1月の超過死亡に注目

概要:2022年の超過死亡の異常さが何処から来るのかの分析を試みたいと考え、2021年、2022年の月別死亡者数、Covid-19死亡発表数、そしてワクチンの接種人数の関係を調べています。
データの元にするのは2013年以降の月別死亡者数で、その回帰推定値を使い、実際の死亡者数との差を超過・過少死亡として使っています。これまでに、この2年間の超過死亡者数と、Covid-19死亡発表数の3.2倍が近い値となることを確認しました。しかし同時に、回数別ワクチン接種人数に定数をかけ、多少の遅れを仮定しつつ、Covid-19死亡発表数も加算すると、やはり超過死亡を説明できてしまいそうな結果も得られています。つまりこの2年間の超過死亡は、(A) Covid-19そのものの検査不足による隠れCovid-19死亡者でも、(B)ワクチン接種の影響でも、さらには中間的なこの2つの同時発生でも説明できることがわかります。
一方で、1月2月の死亡者数は未発表ですが、すでにCovid-19死亡者数とワクチン接種人数は2023年2月まで発表されており、1月2月の予測値は計算できます。その結果は、1月は(A)17.7万人、(B)16.2万人、2月(A)13.5万、(B)12.9万となり、1月が大きく異なります。
これまではコロナ流行時直前にワクチン接種を実施していて、数字がわからなくなっていました。しかし1月はCovid-19死亡者数が極端に多かったにも関わらず、ワクチン接種が少なかったため、違いがはっきり出てくる可能性が高いということになります。
その結果、この1月の死亡者数が発表されれば、(A)(B)どちらにより近いかがわかる可能性が高いのではないでしょうか。 


それではグラフを見ていきます。これは2020年以降の月別死亡者数:赤、Covid-19死亡発表数:黒、そして回帰分析(2014~2021年月別データ):青による死亡者推定です。2020年は死亡者数が予測より少なかったのですが、2022年の数字は異常でした。

この異常(赤が青を大きく上回っていること)を黒いCovid-19死亡だけで説明できるか、を考えると、以下のようになります。細い点線が、
  回帰推定+Covid-19死亡発表数
です。これだけでは、まだ超過死亡を説明するには不十分です。そこでPCR検査不足による見落としを考え、
  回帰推定+3.2xCovid-19死亡発表数 
を計算したところ、太い点線のようになりました。見落としを含めて発表の3.2倍の死者数がいると考えれば、ほぼつじつまが合うと理解できます。(これが前回までの結果)


一方で、ワクチン接種回数を調べた結果グラフです(右軸)。1回目~5回目接種が公開されています。

3回目以降の接種が超過死亡を招いているのではないか、という指摘があります。それを概算で検証してみたグラフがこちら。

緑の点線が、
  回帰分析+Covid-19死亡+ワクチンの影響推定 
の結果です。ワクチンの影響推定では、1回~5回目接種人数にそれぞれ異なる定数(0.00001~0.0009)を掛け合わせ、さらに接種月およびそれ以降に死亡の影響が出るとして計算しています。(なおこの0.0009という数字は0.09%であり、過大な数字になっている可能性が大きいです。理由はこの時期のCovid-19感染発表が非常に多い時期であったため、また10月以降は検査報告の方法が変わったため、発表の3.2倍よりもさらに見落としが多かった可能性があるためです。)

この2種類の予測の違いは、2022年はそれほど大きくありません。2021年以降のデータに2種類の予測を重ね合わせた結果がこちら。

しかし2023年1月の予測が大きく異なることがわかります。(1月は黒い点線(A)17.7万人、緑の点線(B)16.2万人)つまり、3月末までに発表されるであろう1月の死亡者数に注目する必要があることがわかりました。

ワクチン接種後の感染による死亡もあるでしょう。県別に調べるともっと明らかになることも多いかも知れません。少しづつ分析をすすめていきます。