タイムスリップコップ

若くして多くの発明品を世の中に送り出した明博士は、タイムスリップコップを作った。
このコップのことは誰にも言っていない。
博士は研究所を抜け出し、自宅へ向かった。
二十五年間、住み続けている家だ。
博士は自分の部屋へ向かい、子供の頃から使っている年季の入った机の上に置いていた汚れたコップとタイムスリップコップを置き換え、コップの中に紙を入れた。

十五年前。
少年が机でうつ伏せで泣いていた。
顔を上げると机の上にコップが突然現れる。
少年はコップの中に入っていた紙を広げた。
"君は今、医者から長く生きられないと言われ泣いているだろう。生きていても仕方ないと思っている…。でも、君には夢があるだろう?沢山の人達を笑顔にしたいという夢が。諦めずに前へ進めば素晴らしい世界が君を待っている。私が保証しよう。このことは私達だけの秘密だ。また、ここで会おう。

未来の僕より"
少年は紙をポケットに入れ、部屋から飛び出した。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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