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4.マディ

信仰度★★★☆☆(註釈は★★★★★)

【マディ:muddy 】泥深い,ぬかるみの,泥だらけの,濁った,曇った,さえない,(頭の)ぼんやりした,混乱した,あいまいな 『weblio 英和辞書』より

原始の海。それは岩石の溶け出したマグマの海。塩酸ガスや硫酸ガスが溶け込んでいるので強い酸性を帯びていました。

酸性の海は岩石中の鉱物を溶かし出し、中和が進みます。何もかも混ぜこぜの言わば「泥の海」(※1)

生命誕生の根本「火と水」

生命はその泥の海から誕生しました。その根本は「水」(物質)と「火」(エネルギー)です。(※2)

「水」は優れた溶媒。物を溶かして取り込むことに大変秀でています。原始の海においても、海水が優れた溶媒としての性質を発揮し、ナトリウム、マグネシウム、鉄、カリウム、リンなどの鉱物をどんどん溶かして取り込んでいきます。

さらにそこに大きな「火」、エネルギーが加わりました。例えば稲妻、例えば紫外線、そして隕石の衝突。やがて海は高エネルギー状態となりました。これにより有機物が生まれる準備が整います。

外側の海、内側の海

最初に膜が出来ました。それは内と外の境界。私と他との隔たり。

膜の内側では有機物が結合して高分子体として安定します。これがアミノ酸や、さらに大きなタンパク質、糖、脂質といった生命体の基本成分となります。こうして外海と質的に異なる「内側の海」が組織されていきます。

生命とは、膜によって隔てられた「内側の海」の中で、有機物が結合を繰り返し、高分子化することによって誕生したのです。

これは今日まで紡がれる命の始まり。混沌とした泥海世界に、一つの秩序が生まれた瞬間です。

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以下の註釈は
信仰度★★★★★です。ご興味に合わせてどうぞ。

※1 天理教の創世神話「元の理」の冒頭には「この世の元はじまりは泥海であった」とあります。「泥海」という表現について、解釈の狭い広いはありますが、生命誕生の舞台となった物質混ぜこぜの原始の海を指すという解釈が原則です。詳しくはひとことはなしさんのこちらの記事をご覧くださいhttps://note.mu/hitokotohanashi/n/nc9fcc0b7b11e
※2 「水と火(火と水)」は、天理教の神さまの働きを10に分けた「十全の守護」の中でも最も根本的なものとされています。「くにとこたちのみこと人間身の内の目うるおい 世界では水の守護の理」水の守護とは、例えば地球上に水が液体で存在しているだとか、雨が降るとか、水分によって生命活動が維持されるとかいった、水がもたらす恵み全般です。「をもたりのみこと人間身の内のぬくみ 世界では火の守護の理」火の守護とは、例えば太陽や地熱による恩恵や、地球上の気温が一定に保たれているといった、熱に関する恵み全般です。教理の研究者の中には、この水と火を広義に「水」=物質、「火」=エネルギーと解釈する向きもあります。すなわち、水は物質の内の一つですが、人間にとって最も身近で、かつ他の物質を取り込む高い溶解性を持ちます。これをして「水は物質の王」との呼ばれも世間にはあります。「水の守護の理」と言った場合の、くにとこたちのみこと様のご守護の射程は、自然科学における根本概念の一つである「物質」全般に行き渡ると言えます。自然科学の根本概念のもう一つはエネルギーです。エネルギーとは物質・物体の活動の源です。そして「火」はこれまた人間にとって最も身近に存在するエネルギーの代表格です。ですから、をもたりのみこと様の「火の守護の理」の射程は、自然科学におけるエネルギー全般を指すものというのが私の解釈です。自然界の事象はこの「物質とエネルギー」という二つの概念によっておおよその説明がつきます。天理教には「火と水とが一の神」とのお言葉があります。これすなわち一切現象の根本に「物質とエネルギー」がある、という自然科学の大原則を実に端的に示しているものと思われます。「端的」というのがとても大事で、別に自然科学の知識が無くとも、「火と水」の恵みに感謝して生きるということが分かれば、神さまの深遠なご守護を間違いなく感じることができるのです。
参考ページ 【地球のしくみ】12 生物の起源~海を膜内部で濃縮・高分子化することで、生物は誕生した~http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2012/08/1168.html

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