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電波少年Wという番組で僕がやりたいこと

テレビというのは中央集権的というか【1対多】なメディアである訳です。そしてインターネットというテクノロジーで生まれたSNSは【多対多】な訳ですね。

”コミュニティから番組を作る”というのはこの【1対多】と【多対多】のハイブリッドができないかと考えたのです。

『テレビの記憶』というテーマの中でみんなが自由にそれについて投稿する。テレビなんて真剣に見るものではないことが多いから曖昧な記憶がそれぞれに存在する。特に幼児期の記憶は当たり前に曖昧でそんな子供が”テレビの中で全裸で踊るなすび”をどう覚えているかは非常に興味深い。

そんな曖昧な記憶を「それってこうなんですよ」とテレビ側が調査して回答を提出したら【1対多】の旧来構造でしかない。それは昔TBSでやっていたテレビ探偵団で既にやったことだから今更「電波少年」というタイトルをつけてやる意味はない。そうではなくて「その曖昧な記憶」を他のコミュニティメンバーが共感(あ、それ私も覚えている!)とか補完(それってコレの事じゃないかな?)がされていくことがコミュニティ内の【多対多】な動きになる。

とにかく70年×NHK、日テレ、TBS、フジ、テレ朝(元NET)、テレ東(元12チャン)な訳だから莫大な記憶が日本中にあるはずだ。
そこに集まったコミュニティメンバーのある人のある発言、例えば「こんなシーンを覚えているのだけど嫌に忘れられないんだ」という発言から沢山の人の記憶が引っ張り出されて次から次へと盛り上がるかもしれない。それは表のテレビ史からは消えかかっているかもしれないが”強い印象”という意味で沢山の人の記憶に生き続けているかもしれない。するとそれがある1週間で投稿が集中してホットな状態になるかもしれない。
それを改めて【1対多】の番組サイドが見つけてそれを取り上げて動いてそのシーンを各社のライブラリーから見つけてきて放送するのである。それは【多対多】のコミュニティだけでは到達できないことでテレビが介在する意味がある形であると言える。

【1対多】のグローバルな形がNETFLIXなどによって提示され、さらにそれを小さく砕いたものがYoutubeで作られている現在テレビがありうる未来の一つがこの『コミュニティとのハイブリッド』ではないか?ということでこの電波少年Wを始めるのである。

だからこの記憶の集積は全てを拾い集めて大きなデータベースになっていることが必要なのである。それを本当はテレビ誕生から現在に至るまでの「テレビ欄」にしたかったのであるが、残念ながらその協力が得られなかったので春秋の各局の番組表を元データにしてそこに全ての投稿を紐付けていこうと思ったのである。(コレもスタート時にはできていない)

このコンセプト、大きな設計図を元に今あるコミュニティシステムを作り変えていき、どう自動化していくかなのだがその道は遥か先だ。しかし歩き始めなくてはどこにも到着はしない。

1992年6月末。「進め!電波少年」制作発表記者会見の日を思い出す。松本明子、松村邦洋、僕の3人で登壇しようと思ったら記者が一人しかいなくて急遽応接室でインタビューされる形に変わった。多分未来への萌芽ってそう生まれる。
その一歩を踏み出せることを大きな誇りとする。

この未完のよちよち歩きの出発の目撃を希望する人は1月6日17時50分〜19時30分のこのオンラインイベント(「電波少年W 公開リハーサル&質疑応答の会」)に参加を!コミュニティ会員になってもらってなど大変ですが是非そこを乗り越えて登録してください!締め切りは5日13時です。
https://denpa.wowow.co.jp/webiner/

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