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少子化と過疎地域の話

先日、こんな話を聞いた。

『平成の頃、市内のある農村地域にお嫁さんがやってきた。数年経っても子供がおらず、そこの自治会長が「なんの為に嫁に来たのか」と説教をしに家に行った。しかしそれを問題視したそこの若夫婦は出ていってしまい、街の方へ引っ越した後2人の子宝に恵まれた。』

とんだドン引き話である。いくら子供がいない地域とはいえ自治会長がこんなこと言うとは。
そんなことした結果がコレなのがまた皮肉だ。

さて、話は現在に戻すが、以前保育園の子育てサロンで出会ったとある親子は、前述の若夫婦が出て行ってしまった地区の近隣にお住まいである。
その集落も子供はおらず、数年前に分校も閉校した。

その親子は30年ぶりのお嫁さん&30年ぶりの子供だそうで、その集落内では貴重な子供とされているらしい。

そのお母さんの懸念は、『小学校へ通うのが距離的に難しい』。そう、分校が閉校となり集落から小学校までは山を下って行く必要があるのだ。マジな話、子供の足で通えるレベルじゃない。大人でも無理。さらに、クマやイノシシも出没するので正直車じゃないと無理。

かと言ってスクールバスがあるわけでもないので、必然的に親の送迎が必須となる。最寄りの路線バスのバス停も山を下りなければいけないので。

という話を聞いて思ったのは、いくら集落に子供を熱望しても、子供は成長する以上その先があるわけで、通学をどうするとかそういうのを諸々クリアしていかなければならない以上、若い人や子供を過疎地域に呼ぶのは無理な話だ。
子供が生まれてハイ終わり、ではないのだ。

過疎地域にお住まいの人からはよく「若い人はみんな外に出てしまった」と言われるが、まあなるべくしてなったという話ではなかろうか。

そのお母さんの話を聞きつつ、この親子もその集落から出ていくのは時間の問題かもなぁと思った。