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音声認識を使おう:メール作成編

音声認識は私が理想とする目にも止まらぬ早業に近づくための重要ツールとでしょう。仕事では通常は両手でキーボードやマウスを使うわけですが、そこに音声認識による声が加わることで3刀流となるわけですから、生産性が高まるに決まっています。もちろんその使い方には色々とコツがあるわけですが、大いに活用余地があるでしょう。

うちの例で言えば、小学生の子供がテレビに向かって「アレクサ天気予報を教えて」とか言う始末で、音声認識が非常に身近なものになっていますが、残念なことにビジネスにおいてはその活用がだいぶ遅れていると言ってよいでしょう。実際、自分の知り合いで仕事上で音声認識を使っている人はなぜか皆無ですし、そもそもオフィスで働く分にはいきなりスマホに向かって独り言を言いだしたら変人でしょうし、周りに迷惑をかけるでしょう。しかし今は在宅勤務が一般的になっているわけで、音声認識を非常に活用しやすい時代になったといえます。

使用目的①:メールの返信・ドラフト
まず簡単なメールに対する返信(例えば「ありがとうございます」とか「了解しました」など)があるでしょう。私は現在テレワークですが、PCと併用して会社貸与のi-phoneを使っており、簡単な返事ならiPhone経由でさっさと済ませています(i-phoneでメールとかチャットのアプリを開いて、そこで音声認識を使うイメージ)。やってみればわかりますが、いちいちタイプするよりも声を使った方が速いので、一定の効率化となるでしょう。

より大きな効果が期待できるのは、むしろ長いメールのドラフトだと思います。文字変換とか文章の最終調整は後でやるとして、一旦言いたいことを声に出して整理すると意外に頭の中もクリアになりますし、内容も説得的になります。はっきり話さないと文字起こしが出来ないわけですが、だからこそその過程で自分の発言に矛盾や曖昧さ気づいたり、新しい発想や考えるヒントが得られることも多くなります。なんというか脳を活性化させる効果があると思います。実際、脳に関しては下のアインシュタイン・ファクターという本が面白いのですが、何かを見たときに、それを他人に詳細に表現しようとすると脳の潜在能力をかなり引き出せるようです(黙って考えるのに比べて)。そして、同様の効果がテープレコーダーに向かって話すことでも得られるようです。

私は脳の専門家でもなんでもありませんが、私なりに平たく言えば音声認識を使った文章作成は人間の五感をフル稼働する感じかなと思います。例えば単にキーボードでタイプする場合は使うのは目と手だけです。しかし、音声認識の場合は、頭にあることをまず声を使って表現し、その「アウトプット」をやや客観的に自分の耳でも聞くことになります。そして、文字起こしされたものをこれまた客観的に自分の目で見ることになる・・・。人間が持てるものを全てつぎ込んでいる感じでしょうか。いずれにせよ、音声認識を活用すれば、その過程で思考を深めるだけでなく、キーボードをタイプする手間も省けるので一石二鳥であることに間違いないでしょう。

例えば、私は先日イラっとするメールを受け取りました。そういう場合によくオフィスで見る光景として、すかさず返信モードとなり一心不乱にキーボードを打って返信!…と言うパターンがあります。ただ、そうなると結構感情的だったり、視野が狭くなったりします。結果的に、伝わるものも伝わらず、ボタンの掛け違いが解消されることもなく、だんだん険悪モードになるといった悪循環に陥る可能性があります。そういった状況を回避するためにも、一旦立ち止まってリラックスした状態で自分の言いたいことを声に出して整理してみる。そうすると落ち着く効果がまずありますし、「こんなことを言ってしまったら相手に失礼になるのでは?」といったことも冷静に感じることが出来るでしょう(そもそも乱暴な表現というのは、書くことは出来ても、実際に声に出しては言いにくいものです)。私の上の例であれば、音声認識を使うことで冷静に対応が出来ましたし、その過程で予想外に良いアイディアが出てきて、ワークフローの大きな改善につながるという、禍を転じて福と為すとの結果となりました。

文字起こしの前に内容をスケッチする                        メールやレポートの音声認識を使ったドラフト前に、ホワイトボードなどを使って内容を事前にデザインすることがよくあります。例えば、起承転結に該当する部分を記述して、各補足材料もざっと書いて、因果関係や流れなどは矢印で結ぶ。こうするだけで非常に有用かつスリムな叩き台になります。漠然と何を書いていいのか分からない状態で進めるのではなく、その時点のゴールを見える化してしまう。そして、そこから逆算する形で音声認識&文字起こしを行う。ホワイトボードについては私もこれまで色々試行錯誤してきましたので、また別の機会に書こうと思います。


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