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コーチングスクールでの学び(Day3,4)

早くもモジュール2(2週間目)に突入しました。今週の学びを記録していくことにします。なお、今回はかなり自己咀嚼しているところがあり、私なりの解釈が入っているので悪しからず。

コーチングの基本の型

コーチングではGROWモデルなどに代表される、いわゆる型と言われるものがいくつかあります。今回はその中の1つである、ライフチャートについてまとめてみます。

本題に入る前に、入口で気をつけることが2つ。
その1:まず、やれたこと、できている部分に目を向ける
    コーチとの関わり/良いコミュンケーションをとれるよう目指す
その2:まずはどこについて考えられると良さそうに感じる?
    あるいは、どこについて考えたい?と聴く

少し話はそれますが、やれていること、できている部分に目を向けフォーカスすることは、低い志を目指しているわけではない、という話がとても印象的でした。甘いんじゃない?ヌルいんじゃない?と思いがちですが、少しでもできていることに目を向け、自己肯定感を上げていく、それが大切なことなんだと思います。

これを行った後に(その2は少し変えても良い)、いよいよ本題のステップに入っていきます。以下7つの項目の詳細については書きませんが、工程を分解すると以下のようになります。

ライフチャートのステップ

  1. まず全体を俯瞰してもらう

  2. いい状態を頭に思い浮かべる

  3. 課題を選ぶ、考える(例えば、他には?と聴く)

  4. リソースを探す

  5. ゴールを考える

  6. サブゴールを置く

  7. アクションを考える

この中の4. では、「何としかしたい分野の満足しているところ」を聴いていきます。これらを足がかりにしてその先にある10点満点を考えてもらう。そして、ゴールを描きやすくしていきます。
一方、3. の「何とかしたい分野での不満」は10点満点へ向けた貴重な素材集めをしている作業ともいえます。すなわち、クライアントが欲しいものの裏返しとして語っているだけ、という見方もできます。

始めのうちは基本形となる同じ型(GROWモデルやライフチャートなど)で繰り返しトレーニングを行い、自己検証していくことが大事であり、それが結果効率的なやり方である、という話がありました。自分自身、武道をやっていたこともあって、非常に腹落ちする内容でした。GROWモデルにしても、ライフチャートにしても、基本の型をひたすら繰り返し繰り返し練習していく。コーチングにも当然、いわゆる守破離というものが存在するのでしょう。

コーチングで得られるものとその効果

コーチはクライアントの心理的エネルギーを上げる関わり方(WAO!、できていること、プロセス、成長、感謝、など)をしていきます。つまりそれが「私はできる」「人々は仲間である」という勇気付け、自己肯定感、自己効力感増加に繋がっていきます。
コーチングの中で立てた仮説(~のために~をやろう)を様々な手法(網羅する、具体化する、リソース利用)を取り入れながら、コーチの勇気付けによって湧き上がったエネルギーをもとに、行動によって仮説検証していくことになります。(「人は動いたら、その結果から学習する」)

昔々、旅人の間では、「雰囲気がいい街は、キラキラと輝いていて、そこに居る人々はイキイキしている」、という定説があったそうな。つまり、そこにはいい学びの場やいいコーチ(導き役)がいる証だということなのでしょう。現代でも、学校、会社、地域、どんなことにも通じる真実をついたことなのではないかなと思います。

勇気付けももちろん大切ですが、コーチングで得られるものとしては、大きく分けて以下の2点があります。

① 行動を考えて、仮説検証し、ゴールを達成する(行動と達成)
② 自分についてより深く知る、成長する(学習と成長)

コーチはクライアントの自己効力感が上がっていくような関わり方をしていきます。それはつまり、自分にあるリソースを自身で気が付き、進んでいけるように背中を押すこと。気負わず、今よりも少しでもマシなものが見つかければ良い!くらいのスタンスで、「それやってみよう!それ素晴らしいと思うよ!」と背中を押すことができれば十分なのかもしれません。

未来とゴールの置き方

クライアントはしばしば「すべき」を「したい」と表現することがあります。そのために、「具体的に何が起こったらいいのか?」と問い掛けて、
未来を変えていく際にクライアントが感じる違和感を確かめ、やってみてどう?と聴き、描いている未来と少し違うのかどうかを確かめていきます。
未来には2つの種類があり、相手が考えやすい、動きやすい未来を設定することが大切です。
・遠い先の未来(こちらは本質的) → 目標が達成されたらどう?
・現実の目の前 → 今の課題は何?

この中で、カウンセリングやコーチングでよく出てくる、目的や目標という言葉について整理しておこうと思います。
目的 : Why(なんのために)
目標 : What(どんなことを)
行動 : How(どのように)
上記の中で、目標、行動はあくまで手段になります。目的へ向かう道(=行動)や道しるべ(=目標)は他にいくらでもあることを忘れてはいけません。

自分の体験していない未来は描くことはできません。クライアントの深層下に眠っている記憶を引き出してあげるお手伝いをします(良かったこと、つらかったこと、等)。そして、クライアントは今の”このまま”を続けていると不幸になるんじゃないか、という葛藤を持ってコーチングの場に訪れます。その迷い、葛藤のどの選択肢についてもコーチは大切に取り扱ってあげることが大切です。その中で、自分でこれから具体的に何をやればいいのかを考えることができ、イメージできるのが良いゴールとなります。

思考と心について(ちょっと難しい話…)

パールズ ※ は思考と感情は分けることができる、と言っています。ここでいう思考、心とは、

思考 : 言葉を使って頭の中で考えること、行為
心 : ≒ 感情と読み替えても良い

のことを指します。
動物は今したいことをします。避けられることは避けようとします。すなわち、全力で今を生きています。それに対して、人は頭、思考があるため、行動が複雑になります。その結果、幸不幸(という思考、認識)が生まれます。加えて、人は頭の中の思考の世界が真実だと思い込んでいます。
心の反応と体の反応、これらに対して自分の心に向かって聴いてみる。問い掛けてみる。そして、まだ気づいていないものを言語化しようと試みる。それが”自分の心に聴いてみる”ということなのかもしれません。

※フレデリック・パールズ (1893-1970);ゲシュタルト療法という心理療法を提唱したユダヤ人の精神科医。ゲシュタルト療法はパールズと妻のローラによって創られた心理療法であり、「ゲシュタルト(Gestalt)」という言葉は、ドイツ語で「統合された全体の構造」を意味する。ゲシュタルト療法では、変化させることのできない過去や未来、ここではない場所について問うことはなく、行動によって変化させることのできる「今ここの気づき」を大切にする。結果として、今この瞬間に気づくことで自分を知り、自分の選択と責任によって統一されたパーソナリティを確立し、イキイキと生きていくことを目的とする。

「カウンセラーWEB:心理学・カウンセリングの基礎知識」より

価値観の解像度

講義の中で、「甲類の価値観」と「乙類の価値観」というたとえ話がありました。焼酎の甲類のようにエッセンスを取り出し抽象化した価値観の表現と、乙類のように各々独自素材の解像度高く具体化された価値観、の2つがある。なるほど。。抽象化⇔具体化を行き来させるということなのかもしれません。それにより、内面的な言語化と外面的な言語化、どちらも進めていくことに繋がるのかもしれないなと思いました。

また、”コーチの担当分け”という言葉も聴くことができました。自分は何担当だろうか?今はスッキリ担当だが、本当は勇気付け担当になりたい?それを目指している?自分が大切にしたいコーチングのスタイル、目指す姿はどんなものなのか?そんなことを考える良いきっかけとなりました。

アドバイスについて

コーチは、アドバイスをしたくなる気持ちをグッとこらえるのが基本的な心構えになります。もしアドバイスする場合は、「これをやってみたら何が起こりそう?」、「これをやってみるとどうなっていそうか?」という聴き方をするのが望ましいと。あるいは、クライアントに「もしアドバイスが欲しかったら言って下さい」と事前に聴いておくのも1つです。いずれにせよ、クライアントに聴いてみて、「許可」を取ることが肝要です。あくまで、相手のことを尊重する、人生の主人公である相手の課題を取り上げないことが大切です。

コーチングをシンプルに考える

コーチングをどう組み立て、どう進めていけばいいのか、あれこれ考えてしまいますが、究極的には以下の2つの質問に集約することができます。

①本当はどうなりたい?
②そのためには何ができる?

そして、これらの問い掛けの中で相手に何が起こっているのか、を知ろうとすること(目的や掴もうとしているものを知ろうとする、という観点で)。もしも、クライアントが虚しい気持ちになっていたら(手ごたえがないように感じていたら)、
1)まずセルフケアできることを一緒に探す
2)誰と話すと役に立ちそうか?と問い掛ける(目標がない、手掛かりがない時)
これがまずできることです。特に2)誰と話すと~?は、キラーワードともいえるほど、一気に展開が変わることもあります。

さらには、もっとコーチングをシンプルに考えるために、以下のような問い掛け、考え方をすることもできます。

①どんな行動を取った?
②どんな結果になった?
③他にどんな行動を取ってみたい?

コーチングとは、パイパフォーマーの思考が自分の中で使いこなせるようになること、それをコーチが手助けをすること、とも言えます。
コーチは焦ることなく、同じ質問を繰り返し、繰り返し投げ掛ける。そうして、クライアントの中に思考、問いを残す(残像を残す)。今その問いに答えられるかどうかはどうでもいいこと。クライアントの中に答えはあるのだから。

あと、今回の講義の中でもう1つ印象深いというか、自分にとっては好きな言葉がありました。「コーチングは矢印が自分の内側に向いていく、インサイドアウトの過程そのもの」。自己内省をし、自己変容していくプロセス、行動そのもの、それがコーチングなのかなと感じました。

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