『道に落ちていた立方体』 #ショートショートnote杯
男は死のうと思っていた。
不治の病で余命一年を宣告された帰り道。
未来に絶望し飛び込もうと思った国道で、■を拾った。
ブラックボックス。中身は見えない。
だが男は不思議と■が気になり家に持ち帰った。
その晩、■をベッドサイドに置いて眠りについた。
奇跡のような、変わったことは起きなかった。
次の日、その次の日も、日常に大きな変化はなかった。
ある時ふと思い立ち、■をひっくり返してみた。
すると■からカラン、と乾いた音が聞こえたような気がした。
何も起きはしなかったがそこから毎