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現役高校生が自己満で書いてます。

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  • 佇む彼女は遠い存在でした

    「」:○○のセリフ/『』:メンバーのセリフ

最近の記事

佇む彼女は遠い存在でした④

蓮加と初めて体を交えたあの日から約2ヶ月。 すっかり、羽織ものがないと肌寒い季節になった。 しかし、そんな今日でも俺の隣には冷えた心を温めてくれる存在がいる。 『ん、なに?』 木の葉が落ちて寂しくなった木々の下を歩く蓮加。無言で蓮加を見つめ続ける俺の視線に気がついた様子。 「ううん、なんでも。」 『なに、辛気臭いよ笑』 「今日はそういう日なんだよ」 『へぇ〜笑あ、飲む?』 彼女は手に持っていたスターバックスのホットコーヒーを俺に促してくる。俺は彼女にそっと微

    • 佇む彼女は遠い存在でした③

      あの日から何度めかの学校。 あのパーティーは人生において刺激になったなぁなんて思いつつ あの日から一向に連絡のない蓮加に寂しさを覚える。 しかし、俺から連絡するのは迷惑になると思い彼女のなるままに任せることにした。 蓮加と出会った日に壊れてからというもの、弟からパクっている銀チャリを自分のもののように乗りこなし、ジャリジャリと音を響かせながら通学路を駆け抜ける。 駆け抜けた先にある学校の校門をくぐり、生徒玄関を抜けると、そのまま教室へと向かう。 あぁ、蓮加元気かな

      • 佇む彼女は遠い存在でした②

        ー土曜日ー 「よ、岩本」 『気安く呼び捨てしないで』 デートの約束の日。 彼女は時間通りにやってきた。 登場早々にイラつき気味の岩本ちゃんだが、 まぁ通常運転。 「さ、今日は俺らの日課を教えてやろうと思う」 『なんでそんなやる気なの笑』 「だってさ、お嬢様に庶民の生活を教えるのってなんかワクワクしない?」 『しないよ笑いいから、ほら、早く行こっ!』 何だか、いつにも増してウキウキな彼女。 すげぇかわいい。 何日か前に出会ったばかりなのに 波長がすげ

        • 佇む彼女は遠い存在でした①

          「俺に追いついたら肉まん奢ってやるよ‼︎」 青空の下、河川敷に自転車を漕ぐ男が2人。 制服のネクタイは乱れて、シャツは背中側だけズボンから露出している。 「ふぉーーーー‼︎‼︎‼︎」 俺の名前は橋本○○。地元の超普通の高校に通う高校2年生だ。 そして、俺の後ろを全速力で漕ぐのは小学校からの幼馴染の、圭介。 俺たちは毎日、この河川敷を自転車レースで競争して帰るのが日課。 人通りは少ないし、散歩する犬にさえ気をつければ事故ることはない。 「お前さっ‼︎やる気あんの

        佇む彼女は遠い存在でした④

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        • 佇む彼女は遠い存在でした
          4本

        記事

          齋藤飛鳥のInstagramから分かること

          まず、これを見てほしい。 1枚目が投稿されて2日経った頃の飛鳥ちゃんの投稿。 2枚目が投稿されて1時間後たった頃の投稿。 文章に微かな違いがある。 “これからは” から “これからの道” への変化。 飛鳥ちゃんにとってこの違いって何。 オタク、というか一般的に見れば修正するほどのミスでもないし特に大きく意味が変わるわけでもない。だから、修正する必要なんてないのに。 でも、この文章にこだわって微妙に変化をもたらした飛鳥ちゃんには何か思惑があるのだろうか。

          齋藤飛鳥のInstagramから分かること

          まぁ、いいんだけどさ

          『はぁ⁉︎○○に彼女ぉ⁉︎』 『落ち着いてください飛鳥さん。別にまだ決定したわけじゃないですから』 落ち着いた雰囲気のカフェが一気に騒がしくなる。騒がしいと言っても、一部に過ぎないのだけど。 『でも、梅がそんなこと言うなんて結構強力な証拠があるんでしょ』 『まぁ、○○さん好きの飛鳥さんに言うのはちょっと気がひけるくらい衝撃ですけど…』 『なに、言ってみんさいよ』 『言ったところで飛鳥さんが傷つくだけじゃないですか』 『いやいや、○○が付き合ってると知らないで馬鹿

          まぁ、いいんだけどさ

          鈍感。

           『○○さ、明日部活の試合なんだって?』 そう聞いてくるのは俺の彼女の梅澤美波。一緒に下校している途中にそう問いかけてきた。 「あ、うん。言ってなかったっけ」 『聞いてないよ』 「そうだったっけ。まぁでもそういうこと。明日試合なんだ」 美波は少し寂しそうな表情を見せた。付き合っているとはいえ部活の試合にまで顔を出す必要はないだろう。 『なんで言ってくれなかったの』 「別に、理由はないけど」 『ふーん』 そう言って美波は足元にあった石ころを蹴飛ばす。遠くに飛ん

          鈍感。

          久保じゃなきゃ、良かった?

          「久保」 ○・史「はい?」 「あ、男じゃなくて女の方の久保な笑」 あぁ、まただ。またやってしまった。なんで同じクラスに "久保"が2人もいるんだ。 『ねぇ、いい加減間違えないようにしてよ』  隣の席に座る久保。いや、久保史緒里。同じ名字だと出席番号順でもほぼ必然的に隣同士になってしまう。授業中に名前を呼ばれる方向も一緒なため余計にこの"久保"の呪縛から逃れられない。 「ごめん。気をつけるって」 『それ、何回目だよって!』 久保史緒里は持っていた赤ペンで俺の脇

          久保じゃなきゃ、良かった?

          隣の賀喜はよくからかう賀喜だ。

          『ねぇ、ノート見してよ』 隣の席の賀喜さんはとりあえず人に頼りすぎてる。 「うん、いいけど」 俺は少し戸惑いながらもノートを渡す。自分のノートは汚い字だし、まとめ方は雑だし なにより授業をろくに聞いてない彼女にノートを 渡すのが何よりも屈辱的だった。 しかし、カースト上位にいる賀喜さんが俺を頼ってくれているというだけで嬉しくなって結局はなんでもしてあげてしまう。そんな自分が嫌いだ。 『ありがとさん!』 もう、ずるいって。そんな笑顔見たら鬱憤も全部消し飛ぶわ。彼女

          隣の賀喜はよくからかう賀喜だ。