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今年に読んでよかった本について

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コーヒーの次くらいに本を読むことが好きなわけだけれど、とはいえ今年はなんやかんやとやりたいことがあったりして、そんなにたくさん本を読んだなあという感じもしない。

なんというか、家でじっとしているのが好きな割には、今年はあちこちに自分から出向いていったし、人に会ったり、何かイベントに参加してみたりと、自分にしては活動的だったように思う。

特に春から秋にかけて、外に出ていた時間も多かったように感じるし、なんというか、家にいて本をじっくり読むというよりも、太陽の光だったり、外の新鮮な空気を求めていたような気もする。

それが雪も降ってきて、僕としては、じっくりと家で本を読むシーズンが始まったなあという感じがするし、外で過ごす時間も楽しいものだけれど、やっぱりこうして暖かい部屋でコーヒーをそばに置きながら、じっくりと紙の本をめくりながら過ごす時間もなんとも言えない幸せな時間であることは間違いない。

今年もあともうちょっとだけれど、今年に読んでよかったなあという本はなんだろうと考えてみると、つい最近になって読んだばっかりではあるけれど、「ポワロと私 デビッド・スーシェ自伝」という本になる。

これはミステリーの女王、アガサ・クリスティーが生み出した名探偵である、エルキュール・ポワロをテレビドラマでおよそ25年もの間にわたって演じた俳優のデビッド・スーシェによって書かれた回顧録となっている。

僕がそもそも、本をよく読むようになった出発点が推理小説からで、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズから始まり、そしてアガサ・クリスティーのポワロも学生の頃によく読んでいた。

それこそ、今みたいにインターネットが気軽に使えるわけでもなく、スマホもない時代だったので、僕の楽しみといえばCDでビートルズを聴くか、寝る前に布団に入って、推理小説を眠くなるまで読むことだった。

そして、ちょうどそのくらいに、テレビドラマの「名探偵ポワロ」を放送されているのをたまたま見て、すぐに大好きになってしまった。

僕はそもそもイギリスの英語だったり、文化だったり、風景が好きなのだけれど、テレビドラマでは昔のイギリスの様子がとても丁寧に作り込まれていて、なんというか、ドラマの雰囲気そのものがとても大好きだった。

そして何より、デビッド・スーシェ演じるポワロがなんとも魅力的な人物というのか、ミステリードラマではあるのだけれど、どこかユーモアもあってスリリングでとても楽しいドラマになっている。

僕はテレビドラマというのはほとんど見なかったのだけれど、このテレビドラマの名探偵ポワロが大好きになってからは、ビデオテープ(懐かしいね)に放送を録画して、同じ話を何回も飽きずに観ていた。

それからポワロからは、しばらく離れてしまったけれど、今年のクリスマスのプレゼントに、奥さんからこの「ポワロと私」をプレゼントしてもらって、300ページ以上ある分厚い本だったけれど、ほぼ1日で一気に読み上げてしまった。

それくらい僕やテレビドラマの「名探偵ポワロ」のファンである人には、とてもとても楽しめる内容の本になっているし、本を読んでいるうちに、僕は改めて「名探偵ポワロ」を最初から最後まで観てみたくなった。

ポワロを演じるということになった時、テレビシリーズが始まった時、そのテレビシリーズが世界的な人気になった時、デビッド・スーシェがどういうことを感じていたのか、そして「名探偵ポワロ」の撮影が最後を迎えようとしていること、およそ25年もの間、ポワロを演じてきたことについてたっぷりと書かれていて、ページをめくる手が止まらず一気に読んだし、またじっくりと何回も読んでいくことになる本だと思う。

本にも書いてあるけれど、最初デビッド・スーシェにポワロ役の話がきた時、デビッド・スーシェは、アガサ・クリスティーの本を一冊も読んでいなかったそうで、それには読んでいた僕も、ちょっとびっくりした。

ポワロ役が決まってから、アガサ・クリスティーのポワロ作品を読み、さらにポワロの特徴をまとめたリストをつくって、あの魅力的なエルキュール・ポワロという存在をつくりあげたというから、俳優というのか、デビッド・スーシェという人はすごいなあと感じた。

なんというか、久しぶりに本を楽しくたっぷり読むことができて嬉しいし、なんだか疲れていた年末だけれど、ポワロの小説を全部読みたいし、ポワロのドラマも全部観たいしでまたこれから、来年に向けてのエネルギーがわいてきたように感じる。

今はいろんな楽しいことがたくさんあるけれど、それでもやっぱり冬の雪がしんしんと降る日にじっくりと本を読むというのは、いつになっても楽しくて幸せなことであるなあと改めて気づいたし、今回の「ポワロと私」はポワロファンにはぜひとも読んでいただきたい1冊になっている。


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