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およそ30年ぶりに映画『ホテル・ニューハンプシャー』を観て思ったこと

30年ぶりに映画『ホテル・ニューハンプシャー』を観ました。U-NEXTさん、配信してくれてありがとう。

この作品に出会ったのは30年ほど前になります。その当時、生家の家電店の一角でレンタルビデオのコーナーを設けていました。新作で入ってきた中にこの映画がありました。

ジョディ・フォスター

ジョディ・フォスターは好きな俳優さんの一人です。
初めての出会いは『タクシー・ドライバー』です。まだその時にはそれほど意識してはいませんでした。まだ、13歳という若さでしたし…

「いいなぁ」と思うに至ったのがこの作品『ホテル・ニューハンプシャー』です。

映画『ホテル・ニューハンプシャー』について

原作はジョン・アーヴィング。アメリカらしい作品です。
もちろん、私、ハワイしか行ったことありません、アメリカ本土へは行ったこともなく、アメリカ合州国(なぜ、州、なのかは、本多勝一『アメリカ合州国』を)については知っているわけではありません。あくまでも書籍や映画を通してしか、知識としてしか知りませんけど。

『ホテル・ニューハンプシャー』(原題:The Hotel New Hampshire)
製作は1984年。日本公開は1986年。
監督は、トニー・リチャードソン。
出演は、ジョディ・フォスター、ナスターシャ・キンスキー、ロブ・ロウ 他。

レイプ、同性愛、姉と弟が愛し合う、革命家集団が爆破事件を起こす、幼くして小説家として才能を開花させた次女は自死してしまう、などなど、物語自体、とても飛んだ世界を、飛んだ家族を描いていて、魅力的です。

今観てみると、まだまだ、この社会は、この作品が描かれた当時からまったく進展していない。人間の社会はむしろ後退をしているのかもしれない、とあらためて思うのでした。

誰かに触られても、それが無理じいならなかったことになる

ジョディ・フォスター演じるフラニー・ベリーは学校の仲間にレイプされてしまいます。それを助けにいく弟が助っ人を頼んだのが同じ高校の黒人フットボール選手。フラニーを助けだし、抱きかかえながら彼がフラニー語った言葉。彼は黒人であることの体験と姉妹がレイプされた経験からの言葉なのでしょう。

いいかい、知ってる?
誰かに触られても、それが無理じいならなかったことになる。
本当の君は元のままなんだよ。誰も触れなかった。
無垢のままで本来の自分は失っていない。
そう信じるんだ。

それでも気丈に振る舞うフラニーは仲間に大丈夫かと問われ「ハロウィンのバカ騒ぎよ」と答えるのです。

昨日までの私を

自宅へ帰った後シャワールームに入ったフラニー。ロブ・ロウ演じる弟ジョン・ベリーが姉フラニーを気遣い、シャワールームのドアをノックし「なにか欲しい物ある?」と問いかける

その時のフラニーの返事

昨日までの私を

#MeToo で語り始めた人たちの共通の思いか、と想像します。

愛おしい作品

映画が特段好きなわけでもありませんが、こんなふうに記憶に残り、世界を広げてくれる作品に出会い、助けられて来たのだと思います。
ジョディ・フォスターの魅力もですが、不思議な感覚を味わえるこの『ホテル・ニューハンプシャー』愛おしい作品です。
興味を持たれたらぜひ、観てみてください。

ところで、「フラニー」というとサリンジャーの『フラニーとゾーイー』を思い浮かべるのですが、関連はあるのでしょうか?
ジョン・アーヴィングは意識して「フラニー」と命名したのかな?
でも、 Frannie と Franny で綴りは違うからまったく関係ないのかな?
ご存知の方、教えていただければ幸いです。

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