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残間 奈津子 展 |infinity



2023年6月3日より、POETIC SCAPEでは初となる残間奈津子の個展 「infinity」を開催いたします。

残間は長年にわたり、主に植物を被写体とした写真作品を制作してきました。その撮影は自宅の庭や20年近く通っている植物公園など、過去に自分が何度も撮影したことのある場所で繰り返し行われます。しかし、訪れる季節、時間帯、またその時の自分自身の状態が変化するため、その場所はいつも同じではないと残間は言います。

 「よくわからないが、その場所で十分に事足りている」(自作に対する考察メモより。以降の引用も同様)

残間は学生時代に友人から、生まれ故郷のボローニャで生涯に渡り静物画を描き続けた画家、ジョルジョ・モランディの話を聞いて、これに深く共感します。色々な場所に行くよりも、何度も同じ場所に足を運び、「奥に奥に、重ね重ね深く関わりたい」この姿勢は学生時代からずっと変わっていません。

近年の作品は、主な被写体であるはずの植物が、作品の中央ではなく周辺に配置されているものがいくつか見受けられます。残間は、今は見えているものに主役も背景もなく、全てがフラット(等価)に感じると言います。

 「主役と思われがちな植物も、背景も、地面の土も、その上にある枯草や地面の粒々といった誰の目にもとまらないような存在も、その場の空気も、光も、そして撮っている自分の存在も、ただその空間に同時に漂っている、重なりあっている 」

この数年間、私たちは自由な移動を制限される生活を余儀なくされました。その困難な時代はそろそろ終わりを迎え、人々は再び、ある場所から別の場所へと慌ただしく移動する日々に戻ろうとしています。一方、残間はずっと以前から、目の前のいつもの場所と長い時間を共有してきました。そして自分の体が場所に馴染み、ゆっくり見えてくる美しさに気付かされる瞬間、自分はこの世界に歓迎されていると感じます。

 「写真で伝えたいことは 見ることを選択できるということと 見ることの可能性は無限にあって 自分自身に何を見せてあげるかは自分次第ということです」

<展示概要>
会場:POETIC SCAPE|東京都目黒区中目黒 4-4-10 1F
会期:2023年6月3日(土)−7月16日(日)
時間:水曜−日曜 13:00-19:00 *イベント開催のため、6/24は17:30クローズ
休廊:月曜・火曜


<関連イベント>
◉オープニング・レセプション
2023年6月3日(土)18:00-20:00

◉ギャラリートーク:残間 奈津子 × 山田 裕理(東京都写真美術館学芸員)
日時:2023年6月24日(土)18:00-19:30|会場:POETIC SCAPE|要予約、定員20名(一部立ち見あり)
参加費:1000円(トーク終了後ミニパーティあり)
お申込はメール(front-desk@poetic-scape.com)にて、参加者の氏名、人数、お電話番号をお知らせ下さい。
*メールでのお申込み後、3日以内に返事がない場合は、お手数ですがお電話(03-6479-6927)にてご確認ください。

<Profile>
残間 奈津子 (Natsuko Zanma)
1982年 茨城県生まれ。2005年 日本大学芸術学部写真学科卒業。
主な個展に、「sun room」茨城県つくば美術館(​​2009/茨城)、「Day Dream」ギャラリーマミカ(2015/東京)、「きざす庭にて」ギャラリーサザ(2021/茨城)など。
主なグループ展は、「Visual Communication Exhibition –well being–」茨城県つくば美術館(2022/茨城)、「SPACE CADET Actual Exhibition #1,2」ターナー・ギャラリー(2012,2013/東京)など。

いただいたサポートは、POETIC SCAPEの活動を通じてアーティストをサポートするために使わせていただきます。サポートをぐるぐる回していければ素敵だなと思っています。