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ザ・ファブル(2019年/日本) ネタバレあり感想 原作の持ち味と実写ならではのシュールさが上手くハマった感じ。

※2019/7/6に『趣味と向き合う日々』に投稿した感想記事の加筆修正版です。

殺し屋VS殺し屋のシーンの突然異次元の戦いが始まった感好き。

 

『ザ・ファブル』

ファブル映画ポス

以下、ネタバレを含む感想記事です。

 

■ストーリー
 

一年間だけ殺しを禁じられた天才殺し屋が日常に溶け込もうとするが、裏の世界の連中に目を付けられ仕方なく立ち向かう。

 

■感想
 

向井理のハングリーな感じの悪人演技がめっちゃハマってましたね。柳楽優弥のちょっとアホっぽいけど徹底的に悪人のチンピラ感も凄かったですし。言わずもがな岡田准一は安定して良い演技でした。


前半は殺しを禁じられ普通の生き方をしようと務める伝説の殺し屋ファブルこと佐藤が、カタギの方々との交流を通じて云々という、かねがね予告通りの内容。

それが後半になると、殺しを禁じられている状態で、敵に捕らわれたヒロインのミサキを救い出すため、いわばハンデ状態で奮闘する佐藤の姿を描くという感じで、アクション映画の色がとても強くなります。

 

これが中々良くてともすれば感動ポルノまがいの路線にも進められる前半の日常編を、主軸にする事無くあくまで後半の殺しを禁じられた状態での戦闘シーンに添えるための一要素に留めていたところが個人的に凄く好きな点でした。

そのおかげかアクションシーンが中心となる後半と前半の空気感のメリハリが凄く効いていましたし、普通の人間の生活を強要された殺し屋という設定の面白さがより引き立っていた印象です。

 

 

もちろんこういう特殊な設定を持った男が主人公なだけに、笑いどころが多数ありました。緊張感のあるシーンとそこに放り込むコミカルな笑いのバランスが丁度良くてしらける事が無く楽しめます。

リアル指向なシーン、例えば拳銃のメンテナンスや銃弾製造のプロセスなんかが描かれる一方で、漫画原作らしい非現実的な反応速度や近接戦闘の動きなどを、常軌を逸した殺し屋であるファブルという存在の元で上手く成立させている感じで謎の説得力が生まれる感じが不思議です。

 


なんかこう、いかにもな最近の大作映画っぽい雰囲気と作りなんですよね。良い意味で。

そこが僕みたいなハリウッド映画ばかり見ている層にはとてもマッチすると思いますし、普段あまり邦画は見ないよっていう人でも楽しめる映画だと思いました。

 

■〆
 

個人評価:★★★★☆

 妹役を任されたヨウコの立ち位置が終始謎だった点だけちょっと気になりました。

悪いお兄さんたちが己の為に他者を蹴落としあう中で、殺しばかりやっていたファブルが純粋な人間として描かれているのも面白い点です。殺しのプロだから殺すという、不気味で一番危ないタイプの人間が佐藤ですし。

80年代アクション映画のような外連味と大げさな演出が結構多いのも個人的にハマる点でしたし、とても楽しめました。


ではまた。

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