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乳児血管腫治療まとめ

3ヶ月健診で小児科医に「乳児血管腫治療適応!治療オススメだよ!」に端を発した幼獣の治療。
ヘマンジオルシロップ内服治療を開始してから半年が経過し、件の血管腫が今どうなったかというと

ヘマンジオルシロップすっげぇ…薬価クソ高いけど元は取れるわ…

というレベルで薄くなっている。
治療開始時にはガッツリいちごです!という感じだった血管腫は、厚さ2〜3mmだったのが今では平らにボリュームが減っており、色味も擦りむきましたか?程度の薄さで、初見で幼獣を見た人が一見気付かないレベルとなった。

しかし、意外と?周りで治療をしたという話は聞かないので、今後治療を検討する人の参考になればとまとめてみた。


1.診断から治療開始まで

我が家の幼獣に乳児血管腫が出現したのは生後1週間。とりあえず経過観察をしていたが生後2ヶ月ぐらいまでに増大し、かかりつけ医でも指摘を受けていた。そして3ヶ月健診での小児科医の猛プッシュによりじゃあ本腰入れますか、という話になった。
たまたま、健診時の小児科医が乳児血管腫の内服治療を行っている医療機関の小児科医だったというのもある。

そんなわけで予防接種時に、「乳児血管腫の内服治療しようと思うんで紹介状書いてくだされ〜」「合点承知〜」みたいな感じでかかりつけ医に紹介状を書いてもらい、乳児血管腫治療を行う医療機関へ受診の運びとなった。

すぐに治療できる医療機関に受診するよりもかかりつけ医に紹介状を書いてもらったほうがいろいろとスムーズである。
ていうか紹介状ないと総合病院は初診料7000円ほど取られるし。

ヘマンジオルシロップ自体、喘息の薬と飲み合わせがよろしくないことや、低血糖のリスクもあり、かかりつけ医に返書されると万が一の時にも対応はスピーディーだと思われる。(紹介元に必ず返書という「うちでこの治療をしてこんな治療経過です」的な申し送り)

なお、乳児血管腫の内服治療を行っている医療機関は限られており、豪雪地帯の地方都市故に近所の三次救急病院と大学病院のみで行っている。こればかりは地域差があるのは致し方あるまい。

自分の職場なら入院しても楽やねんけどな〜と思っていたが、友人(看護師)の「ヘマンジオルシロップ、ウチで採用してないわ」で撃沈した。というか、常勤の小児科医と形成外科医がいるかどうかの問題な気もする。

閑話休題。

紹介先の医療機関で、「これはガッツリ治療適応!すぐやりましょ!週明けから1週間入院ね!」と言われて慌ただしく入院の運びとなった。

2.治療開始

①ヘマンジオルシロップでの治療の目標


わりと誤解されがちかは定かでないが、幼獣の場合において、ヘマンジオルシロップを使用することによる目標は「乳児血管腫の厚みをできるだけ減らす」である。
というのも、乳児血管腫はそのまま放置してもそのうち消えるのだが、ある程度ガッツリ厚みがある場合、脂肪腫や瘢痕化して残る可能性が高く、ビジュアル的によろしくないそうで。そのため、ヘマンジオルシロップで血管の異常増殖を抑え、血管腫のボリュームを減らす効果を狙っているそうだ。
ちなみに主治医曰く、色味はそのうち消えるらしい。色味だけならレーザーで消すことも可能だが、厚みはどうにもならんらしい。

②小児科と形成外科の役割


治療する上で、幼獣は小児科と形成外科にお世話になっている。定期的な外来通院もこの2つを受診である。
幼獣の場合、形成外科では乳児血管腫の確認と、治療継続の可否、場合によってはレーザー治療の提案。小児科では幼獣の全身管理及び、体重に合わせたヘマンジオルシロップの投与量の調整と処方である。

入院中は小児科が幼獣の管理を行っていた。
これも医療機関によってまちまちだと思われる。形成外科じゃなくて皮膚科の場合もあれば、単科で治療する場合もあるかも。

③治療開始のタイミングは?


幼獣の場合、内服治療開始したのが生後4ヶ月である。
主治医曰く、乳児血管腫の出現から生後6ヶ月までに血管腫が増大するらしく、その間に治療開始できれば効果は出やすいそうな。まあ、早ければ早いほど良いという話である。

個人的には授乳時間がそれなりに一定し、ある程度ミルクの1回量が多い頃に開始して正解だったなぁというのが素直な感想である。低月齢だと薬の投与タイミングに迷うのと、管理入院するにも親がしんどい。

④夜間の授乳は必要かどうか


これについては個人差!としか言えないのだが、幼獣の場合は夜間授乳はしていない。
と、いうのもヘマンジオルシロップの副作用出現が投与後2時間がピークというのもあり、寝る前にミルクをあげることでリスクは少ないであろうと考えた。
もう一点は、入院中に寝る前のミルクから一晩経って翌朝の血糖値がどうなるかを検証した。何時間空けばアウト!みたいな指標はないので、主治医に「増量翌日朝イチで空腹時の血糖測定してもらって夜間の授乳の有無を検討したい」と打診したところ、快くOKされた。言ってみるもんである。
ちなみに3日間検証した結果、低血糖にならないということがわかったので夜間授乳は別にする必要はないと判断した。

なお、このせいで「お母さん…もしかして病院関係…?」とバレた。

退院調整に不確定要素はできるだけ排除したいという職業病が出た結果である。友人には「素人がする提案じゃないし内容がガチすぎる」と言われた。

この検証、病院によっては断られる可能性もあるし、例えば完母で1回量が分からないとか、ミルクでも1回量が少なくて頻回に授乳してる場合には不向きかと思われる。大体1回あたり150〜200ml飲んでて夜間ガッツリ寝てくれるタイプの子はやってみても良いかも。

⑤離乳食と薬のタイミング


幼獣の場合、朝夕ヘマンジオルシロップを飲ませている。
現在3回食なので、朝と夕は離乳食+ミルクで対応中だ。
更に、ヘマンジオルシロップの副作用は低血糖のため、なるべく血糖値の低下を抑えるべく、朝夕は離乳食後に果物を食べさせている。主治医曰く至れり尽くせりの対応だという。

⑥ヘマンジオルシロップを飲ませない時はどんな時?


主治医から言われているのが「体調不良時と予防接種の時は飲ませないで!」である。低血糖症状自体、副作用として出現することは滅多にないらしい。逆に副作用として出現した事例は大体「体調不良で摂食量減ってるのにヘマンジオルシロップはしっかり飲んだ」という場合が多いそうで。また、予防接種後は副反応で発熱する可能性もあるので、2、3日は休薬をオススメされた。2、3日休薬したところで大して影響はないらしい。
要は元気な時だけ飲む薬である。薬ごと吐いた後も絶対に飲ませ直してはいけない。

ちなみに我が家の場合、ほとんど離乳食を食べなかった時かつミルクも飲まなかった時(100ml以下)の時に中止している。


治療開始半年が経ち、今のところ副作用は出ていないのが幸いである。おおよそ1歳を目処にヘマンジオルシロップの投与は終了するらしい。食事間隔が開くことによって低血糖のリスクが高まるのと、味覚の発達に伴って薬を拒否する子が出てくるからだそう。

しかし、幼獣はどうやら効果がテキメンに出たらしく、どうやら1歳を過ぎても延長戦突入の可能性が出てきた。
今後とも気を引き締めて内服させていきたい所存である。