ネコクインテット

五人の救世主が魔楽器で世界を救う。
昔からの言い伝えだ。
人間達はこの言い伝えを信じ、世界を闇で包む魔王を倒す救世主を待った。
ある日、城下町の上空に魔王が突然現れ、人間達は逃げ惑う。
魔王が魔法を唱え、城下町に放とうとした瞬間、広場に魔楽器が現れた。
「救世主様が助けに来てくれたぞ!」
人間達は歓喜し、広場に集まるが救世主の姿はない。
魔楽器をよく見ると、五匹の猫が楽器を演奏しようとしていた。
この猫達が救世主なのだ。
だが、魔楽器は人間用に作られた大きさ。
楽器を爪で引っ掻いている姿は、爪研ぎにしか見えない。
チェロを弾こうとした猫は、弦に弾かれて飛ばされる。
猫達は何度も演奏しようとしたが、出来なかった。
その様子を見ていた魔王は地上に降り、猫達に近づく。
「可愛い奴らだ。我の所に来るか?」
五匹の猫を抱き上げ、そのまま空を飛んで去っていった。
五匹の救世主のおかげで、とりあえず危機は回避されたようだ。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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