接触式温度計の精度確認について

温度計の精度確認を簡易的に行うために氷点を利用するという話はすぐに検索で出てくるけど、氷の状態を具体的に説明しているものが少なくて説明に困ったので実際にやってみた。
HACCPなどの解説で氷水の温度と沸騰した水の温度で精度確認することを”校正”と呼んでいるところがあるが、これは標準に対するトレーサビリティがないので校正ではない。
これがFSSC 22000(ISO 22000)などのコンサルもやっているようなところであれば、ISOでいう校正の意味を理解できていない可能性があるので、あまり信用できない。
沸点を利用して100℃を確認する方法も試してみたいが、家にちょうどいいポット(ケトル)がないので、そのうちやってみる。

以下が実際の画像
かき氷状にした氷を水でひたひたにしたものは正しく0 ℃がでていた、しっかりと氷点が作れていればこの状態が数分は維持されるはず。
すぐに値が変わっていくようであれば氷が足りず、水の温度を測っていることになる。
この温度計は0.1 ℃までの表示なので、この桁数程度ならこの方法でほぼ間違いなく、精度確認ができる。
水道水のミネラル量などはよく管理されているので、この表示桁数の領域であればほぼ理想的な水の氷点と一致すると考えていいはずだが、念のため導電率も測る。
今回は25 μSであった。
ブロック状の氷の場合、通常0 ℃より大きな値を示す。
この方法でほぼ0 ℃となるのは氷と水の接触面だけなので、氷の塊が大きいと、温度計の側温部分は水の部分の温度を測ってしまう。
冷凍庫の製氷皿の氷を使うと、経験則的にはだいたい0.3 ℃前後になる事が多い。

かき氷状の氷の場合
ブロック状の氷の場合


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