ひと夏の人間離れ
木々が枝を揺らしながら、俺のことを笑っている。
夏の長期連休中、登山に挑戦していたが、帰り道が分からず遭難してしまった。
電波がなく、スマホで位置情報を確認出来ない。
唯一、涼しいのが救いだ。
山で見る四度目の夕日。
とっくに食料と飲み物は尽き、川の水で凌いできたが、腹が減りすぎて力が入らなくなってきた。
このままでは飢え死にしてしまう。
何かないか食べ物を探すと、木の周りに真っ赤なトゲトゲしいキノコが生えていた。
いかにも毒キノコな見た目。
だが、背に腹は代えられない。
覚悟を決め、目を瞑ってキノコを食べる。
すると、力がみなぎり、目が冴えてきた。
運良く食べれるキノコを引き当てることに成功したようだ。
いくつか採取し、持ち歩くことにした。
キノコを食べるたび、力がみなぎる。
木を殴り倒しながら進み、ようやく下山することが出来た。
皆は俺を見て、逃げていく。
俺の身体は、人より数倍大きい化け物になっていた。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
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