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Local vs Global Standard

ローカルマーケットとグローバルでのスタンダードの話。国を超えた会社で仕事をしている人なら必ず出くわすのがこの問題だと思います。どちらが正解なのか、ケースバイケースなのですが、具体例を元に論点を書いてみたいと思います。

会社の成り立ちによりますが、評価制度・給料体系は多くの会社がHeadquarters がある国のカルチャー背景をベースに作られているケースが多い感じがします。進化の過程で各国の差分を吸収したり、その結果としてグローバル企業でのスタンダードなところに行き着くこともが多いようです。いきなりグローバルスタンダードで始めますみたいなケースももちろんなくはないのでしょうが、何を持って”グローバル”なスタンダードと定義するのかも難しいので、母国+差分吸収型みたいな形がほとんどかなと。

給料や評価に関する差分

日本もいろいろ変わってきていると言っても、企業規模関わらず、成熟した会社ほど、終身雇用かつ年功序列みたいな価値観が多い状態です。もっと外部から風をということで中途採用等を進めているけど、そういった価値観や前提となっている人事制度が色濃く残っているのが実態かと思います。そんなカルチャーな日本においては、外資系や経営レベルでもない限りは、従業員がいちいち給料交渉を評価のたびにしているところは少ない気がします。もちろん評価自体に満足ができる、できないみたいな話はあると思いますが、他の人の給料が高い、自分が低いからもっとあげるべきだとか、そんな話を直接やりとりはしない文化、やりとりはしない方が美徳であるという価値観が背景にはあるとは思います。しかし、日本以外に目を向ければ、転職があたりまえ、そしてその国かつ業界マーケット的に転職が活発であればあるほど、この給料交渉のシーンは増加します。同じ会社で給料が上がっていくことよりも、転職によってゲーム感覚で給料を上げていく国もあったりします。自分が具体的に直面しているのはインドかつIT業界で、世界的なITへの期待の高まりが相まって、ここ五年ぐらいの給料ゲームは客観的にみても異常と言える状態かと思います。

こんなカルチャーや業界的な状況差分から生まれる”給料交渉”が当たり前なのかを前提にするかどうかで人事評価精度や給料ルールで大きな違いが発生します。給料交渉がないのであれば、公平性を期するために、評価ポイントや昇給分の予算管理などの明確なルールが作って、均一な質で評価運営が行われることに趣が置かれるのが普通です。そうでないと不公平感が広まり、マネージメントへの不振や離職みたいな結果につながっています。しかし、逆に給料交渉がベースなカルチャーだとすると、いかにフレキシブルなルールにするのかというところがポイントになります。もし厳密かつ明確なルールを給料交渉がベースな国に導入してしまうと、人の離反を抑えるというのがマネージメントとしては難しくなるでしょう。

ただ、このローカル性みたいなのをどこまで許すのか、ここも別な論点があり、複数の国を跨いで、生産性をあげようと考えた時には条件分岐・ローカルルールが邪魔にしかなりません。製造業や流通業が大量生産としての効率性を追求するのと同じですね。どちらの方針を取るのかは会社や部署としての価値観によるところが多いというのが実態なんだと思います。結局はケースバイケースで、置かれている環境から最適な方を選ぶしかないのが現実ですし、それがマネージメントワークですからね。

日々ぼけっと生活してしまっていますが、他の人にもなんらか価値のある情報や自分なりの視点を何か持っているはずと信じてnoteをはじめました。 自己紹介はこちら https://note.mu/t_kis/n/n768f4613e0ef