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4/28 どんな音楽が好き?

音楽の好みっていつ決まるんだろうか。
何でも「11~14歳の時に聞いた音楽の影響が大きく、平均13歳の時にリリースされた曲が最も好きな音楽になる」という研究結果があるようなのだけれど、実際どうなんだろう。
私が11〜14歳の頃と言えば、2000年〜2003年だ。2000年になったのなんて、結構最近のようなイメージだったのだけれど、もう20年前なのか…恐ろしい。
ちなみにこの時代のヒット曲を、CD売上ランキングで見てみるとこんな感じらしい。

2000年
TSUNAMI                                    サザンオールスターズ
桜坂                                              福山雅治
Wait&See ~リスク~                  宇多田ヒカル

2001年
Can You Keep A Secret?          宇多田ヒカル
M                                                  浜崎あゆみ
PIECES OF A DREAM                 CHEMISTRY

2002年
H                                                   浜崎あゆみ
traveling                                       宇多田ヒカル
ワダツミの木                                 元ちとせ

2003年
世界に一つだけの花                      SMAP
虹/ひまわり/それがすべてさ    福山雅治
COLORS                                      宇多田ヒカル

どうなんだろう? 同年代の方には刺さるラインナップなんだろうか?
個人的には半分わかるかわからないか、くらいの感じなのだけれど、これは「音楽番組を観ない家庭だった」という、完全に個人的な事情によるものだろう。

じゃあ私は一体この頃何を聴いていたんだろうか、と考えてみると、多分「両親の好きな音楽」を一緒に聴いていることが多かった。両親は流行りのポップスはあまり好みじゃなかったようで、「音楽番組」は全然観なかったけれど、「音楽」が嫌いなわけじゃなかった。むしろ「好きな音楽」がはっきりしていた。リビングにはかなり立派なオーディオセットがあって、父はレコードを何百枚も持っていた。

そうして休みの日には大体音楽が流れていた。クラシックかジャズか、映画音楽か、あとは昭和のフォークソングやニューミュージック。両親の、主に父の好みだ。
レコードでバッハをかけて、クラシックギターで「禁じられた遊び」のテーマ曲の「愛のロマンス」を弾いて、カラオケでは村下孝蔵の「踊り子」とバンバンの「『いちご白書』をもう一度」を歌う父親だ。私も幼少期から、そういう音楽ばかり聴いて育ってきた。
小学生の時には、私もカラオケでは、明日香の「花盗人」とか、小坂恭子 の「想い出まくら」なんかを歌っていた。そういう曲しか知らなかった、というのも勿論あるけれど、でもこの時点で両親の音楽の好みが染み付いていた気がする。「明るく元気にイエイイエイ!」な曲じゃなくて、こう、ちょっと暗めの曲を選んでしまう、という曲の好みが…。

一番、私自身の曲の好みがわかりやすかったのは、ピアノのレッスンだった。
ピアノを習い始めた頃はエレクトーンのグループレッスンだったのだけれど、独奏の練習も当然あった。「各自教本の中から自分の好きな曲を選んで弾く」というもので、5、6曲の中から自分の好きな曲を選んで弾けるので、すごく楽しくて、合奏の練習しないで、こっちばっかり弾いていた。
だって好きな曲が弾けるのだ。そうして嬉々として弾く「好きな曲」は、毎回毎回見事なまでに短調だった。4歳でピアノを始めた時からずっと一貫して、収録曲の中で一番寂しそうな曲を選んで弾いていた。先生は途中から、私が選ぶ曲が事前にわかるようになっていた。

その後個人レッスンになって、クラシック曲がメインになったけれど、それでもやっぱりバーンと華やかな曲よりは、しっとり系の寂しい感じの曲が好きだった。父の影響でバッハももちろん好きだったけれど、ドビュッシーとかラヴェルとかラフマニノフとかが好きになった。あとちょっとロマンチックすぎたりするけどショパンとか、リストとか。あの辺り。あんまりモーツアルトは好みじゃなかったりする。
ちなみにドヴォルザークの「ユーモレスク」は転調部分が好きで、その転調部分「だけ」を弾くというものすごくダメなこともしていた。
あとはジョージ・ウィンストンの「あこがれ/愛」とかプーランクの「エディット・ピアフを讃えて」とか、特にレッスンとは関係なく弾いてたな。好き。

最新のJPOPだとか、ロックだとかにも触れるようになったのは、私が中学生になってからだ。その頃ようやく最寄駅にTSUTAYAができたのだ。
とはいえ何がいいのか全然わからなかったので、何となくジャケットで借りたりしてみていた。結果、Corneliusの「Point」と松居慶子の「Deep Blue」と岡崎律子の「フルーツバスケット ― 四季 ―」とACIDMANの「equal」とサイモン&ガーファンクルあたりを永遠にループしていた。
好きになると、同じ曲、同じアルバムばかりループしてしまう癖があるので、なかなか好きなアーティストの幅が広がらないのだけれど(曲単品でめっちゃ好きになっても、ほかの曲はいまいちピンとこなかったりして、結局一個しかアルバム聴いてない、とかあるあるだ)、それでもポルノグラフィティとかアジカンとか、椎名林檎とかCoccoとか、サカナクションとかはよく聴いていた。

こうやって思い入れのあるCDとか、歌手をあげてみると、どうやら「11~14歳の時に聞いた音楽の影響が大きく、平均13歳の時にリリースされた曲が最も好きな音楽になる」という研究結果もあながち間違いじゃなさそうだ。この頃好きだった曲はいまでもずっと好きだし、大人になってから好きになった曲だってあるけれど、でもこの頃に好きになった曲とテイストが似ているかもしれない。
この頃の好みの延長というか、全然違う曲調をいきなり好きになることって、なかなかないかも。
ちなみに最近よく聴いているのはChouchouの「piano01 oto」とかcaelumの「Weather Report」とか相対性理論+渋谷慶一郎の「アワーミュージック」とかフィリップ・グラスとか。片鱗が見える。見えるぞ…。

ただ、そもそもこの「13歳くらいの時に好きになる音楽」って、やっぱりそれ以前に聴いてきた曲の傾向が加味されている気がする。自分で聴く音楽を「選ぶ」ようになる頃がこの頃なのかな?と思うのだけれど、そこで好きになる音楽の基準って、ある程度すでにできているんじゃないだろうか。
少なくても、どうやら私はそうだったみたいだ。
幼少期に散々聞いてきたクラシックと、映画音楽と、フォークソング。
多分私の音楽の好みは、父から受け継いだのだ。

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