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何がコンドームをつけさせるのか?

『International Journal of Environmental Research and Public Health』に掲載された新しい研究は、コンドーム使用行動の最も強い予測因子は、コンドーム使用へのコミットメントであることを明らかにしました。
コンドーム使用へのコミットメントにプラスの影響を与えるものとしては、知覚された利点、ポジティブな感情、および対人的影響が特定されました。

Santos, M. J. D. O., Ferreira, E. M. S., & Ferreira, M. C. (2024). Predictors of Condom Use among College Students. International Journal of Environmental Research and Public Health, 21(4), 433.


背景・目的

コンドームの一貫した使用は、望まない妊娠やSTI(性感染症)の蔓延を阻止する極めて重要な戦略です。
その有効性は証明されているにもかかわらず、若者のコンドーム使用の普及率は散発的に低いままです。
本研究では、大学生のコンドーム使用に影響を与える根本的な要因を掘り下げます。
概念的なレンズとしてペンダーの健康促進モデルを活用し、コンドーム使用を促進または阻害する予測因子を解明することを目指します。

方法

研究デザイン

コンドーム使用の予測因子を特定するため、1946人の大学生を対象に横断的、相関的、予測的研究を実施。

サンプリング手法

さまざまな学問分野と学年を代表するクラスを対象としたクラスター集団の無作為抽出。

データ収集

データ収集:倫理的承認後、個人特性、行動特異的認知、健康増進行動に焦点を当てた自記式質問票を教室で配布。

データ分析

SPSS24.0ソフトウェアを使用し、カイ二乗検定、スチューデントのt検定などの統計分析を行い、パス分析によりコンドーム使用行動の説明理論モデルを構築。

結果

コンドームの使用頻度

この調査では、大学生の39.4%しかコンドームの継続的な使用を報告しておらず、若者のコンドーム使用頻度の低さが浮き彫りになりました。

使用の予測因子

コンドーム使用の主な予測因子は、知覚された利点、ポジティブな感情、および対人的影響であり、コミットメントが最も強い予測因子でした

性差

女子学生も男子学生もコンドーム使用の予測因子において同様の傾向を示したものの、使用へのコミットメントに影響を与える要因において若干の違いが認められました。
具体的には、女子学生は男子学生に比べ、コンドーム使用の利点をより重視し、男子学生は女子学生よりも、コンドーム使用に関連するポジティブな感情の影響をより強く受けていました。また、男女ともに対人的影響の影響を受けましたが、女子学生の方が直接的な予測能力がありました。
コンドーム使用へのコミットメントを実際の行動に移す上では、女子学生のほうがより効果がありました。

考察

学生のコンドーム使用

この調査では、一貫してコンドームを使用していると報告した大学生はわずか39.4%であり、安全なセックスの実践を促進するためのより良い戦略の必要性が浮き彫りになりました。

影響因子

知覚された利点、ポジティブな感情、および対人的影響が、学生のコンドーム使用へのコミットメントにプラスの影響を与えることが確認されました。

予測モデル

ペンダーの健康促進モデルはコンドーム使用行動の予測に有効であり、コミットメントが最も強い予測因子でした。

公衆衛生への影響

本研究結果は、大学生の性的健康の成果を改善するために、同定された予測因子に焦点を当てた標的介入の重要性を強調しています。


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