検査数が減っている

日刊現代が、2月からの検査数減少を「1日当たりの検査件数を1月第二週における1日当たり平均検査実績の2倍以内」とするようにとの事務連絡文章があったと報道しています。今回は、実際に検査数がどうなっているのか、都道府県の幾つかを選んでグラフ化してみました。

結論は、確認したほぼすべての県で減っている!

まず記事はこちら:

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1日当たりの検査件数を1月第二週における1日当たり平均検査実績の2倍以内として頂くようお願いします〉──。先月27日、内閣府地方創生推進室と内閣官房コロナ対策推進室が、連名で各都道府県に送付した事務連絡の一文である。

ずっと気になっているのは、陽性率の上昇です。要するに検査数が増えていないからです。最近の日本の検査陽性率の高さは危機的にも書いた通りです。

都道府県別陽性率は以下のとおりでした。(7日平均、2月20日現在)空欄は、データが遅れるなどで数字が不明な所です。

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(ミスがあったので修正しました。2/22記)

必ずしも感染者数が少ない所が陽性者数が低い訳ではありませんが、陽性率が高い所は陽性者が多いことは確かなようです。


続いて時系列を見ていきましょう。

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2月11日以降の検査数減少は、実際に起きているようです。そして陽性率はどんどん増加しています。下のグラフは2021年12月1日からのグラフです。

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まずは一番人口が多い東京のグラフです。

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2021年12月1日以降の東京都、検査数7日移動平均(青)、陽性者数(緑)の人口10万人あたりの推移を示しています。左軸です。一方赤の点線は、陽性者数÷検査数7日移動平均で、陽性率としています。

まず、12月中は、青と緑のグラフに開きがありました。陽性率の低さからもわかるとおり、一応検査は足りていたと考えられます。しかし1月以降、検査数と陽性者数が上昇、陽性率もあがりました。問題は2月初めからの検査数の減少でしょう。特に2月10日頃の検査数減少が、陽性者数も抑え込んでいることがわかります。陽性率はあり得ないほど高いと言えます。

「1月第二週における1日当たり平均検査実績」をどこに置けば良いのかはっきりしませんが、1月8日頃の数値とすれば検査数は約70。検査のピークは約210ですから、ちょうど3倍。ほぼ2倍にまで抑え込まれているように見えます。(検査人数が最後さらに下がっているのは、最後2日間の検査数が出ていないからです。)

千葉県です。

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2月になってからの検査数の統計が、きちんと出ているのか気になりますが、概ね東京と似た傾向と言えると思います。

埼玉県です。

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一旦、検査を減らして、また戻したのでしょうか。


続いて関西圏。大阪です。

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東京より人口あたりの検査数は5割以上多いこと、このためか、陽性率は今の日本の中で特に高いという訳ではありません。それでも2月10日頃を境に検査数が減っていることがわかります。

京都です。

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傾向は同じ。2月10日頃から検査数が減少しています。


兵庫

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兵庫県の検査数の減少は、とても顕著です。これまで見た中で一番明確です。

和歌山です。

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和歌山も検査数は減っていますが、陽性率は0.4程度に抑えられている、統計が比較的良い感じであろうと思います。


最後に秋田、島根、沖縄です。秋田は感染者数は比較的少ないが陽性率が高い、島根は陽性率も感染者も少ないという特徴があります。

秋田

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時々陽性率が高くなっているのは、検査件数の発表が何日かに1回まとめて出て来るからです。そして左軸のスケールを見てください。検査数が人口比で考えても、とても少ないことがわかります。

島根

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島根県は1週間に1回検査数を発表しているので、こんな階段状グラフになっています。やはり検査数が減っています。しかしそれでも検査数(人口比)は感染者数が多い東京と同等程度を確保していることがわかりました。やはり島根県は、感染拡大をある程度制御できているだけでなく、検査もしっかり行っていることがわかりました。


最後は沖縄

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左軸を見ると、他県より検査数はかなり多いことがわかります。感染者数が少し減っているとはいえ、やはり検査数の減少が目立ちます。そして最近は下げ止まり&陽性率の上昇となっています。リバウンドの傾向があるようにさえ見えてしまいます。


以上、47都道府県のうち10都府県の検査数、陽性数、そして陽性率を見て来ました。

結論:やはり2月10日頃から、多くの所で検査数が減っていることがわかりました。

検査数を抑えると、何が起きるか。感染を把握できない、拡大を止められない、さらに感染者が増える。こんな簡単なことが、なぜ日本ではないがしろにされるのでしょうか。

検査なしの楽観論だけでは、最悪の事態を防げないことは明らかです。

とにかく検査を減らさないでください。