タイ遠征記
始まり
2023年5月末にタイのバンコクに試合で行きました。
なんでいきなりタイ?というと、近日オープンするCARPE DIEMのバンコク支部のオーナーさんにこんな試合がありますよと誘われたのが始まりです。
タイで試合するなんて全く頭に入ってなかったけど、偶然同じタイミングでADCCのサウスイーストオープンもあるのが気になった。
ADCCルールの試合の経験を積んでおきたかったのでこれはいいチャンスだなと思って試合を受けました。
正直自分の中ではADCCの方がメインで今年は柔術の試合は出るつもりはなかったけど、タイで試合する機会はなかなかないから一緒に申し込んだ。
ADCCの試合が27日(土)で柔術(AFG OPEN)が翌日の28日(日)
ADCCの試合が76.9kg以下で体重は余裕だったが柔術の方は道着込みで76kg以下なので少し体重調整が必要。
2日連続の試合は去年のヨーロピアンノーギで経験してるけど2日でグラップリングと道着をやるのは初めてで、しかも後半で少し減量が必要なのが少し厄介でストレスでした。
出国(タイは近い)
行きのフライトは羽田空港。
最初行ったターミナルの場所を間違えたのでシャトルバスで移動してチェックインを済ませる。
時間に余裕を持って到着したのでのんびり過ごす。
国際線は出発の2時間くらい前に空港に着くようにした方がいいと一般的に言われているが、トシさんが昨年末にタイに行った際は出発の2、30分くらい前に空港に着いてそれでギリギリ間に合ったらしい。笑
それぐらいの直前でも乗れるんだと笑い話にしてたけど、自分は絶対にそんな状況に陥りたくない。
日本からタイは直行便で6時間と少し。
この近さがタイの良さのまずひとつだと思う。
アメリカやヨーロッパ方面なら20時間近くかかる。
6時間なら映画や本を読むのにちょうどいい時間。
機内のテレビになぜか古畑任三郎が数話だけ入っていて久しぶり見たけどけっこう面白かった。なんで古畑?
入国(Grabは必須)
到着して飛行機から出た時点で空気がムワッとして一気に暑くなる。
日本の本格的な夏の暑さと同じくらいだ。
出国手続きして荷物を回収したらとりあえずSIMカードをもらいに行った。
事前にラファエル(バンコクのインストラクターになる予定)がSIMカードをもらえるQRコードを渡してくれてたので、それを店員さんに見せたらスムーズに対応してくれた。
SIMカードの挿入もしてくれて非常に親切でした。コップンカップ〜(タイ語でありがとう)
空港からホテルまでは車で約1時間。
ここからは配信アプリの「Grab」を使った。
日本のウーバーと全く同じだ。
ひとつ違うのはこちらではバイクの2ケツも選択することができる。
普通のタクシーで乗るより三分の一くらいの価格で乗れるけどあまり長距離はしんどいしあまり落ち着かない。
自分が乗るなら10分程度が限界です。10分くらいなら50バーツ( 約200円)
grabで手配したら5分ほどでタクシーが到着してホテルに向かう。最初はスイスイ進んで行ったが市街地に近づくにつれて渋滞がひどくなる。
夕方から夜(17時〜20時くらい)にかけての時間が毎日本当にひどい混み具合だった。
1時間ほどかけてホテルに到着。
チェックインを済ませて軽く街を散策してから就寝。
ホテル近くのレストランで食事を済ませる。
今思えばちょっと割高だったけど観光地やしまだ土地勘も掴めてないので仕方ない。
味は普通に美味しかったです。
ひと段落して就寝しようとしたけど外が爆音でなかなか寝付けなかった。(翌日には慣れたけど)
ホテルのある場所は繁華街のど真ん中で周りにクラブやらバーなどがたくさんあって常に人がいる環境でした。
クラブの音が夜中2時くらいまで普通に聞こえていました。
2日目(バンコク散歩)
爆音の中なんとか寝れて起床。
ホテルすぐ近くのカフェに朝食を食べに行く。
まだ朝早かったので開いてるお店も少なかった。
朝だったので軽めのフードとフラットホワイトと水(エビアン)を頼んで440バーツ(約1760円)とけっこう高め。
観光地価格もあるのだろうけど、タイは安いイメージがあったけど場所によっては日本以上にいいお値段するとこもあります。
朝食を済ませたらちょっと街を散策しようと出掛けてみる。
僕は海外とか知らない土地に来た時はなるべくその場所は見て回るのが好きです。
観光じゃなくて仕事で来てるんですけど、そんなに頻繁に海外行けるわけではないですし見聞を広めるのは大切にしたい。
grabでバイクを呼んで近場の公園に向かった。
向かったのはルンピニー公園。
まあまあな大きさだったけど平日だったせいか特に人はいなくて閑散としていました。
公園を突き抜けてお店とかがあるエリアを散策。12時くらいで気温は37-8度くらいにはなっていた。
死ぬほど暑かったので適当にコンビニに寄って涼みながら散策を続ける。
街を歩いていて気づいたけどタイには街の至るところに祠のようなものがあり、一部の人は手を合わせて一礼をしている。
歩きながら軽く会釈程度の人もいれば、足を止めてしっかりと祠に向かい合って深々と礼をする人もいた。
キャバ嬢のような露出度高い服きたお姉さんも一礼していました。
仏教が人々の生活に強く根付いていることが伺えます。
また驚いたのは日本人向けのお店が多かったことだ。店名が日本語になっている飲食店や夜のお店が多いこと。
タイは観光産業がメインらしく日本人はいいお客さんみたいです。
スーパーに併設されてた小さなお店で昼食を済ます。チキンライスとコーラ。
食事を済ませたら最寄りの駅から電車を利用してホテルに戻った。
配車アプリだけでなくローカルの移動手段を使うのもけっこう好きです。
夕方くらいにトシさんも到着。ホテルは同じ。
合流してから夕食を一緒に行く。
トシさんは今年の正月にタイに行ってたみたいなので僕より地理感があるので案内されながらまた街をブラブラ。適当なお店で夕食。
トシさんと別れてから少し離れたところにある銭湯にgrabで向かった。
ホテルのお風呂はシャワーのみ。試合前は湯船に浸かりたかったので、ダメ元でGoogleマップで銭湯と調べてみたらいくつかお風呂屋さんを発見。
普通に日本語の名前で日本語のホームページもあったので日本人の人が経営してるのかもしれません。
https://www.yunomorionsen.com/jp/sukhumvit/
中温風呂、熱めのお風呂、ジェットバス、サウナ2種類。
日本のスーパー銭湯と変わらない設備とクオリティと清潔さで非常に満足。
他にも探したらいくつかお風呂屋さんはあったが取り敢えずバンコク来たらここはオススメです。
値段は550バーツ(約2200円)
タイの人の収入からしたら高額。
タイの平均月収を調べてみたら2021年のデータで約106,525円とやはり日本と比べるとかなり低い。
けどこういう東南アジアの国は貧富の格差が大きいはずだから日本の平均とはイメージが違うので、この平均値よりもっと低収入の人も多いはず。
そう考えると現地の人にとってはなかなか行けない贅沢な場所かな。
実際に客層も現地人っぽい人はあまり見えなくて海外からの人が多かった。
https://asiatojapan.com/jgs/recruitment-employment-countries/thailand/thailand-salary/#:~:text=タイ国家統計局による,(約1%2C278%2C304円)です%E3%80%82
タイ人の収入も気にしつつ帰りもgrabでタクシーを呼んでホテルに戻って就寝。
3日目(試合初日)
朝の時間にgrabのタクシーを予約してトシさん試合会場に向かう。大体1時間くらいの距離。
会場はかなり大きな大学の体育館で、会場についたら計量を済ませて待機。2時間後くらいに試合が開始した。
初戦の相手はスペインの選手。
開始早々に引き込んできたのでパスガードでプレッシャーをかけ続ける。
ADCCルールは前半の時間はポイントが入らないのでパスガードしてもポイントがないのだが相手の消耗も狙ってポイント関係なしにパスを続ける。
前半で一度パスガードしたが戻されて前半経過、加点時間になってから再度パスして3ポイント。
サイドポジションの状態で一度レフェリーがdont moveとコールして審判席の方に向かっていったので少し落ち着いていたら、相手がいきなり動き出してきたので焦って抑え直す。
確信犯だったのか単純にレフェリーのdont moveに気づかなかったのか不明だが何があるか分からない。
試合が再開してそのまま抑えていたが相手がガードに戻す際にヒールフックを極めて一本。
取り敢えず初戦突破。
2回戦はロシア人。
今回僕のトーナメントにはやたらロシア人が多くて3人もいた。
この相手もガードの選手で早々に引き込ん店きてバタフライガードを起点に足関節を狙ってくるタイプだ。
ガードワークが厄介だったが試合終盤の残り20秒くらいでギリギリパスガードしてポイント勝ち。根比べの試合だった。
ロシア人と戦ったのは初めてだったので謎の達成感。昔からロシアには謎の憧れがあります。おそロシア。
準決勝の相手はレバノン人。
レバノン人と戦うのも初めてかなりインターナショナルな大会だ。というか現地のタイ人の人はあまり出場してなかって。
この相手も早々に引き込んできたが前の試合との感覚が短かったのか少し疲労しているように見えた。
加点時間前にパスしたがそこからクルシフィクスでリバーサルされて下になる。
バタフライガードから腕固め→チョイバーの連携で一本。自分でも驚くくらい綺麗な一本で気持ちよかった。
ちなみに最初の腕固めは小見川さん流のやり方。ネオ柔道。
決勝の相手もこれまたロシア人。
序盤に立ちからアームドラッグを狙ったが逆に切り返されてテイクダウンされる。
加点時間ではないので焦らず下からフットロックを仕掛けてスイープして上を取り返す。
パスを仕掛ける流れでヒールフックを仕掛けて一本。優勝。
タフな試合ばかりだったけど何とか優勝。
4試合もADCCでの国際戦を経験できて大きな収穫。けどまだまだ改善点もたくさんです。
ひと段落して会場近くのカフェでご飯。
でも明日も試合で少し減量もあったので控えめにしておきました。
その後トシさんの試合も終わってタクシーでホテルに帰る。
ちなみにトシさんの試合が終わったのが夜の9時くらいでほぼ最後の方だった。
ホテルに戻ったらコンビニの弁当(ガパオライス)を食べてからトシさんの部屋にあったバスタブで軽く半身浴して汗を出す。減量はなんとか大丈夫そう。
明日も朝早く出発なので就寝。
もう周りのクラブの爆音にも慣れてました。
4日目(試合2日目)
2日目は柔術の試合。
前日より集合時間が早かったのでそこまで長時間ゆっくりできなかったが最低限の睡眠は取れたかな。6時間弱くらい。
試合前日は緊張?で寝付けないこともあるけど、たとえ寝れなくてもそこまでパフォーマンスに影響しない気がします。
柔術は76kg以下の無差別トーナメントで紫・茶・黒帯の混合。
やはり黒帯だけだと人数が揃わないのかな。
初戦はタイのナショナルチームの茶帯の選手。
多分ライトフェザーくらいの選手で若かったがアグレッシブなスタイルで少し面食らう。
が体格差もあってパスマウントなどで点差を広げてから腕十字で勝利。
久しぶりの柔術の試合だったので道着を握ったことで軽く腕が張る。
準決勝はマレーシアに住んでいる日本人で茶帯の選手。
バックから絞めで一本。
決勝は再びロシア人で黒帯。
序盤に担ぎからひっくり返してバックで4ポイント、さらにスイープして2ポイント。
そのままトップキープしてそのまま流そうとしたが、終盤にバラトプラッタに捕まってしまい一度スイープを許してしまう。
そのままバラトプラッタを外せないままひたすら耐えて時間切れ。6-2で勝利。
最後は少し危なかったが気力を振り絞った。
道着の無差別の優勝者は賞金と会場の物販で使えるクーポン(10,000バーツ=約40,000円)をもらえた。
けどもう道着はブルテリアさんのスポンサードで十分間に合っているのでトシさんに好きに使っていいですよと言ってあげました。
競技レベルはまだまだ日本よりは劣るが賞品も充実していて大会自体は面白かった。
また開催するみたいなので日本からも誰か行けばいいと思います。
試合が終わったら繁華街でご飯。
お疲れ様でした。
5日目(バンコク観光)
試合後も数日間滞在したので箇条書きのように簡単に書きます。
試合の翌日(月曜日)はトシさんとバンコク観光
ご飯のあとは有名な寺院であるワットポーに行きました。本当は短パンは失礼にあたるのでよくないらしいが外国人観光客ということもあって特に何も言われず。失礼しました。
イスラム系や中華系がミックスされたような建物の作りで独特な感じ。
とにかく寺院がデカくて広かったです。
その後はトゥクトゥクに乗ってトシさんが行きたいと言っていたお店に向かう。
トゥクトゥクはぼったくられると言われていたがそこまで高くはなかった。2人で400バーツ(約1600円)
そのあとはバンコクのオーナーさんと再び合流してディナーをご馳走になりました。
レバノン料理店に行ったけど意外に美味しくて日本人の口に合いますね。
日本じゃなかなか聞けないような貴重なお話も聞けてとても面白くて刺激も強めでした。
何でも取り敢えず知っておくことは大事。
6日目(Arete柔術)
火曜日はトシさんが帰国してしまったので1人行動。
取り敢えず近場の小さなショッピングモールにあるカフェで軽い朝食。
近くをぶらぶらしてるとお弁当屋さんを発見。
昼ごはん用の弁当を2つ買ってホテルで食べる。
現地のご飯は辛いものが多いので、そのせいなのかタイにいる間はお腹が常にゆるい感じがしてました。
お腹弱い人はなかなか合わないかも。
昼食後はホテルでゆっくりしたら夕方くらいから出稽古に行きました。
Arete Brazilian jiujitsu
アレテブラジリアン柔術
タイの柔術道場といったらここが有名?というかここしか知らなかったので訪問。
ホテルの最寄駅から2、3駅移動して駅から15分くらい歩いて到着。
大きなビルの20階(ほぼ最上階)に道場があったが、ビルの外には特に看板とかは無し。
ノーギの練習をしたかったのでノーギのクラスに参加。軽く20人以上はいて非常に盛況していました。
日本人の方もけっこういて10人以上の日本人が会員としているらしい。
クインテットにも出場していた市川奈々美さんにも初めてお会いしました。
普通にクラスに参加してスパーリングもしたのだが、スパーリングの時間になるとなぜかエアコンを切って窓を開けた。
一応扇風機は回していたがそれでも30度以上の気温とスコールでの湿気でとてつもない汗をかいた。おそらく自分史上最大の汗の量。
クラスの打ち込みの時点でも汗はヤバかったがスパーリングでさらに噴き出してオイルレスリング状態。
この環境下で練習するのはちと厳しいかも。
でもタイでの初の練習は楽しく終えました。
練習を終えて駅の近くの博多ラーメン屋さんで夕食を取ってホテルに戻る。
ラーメンの味はまあ最低限のレベルでした。ご飯がいまいち。
7日目(ナショナルチーム🇹🇭)
水曜日は夕方くらいからタイのナショナルチームの練習に参加させていただくことなっていた。
大会会場で知り合った日本人の方によくしていただいて近くの駅から車で連れて行ってもらった。
タイは柔術人口はまだまだだがナショナルチームがある。しかもそれを軍が管理していて選手たちは軍人であり選手でもあり、練習だけで生活しているそうです。日本では考えられない高待遇。
大会でよい結果を出せればいい大学に進めたりもすると聞いた。
ナショナルチームといっても白帯から黒帯までいて、まだ子供くらいの年齢の子も混じっていた。
どのような基準かわからないが才能ある若い選手たちを集めているのかな。
ナショナルチームの監督のトットー先生は元々柔道のタイ代表選手。
温かく受け入れてくれました。
練習後はタイ料理をご馳走になりました。
食事後は車でホテルに送ってもらい就寝。
8日目(銭湯での出会い)
タイ滞在最後の日
帰国は翌日だったが早朝7時のフライトだったので実質最後の日。
夜まで特に予定がなかったので試合前に行った銭湯にもう一度行くことにした。
試合前は疲れが残るのが嫌だったのでサウナに入らなかったので改めてサウナにも入りたかったからだ。
サウナはスチームサウナとドライサウナがあって水風呂も気持ち良くて最高だった。
リラックスしていると小太りの男性から何やら声を掛けられる。
英語で、どこからきたの?と尋ねてきたので日本と答える。そこからも色々と話してきたけど雰囲気に違和感を感じたので洗い場に移動する。
すると洗い場の席はガラガラなのに自分の近くに座ってきてまた話しかけてくる。
確実にゲイの人やと思って完全無視を決め込む。
普段鍛えてる自分でもお風呂場で全裸の状態でそっちの人に話しかけられるのは普通に気味が悪くて怖い。
その後も視線を感じながらのんびりしつつお風呂を出る。
僕は東京ではかなりの数の銭湯を巡っていてスーパー銭湯とかも含めたらおそらく100ヶ所以上はまわっているけどそっち系の人に話しかけられたのは初めて。
後で聞いたらタイでは多いらしい。まあ街中にレディボーイが溢れているし性に対しては寛容な?お国柄なのかもしれません。
サワッディカ〜。
その後夜は現地の日本人の方に焼肉をご馳走してもらいお腹いっぱい。
日本ではNGなユッケやレバ刺しが提供されていて久しぶりに食す。美味しかった。
またホテルまで送ってもらい帰り支度をして就寝。
早朝の4時にタクシーで空港に向かう。
行きの時は渋滞に引っかかって1時間くらいかかったが早朝なので20分ほど到着。
もっとホテルでゆっくりすればよかった。
空港の中でも王族の人の大きい写真や展示物などたくさん。
空港で適当に時間をつぶして帰国。
帰りは行きより少し短くなって6時間弱くらい。
タイに1週間ほど滞在したが昭和の経済成長しているときの日本はこんな活気だったのかなと感じました。
ルールが大雑把でコンプライアンスはゆるゆる、基本は自己責任だけど人々のエネルギーが溢れている。
戦後の日本はこんな雰囲気だったのかなとタイムスリップしたような気分。
周りにタイに旅行に行く人が多いがその理由がなんとなくわかった気がする。
自分は住もうとまでは思わないがもう一度訪れたい国です。
長くなりましたがタイ遠征記はこれでお終い。
また海外行く機会があればnoteに残そうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
ではまた。
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