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ホームページから消した記事の話。

こんにちは。
札幌市で社会保険労務士をしている”たま”です。

障害年金に特化した社会保険労務士をしているので、もっと沢山の人に障害年金を正しく知ってもらいたいと考え、ホームページ等で発信をしています。

そのホームページの中で、たくさんのアクセスを頂いた記事がありました。
”ありました”と過去形で書いたのは、現在はそのページを非公開にしているからです。

今回は、その記事のこと、非公開にした理由について書きます。


消した記事のタイトルは「【精神・発達障害の方向け】働くと障害年金は停まりますか?」。
この記事は、僕のホームページで1番多くの方の眼に触れた記事。
そして、多くの方からお問合せの電話やメールを頂くきっかけになった記事。

でも、消した。

障害年金をよく知らない方向けに、超ざっくりと説明すると、障害年金とは病気やけがで障害を負った方に支給される公的な年金。
うつ病や統合失調症などの精神障害、ADHDやASDなどの発達障害も対象傷病とされている。
病状によって1~3級の等級に分けられており、等級によって受給できる金額が変わる仕組み。
精神・発達系の障害で受給できる基準を超ザックリで書くと、次のようになる。
・3級は「仕事に制限を加える必要がある障害状態」
・2級は「労働ができない程度」
・1級は「社会生活に常に他者の援助が必要。」


本題に戻ると、非公開にした記事をお読みになってくれた方、問合せを下さる方の多くが気になっているのは、ほぼ間違いなく2級・3級の基準のこと。

まず、3級。
・「仕事に制限ってどの程度?」っていう点。
・週に何時間働いたら障害年金が停止になるの?
・月にいくら稼いだら障害年金が停止になるの?

次に2級。
・どの程度だったら働いていいの?
・障害者雇用ならOK?
・就労継続支援ならOK?

記事の中では、そんな疑問点を書くだけ書いて、次のような回答を書いた。

いろんな資料を読んでも、結局は”総合的に判断する”というあいまいな基準しかなく、絶対的な正解はない。
書類を出して、審査を受けてみることが大事。

答えになっていない。何て酷い記事なんだっ!


でも、(繰り返しになるが)この記事はたくさんの人の眼に触れた。
問合せのきっかけにもなった。

でも、消した。

消した理由は、この記事が(もしくは僕自身が)障害年金を受給している方が働こうと考えた前向きな気持ちを邪魔しているのではないか、と考えたから。

「障害年金を受給しています。働こうと思っているんだけど、働いたら年金は停まりますか?」という質問に、「停まる可能性はある。」と回答すると、高い確率で返ってくる言葉がある。

「障害年金が停まるなら、就職考えるのをやめます。」

この言葉を聴くのが嫌で、このページを消した。
最初は積極的に、働いてお給料を得る方が障害年金よりも手元にあるお金は増えるはず。だから、就労を諦めないでほしい”と伝えていたが、届かなかった。

また、一旦就労にチャレンジして障害年金が停止になったとしても、また障害年金が必要な状況になった時には再度支給を開始してもらう手続きができるから、チャレンジしてみてほしい旨も伝えたが、伝わらなかった。

いつか「障害年金が停まってもいいや。働こう!」って思ってもらえるような言葉づかいで、精神・発達障害と就労の関係についた記事を、もう一度ホームページにアップしたいと考えている。
もう少し経験を積みながら、いろんな方の意見を聞きながら。

そして、「障害年金が停まってもいいや。働こう!」って思ってもらえるような支援や職場環境づくり、啓発活動に積極的にかかわっていきたいと考えています。


徒然なるままに書き散らした文章を、ここまでお読みいただきました方がいらっしゃるのなら、本当にありがとうございます。