話すことが苦手で、遠くから愛理を眺めるだけ。
発明することが得意な智樹は、自分にしか出来ない告白をすることにした。
学校の帰り道、愛理が友達と別れて一人になったのを確認した智樹は、小さい空気入れを取り出す。
足で何回か踏むと、ピンクの雲が出てきて浮かび上がる。
「愛理ちゃんの近くで降らせてこい」
智樹が命令すると、雲は愛理の前へ素早く移動。
「きゃっ」
突然現れた雲に、愛理は小さい悲鳴をあげる。
雲は愛理の前で雨を降らす。
降らし終えると、地面に虹がかかり、虹の下には"好きだ"と雨字で書かれていた。
「ど、どうかな」
智樹は愛理の後ろから声をかけると、愛理は振り向く。
「これは智樹君が?」
「う、うん」
「私も好き…この雲」
「…えっ」
愛理は雲を連れて智樹から離れていく。
智樹は二人を見送りながら空気入れで新しい雲を出し、自分に雨を降らした。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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