フシギドライバー

最近、フシギドライバーが運転するタクシーが流行りらしい。
今日は会社の面接なので、噂のタクシーを呼ぶことにした。
久しぶりの面接は緊張で胸がいっぱいだ。
家に来たのは、デコレーションされたタクシー。
ドアが開くと、甘い香りが鼻につく。
後部座席に乗り込むと、ぬいぐるみが置いてあり、運転席にはツインテールの若い女性が座っていた。
恐る恐る目的地を言うと、運転手はうんうんと頷く。
「ファンシーで可愛い人達が暮らす城ですね。分かりました~」
「いや、普通のビルなんだけど…」
ツッコミをすると、運転手はアハハと笑いながらタクシーを発進した。
「スーツに緊張してる顔…面接ね」
運転手はルームミラーで俺を見て言った。
「四十越えた私でも運転手になれるから大丈夫よ」
人は見かけによらない。
「若者よ、頑張りなさ~い」
会社に到着し、タクシーから降りる。
派手なタクシーと運転手のおかげで、いつの間にか緊張がなくなっていた。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?