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新人研修~マウスを使うな~

卵から孵って最初に見たものを親だと認識するっていう生き物がいますが、社会人になって最初に習ったこともいくつになっても忘れないものだったりします。


ぼくは新人で社員数が2,000人強のソフトウェア開発会社にSEとして入社したのですが、最初の全体研修はe-ラーニングを中心に行って、その後仮配属を経て各事業部に同期が散らばって、各地でOJTという研修を受けることになりました。

貸与されたPCのセットアップ後、そこで指導役となった先輩に最初に言われたのがタイトルの言葉でした。

「マウスを使うな」

「は?(心の声)」

困惑するぼくに見向きもせずたった今貸与されたPCのPS/2タイプのマウスコードをデスクトップの筐体裏から引き抜き、デスクの引き出しに放り込む先輩。

課題となるプロジェクトの説明をしながら言ったのが

「いつまでもマウスを使っているタイピングが速くならないからね」

その瞬間からタイプウェルなどのタイピングソフトで毎日30分ほどタイピングスピードの向上を目指すとともに、ショートカットキーをググっては調べて体に覚えさせる日々が始まった。


プロジェクトとしてはC++を主に使って、某サイトのサイト内検索エンジンを自作するというプロジェクトで、個人的にはEclipseとかの統合環境でJavaをやりたかったのが、C++もやってみると面白くて、というより検索エンジンを作るのが面白くて集中しているうちに、気づいたらマウスが無くても「Tab」キーを駆使してカーソル遷移ができたり、むしろカーソル遷移がおかしいサイトなどは「Web標準に則ってないよね」みたいなマインドに育っていきました。


その後、某元国営企業に出向して過ごした後に最初の転職を経て、数年越しにようやくマウスを日常的に使うようになるのだが、その感想は

「マウスめっちゃ便利やんけ!!!!!」


つまり、新人研修はとても大切なものなので、受ける人も講師の方も頑張ってくださいね。

P.S

当時はみんなスーツを着ていたので分からなかったが、その先輩の私服は何かとスタッズが多めに付いているレザージャケットだったり、「手袋ってそんなに鉄が必要でしたっけ?」っていう指の先が空いているオープンフィンガーなものとかだったので、大人しくマウス無しでやっていてよかったと改めて思っている。

最近はいいマウスがたくさん売っていて、いいものは本当に使いやすいけど、徐々にタッチパネルにリプレイスされていくのかなぁ。

春になると思い出す僕の新人研修の話。

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