検査陽性率に関する数値の信頼性は?

新型コロナ感染者数が中々減りません。今回はその「新型コロナ感染者」を調べるために用いられている検査(主にPCR)と、数値の信頼性について考えてみます。

PCR等の検査は日々行われていますが、目的は1つではありません。

(1):治療のための有症者の感染確定
(2):感染拡大を抑えるための接触者の感染把握
(3):市中蔓延状況の把握
(4):陰性確認
(5):入国時の検疫

(1)が欠かせないことは当然ですが、感染の連鎖を止めるには(2)がとても重要です。(3)は、主に全体状況を把握するための調査となります。(4)は個人が必要に応じて行うことが比較的身近になっています。

「検査」という時は、これらすべての検査の数が分母になり、陽性者が分子になっている、はずですが・・・。何が含まれているのか、自治体によって違いがあるようです。行政検査以外の一部で、分子=陽性者数のみが数に含まれている可能性があるとの報道や、民間検査はそもそもカウントされないとの情報もありました(現状詳細未確認)。


日本では、感染者数が増えるたびに陽性率が高くなっています。その理由として(1)(2)が足りないために感染者の把握が十分にできていない可能性が指摘されています。この8月からは、保健所が濃厚接触者を積極的に調べなくなったことも、さらにこれを加速しているようです。しかも陽性率そのものも、正確ではない可能性がある訳です。現状を把握するという意味でも新型コロナに関する統計は、いろいろな問題を含んでいるのです。

現状把握のため、施策の効果の確認のため、今後の根拠のある推定のためにも、検査充実が必要なのではないでしょうか。