今の仕事を始めたきっかけと、これからの仕事と、

こんにちは。たまです。札幌で”障害年金専門の”社会保険労務士をしています。
このところの札幌は一気に気温が下がり、あの猛暑が嘘みたいに北海道らしい秋が来ています。

先日、何故今の仕事をしているかを質問される機会がありました。
そして、それがこれからやりたい仕事について考えるきっかけになったので書いてみます。

なぜ社労士に?

10年ほど前、僕の友人が身体を壊しました。原因はハラスメント。
ボロボロになった友人は退職届を出すも、「仕事を片付けてから辞めろ」と上司から言われ、3カ月かけて残務を片付けさせられました。そして、この3か月の給与の支払いはゼロで現在まで未払い。

何かできることが無いかと色々調べ「社会保険労務士」という資格があると知り、当時の仕事を辞めて社会保険労務士事務所に就職しました。

就職先の社労士事務所はいわゆる”労務管理”を行っている事務所で、僕は労務の仕事に就いた。
でも、上手く出来なかった。本当にポンコツ過ぎて自分が嫌になるくらいできなかった。先輩方のフォローもたくさん頂きながら仕事を続けたけど本当に出来なくて、半年くらい経過した時点でクビを覚悟した。

マイナススタート

そして、ある日の所長との面談。僕はクビの宣告(というか、自主的に退職の機会)だと思っていた。
所長から出た言葉は「たまちゃん、障害年金だ!」

その日から、僕は障害年金の手続きをお手伝いする人になった。
本を読み、セミナーDVDを見、セミナーに行き、時には東京や大阪の勉強会にも参加させてもらった。多分、僕の教育費にものすごいお金がかかったと思う。

でも、当時の僕はその有難みなど露知らず、労務管理の仕事から”外された”と感じていた。
先輩方、そして僕より後に入ってきた後輩たちも労務仕事を上手くこなしている中、”僕は外された”と感じていた。

感情的にはマイナススタートだった。

ただ、ご相談者さんが来てくださって、役に立っているのかもしれない、という実感が出てきた時に、この仕事が段々と楽しくなっていった。
心残りは、当時の事務所が僕にかけてくれた教育経費を恩返せるだけの成果は上げられていなかっただろうこと。

結局、その後6年くらい当時の社労士事務所でその業務に携わり、現在は独立してその業務をやっている。

独立した今、”外された”という当時の感情は間違っていたと反省している。
独立してご飯が食べられるくらいまで成長させて頂いたことに、ものすごく感謝している。(感謝してもし切れない。)

所長から言われた「たまちゃん、障害年金だ!」は今や僕の人生を大きく変えてくれた啓示的なものになっていて、元の職場の方向に足を向けては寝られない。

今とこれから

沢山の方のご指導ご鞭撻のおかげ様で、現在もどうにか喰いっぱぐれることは無く仕事ができている。
前所長が与えてくれた仕事。これは僕が自分の人生をかける価値がある仕事になってるから、続けていく。

併せて、やりたいことがある。
社労士を目指したきっかけ”ハラスメントを受けて身体を壊した友人のためになにかしたい”という感情。
この友人は今はものすごく元気に生きてるから、この友人のためという大義はもう無い。

でも、障害年金の仕事をしていると、この友人と同じような境遇で心身を病んでしまった方と出会うことが多い。
すでに”病んでしまった”方のために障害年金の受給手続きを手伝う今の仕事はとても大切な仕事だと分かっている。
が、同時に”この方が病まずに済む方法は無かったか?””病む前に何かできたことは無いか?”と考えている自分もずっといて、モヤモヤがずっとある。

今、具体策は何もない。
でも、病んでしまうギリギリのところにいる誰かが”病まずに済む方法”はきっと何かあるのではないか。それをずっと考えている。

社労士としてできることを。
あと、一人間としてできることを。

「病む人がいなくなったら、お前の仕事減るぞ」って言われるかもしれないけど、それはそれでいいじゃんけ、って思える馬鹿さが僕の取り柄だと思っているから、言わないで。

何ができるかな。
分からないけど、考えて、動いてみて、色々試してみる日々を送っていこうと思っています。

長文となりましたが、お読みくださった方がいらっしゃったら、ありがとうございました。