見えてきた?ワクチンの効果の低下と希望

今日は第84回アドバイザリーボードの資料が公開されたので、第83回の情報にとあわせて4週間分のデータで、ワクチン2回、3回接種の効果について確認してみました。(資料そのものの疑問は別途)

結論:
・3回目接種の効果は、この4週間でも低下傾向が見える。特に高齢者。
・2回目接種でのマイナス効果が、時間と共に改善の可能性がある。

(いずれも未接種者との比較、未接種者数は資料を修正して使用)


今回行ったのは、第84回の資料2-5

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と、第83回の分析です。但し人口情報を最新にしてワクチン未接種者の人数を修正し、同時に未接種10万人あたりの陽性者も修正して使用しました。第84回の資料を修正した結果は以下のようになります。(太字が修正部分、修正方法はこちらに紹介済み)

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5歳ごとの人口のみ情報が得られたので、0ー11歳、12ー19歳の正確な人口がわからないので、その部分は空欄にしました。

この情報をグラフ化してみた結果を示します。

修正の効果:未接種10万人あたりの陽性者数

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修正前のデータでは、90歳以上を除外しています。右は修正後です。グラフを見る限り、右に大きな問題はないと思われます。(右は直下のグラフと同じ)


10万人あたりの陽性者数

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この期間、少し陽性者数が減少傾向でした。未接種者のデータの修正を行ったことで、2回、3回接種者と傾向に大きな差がなくなったことがわかります。

ワクチンの効果の推移:

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ワクチン未接種と2回接種、未接種と3回接種の効果を数値化したものです。

2回接種後、50歳以上ではすでに逆効果になっていますが、時間経過と共に未接種の水準に近づいているように見えます。これは、一旦下がった免疫効果が自然免疫で回復している可能性を示唆しているのかも知れません。

3回接種は、いずれの年代でも今のところは未接種より効果があるようです。しかし気になるのは全世代で効果が下がっているように見えることです。この期間一番効果が高かったのは最初の4月11日からの週。すでに40歳代と60歳以上の効果は50%以下。特に高齢者ほど急激に効果が下がっているように見えます。特に80歳代ではこの間だけでも15%、60~64歳で14%、65~69歳でも13%も下がっています。今のところ効果が63%あるように見える20歳代も、接種からの時間と共に効果が下がる可能性がありそうです。


参考:
4週間分の陽性者数です。これは元データであり、修正はありません。接種歴不明が非常に多いことがわかります。その割合は陽性者全員の35%前後(11歳以下を除く)にもなり、統計データとしてはとても不完全なものと言えます。

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2回接種の陽性者数が多いのは、2回接種者の人数が多いからと考えられます。それをグラフ化したのがこちらです。(未接種者修正済み、4週間のデータはほぼ同じなので最新のみ例示しました)

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課題・要検討事項:
・接種歴不明者が非常に多く、誤差が大きい可能性がある
・資料に使われている人口データが何かを確認する必要がある(未接種者数をどのように計算しているか、とも関連)


以上、今回は、資料に関する問題は横に置き、ワクチンの効果についてのみ考察してみました。

2回接種しても、少しづつ自然免疫で未接種と同じになるのではないか。これが希望だと思いました。