見出し画像

Ferrovie del Messico (3)

Gian Marco GriffiのFerrovie del Messico (Laurana Editore, 816ページ)を読んでいます。今日は147ページまで。前回から1章しか読んでいないけどこの章は難しかったので記録。

章のタイトルは”Lustro del truccante, il nove nel marchese del scaglioso 1944”。章のタイトルから何を言っているのかさっぱりわからない。そして、Cari futuri「親愛なる未来人へ」と手紙のような形式で始まる。この前に、恋人のIsottaが100年後の人に向けたタイムカプセルをバオバブの根元に埋めたと手紙を通じて知ったCescoなので、それと何か関係あるのかな?と思い読み進める。これはCescoの書いたもの?別の誰かが書いたのか?少し前にCescoはBarで小説を書いていたが、その一部を読まされているの?

この未来の人への手紙は、”L'Aquila agonizzante”(瀕死の鷲)というクラブのような場所での出来事が語られる。クラブはトンネルを抜けたところ、かつては車両基地として使われていたのか、そのような場所にある。入り口の鉄門に描かれているのがファシズムの象徴の鷲。この鷲は舌を出して白目を剥いて苦しそう。鷲はファスケスの上に止まっているが、そのファスケスはよくあるファシスト党のシンボルのではなくて、茹で上がってクタクタになったアスパラガスを束ねたもの。

Vi descrivo la porta di ferro: sull'anta qualcuno ha disegnato un'aquila fascista con la lingua che esce da un lato del becco e gli occhi strabuzzati, come se una mano forte le tirasse il collo; il fascio littorio su cui l'aquila poggia le zampe è sostituito da un fascio di asparagi smollacciati.

Gian Marco Griffi, Ferrovie del Messico, Laurana Editore, 2022, 132

このあたりまで読んで、歯が痛い話とかEttoreやNicolaoが出てくるので、Cescoがこれを書いているとわかってきた。

L'Aquila agonizzanteには30人くらいの人がいる。お酒飲んだり踊ったりしているので、現代でいうクラブのようなところなのか。Cescoはこういう場に慣れていなくて手持ち無沙汰。二人のMariaが登場する。しばらくして薪が底をつきCescoはクラブの外に探しに行くが、水分を含んだものばかりで火をおこせるようなものがなく手ぶらでクラブに戻る。そこで怒った二人のMariaとすれ違う。クラブに戻ると、RiccardoがMariaから受けた性的なサービス(たぶん)を得意げに語る。この部分、方言?隠語?がいっぱい使われていて解読困難。CescoもよくわからずEttoreとNicolaoに意味を尋ねている。”il marchese del cornuto”をEttoreはil mese di aprile (4月)と言い、Nicolaoはil mese di maggio (5月)と言う。ここで、marcheseはmeseの隠語で、章タイトル”Lustro del truccante, il nove nel marchese del scaglioso 1944”が年月日のことなんだとやっと気づく。1944年2月9日水曜日の出来事を語っていたんだ。

その後、EttoreとNicolaoに別室に連れられ”Come vinsi la guerra”(「キートンの大列車追跡」)を見る。これがこの夜一番の素晴らしい経験だと振り返るCesco。さらにその後、クラブに集った人たちは”兵士の誓い”を歌い上げるが、内容は明日、日の出とともに戦闘があっても良い兵士は遅寝して戦いには行かない、俺たちを寝かせてくれ、みたいな平和な内容。つまりここは、反ファシズム、パルチザン的な地下活動をしているグループのアジトなの?

午前0時を過ぎて自宅に戻る。愛していない恋人のIsottaと恋に落ちてしまったTildeへの手紙を書く。しかしこれらはタイムカプセルに入れるので、二人が読むことはない手紙だ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?