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アーミーオブザデッド(2021年/アメリカ) 感想 ゾンビの支配圏へ侵入して大金を奪う映画

意外にも王道!!

〘アーミーオブザデッド〙(ARM。Y OF THE DEAD)

アーミーオブザデッドポス3

以下、一部にネタバレを含む感想記事です。


■ストーリー

エリア51から装甲車で輸送されていたゾンビが交通事故で野に放たれ、ラスベガスを襲撃しゾンビの街へと変貌してしまった。

それから6年後、集められたスペシャリスト達が核で街が吹き飛ばされる前にベガスに眠る大金を強奪しに街へ侵入する。

■内容

色々なお約束も含めて王道ゾンビ映画をやりつつ、カジノの金庫へ侵入し大金を奪うという往年のクライムアクションムービー的な要素が融合した映画。

それぞれの要素が上手く映画を盛り上げつつ、シリアスとコメディの塩梅も丁度良くて、最後まで面白い映画でした。


■感想(ネタバレあり)

『ゾンビ』をリメイクした『ドーンオブザデッド』で猛ダッシュゾンビを描くなど斬新な要素を放り込んできたザック・スナイダーが再びメガホンをとるゾンビ映画という事で、かなり期待値高めで観ましたが個人的には大当たりな映画でした。


シチュエーションとしての面白さが第一にあり、そこにゾンビ映画の面白い部分だったりお約束だったり、その上での意外性や裏切りを組み合わせたような印象です。

街を支配しているゾンビ、いわゆる典型的で古典的なタイプのシャンブラーと、原初のゾンビ(メイキングでゼウスなるコードネームが判明)から直で噛まれた人間が成り果てる、超肉体強化状態のスーパーゾンビであるアルファの2種類がいます。


アルファは俊敏で高いパワーを持つ上に、ボスであるゼウスの元にある程度統率の取られた正にスペシャルなゾンビ集団で、アルファを中心にベガスの街がゾンビの王国と化している設定が中々面白いです。

更にこのアルファ、戦闘シーンでは明らかにこれまでのゾンビ映画、それこそスナイダー監督『ドーンオブザデッド』のダッシュゾンビすら超える動きを見せる等、見所が大量に詰まっていました。

もうめっちゃ早く走るとか当たり前でその上で超絶アクションを繰り広げるという、とんでもない存在になっていました。

主人公と1分近くタイマンで攻防を繰り広げるアルファがいたり、突撃シーンではパルクールよろしくな大胆な技を繰り出していたり、シャンブラー共が次々とヘッドショットに沈んでいく中、アルファは狩人様もビックリのサイドステップを繰り出し銃撃を回避するなど、ゾンビの印象がほぼ形作られた今だからこそ成立する意外性がたくさん込められていて観てて楽しいです。


そんな超危険地帯に、お金目当てで人間達が忍び込んで、廃墟と化したカジノの地下から大金を盗み出すというこのシチュエーションが驚くほどハマっています。

『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』っていう僕がめちゃめちゃ好きな映画があるんですが、それにめちゃめちゃ近い香りがします。

『ナチスの金塊を奪還せよ!』は大戦期にナチスが隠した金塊を現代のネイビーシールズが紛争地帯の敵陣に侵入し盗み出そうとする変則クライムアクション映画なんですが、これと『アーミーオブザデッド』ってシステムが近い気がするんですよね。

ゾンビの王国に命がけで侵入して金を盗み出すっていう部分、なんかこういう突飛な状況設定が好きなのかもしれないです。


とにかく、金庫に侵入して金を奪い去るという軸に対して生まれる緊張感が「"ゾンビ"に見つからないようにする」というそもそもの部分だったり、死と隣り合わせのミッションであるというゾンビ映画的には至極当然の状況は普通のクライムアクション映画では絶対に描写不可能なわけで、そこに力点を置いてるのが何とも魅力的です。


誰から死んでいくのか予想も中々楽しめます。

主人公のおっさんとその娘は候補から外すのは誰もが行う定石として、サブヒロインっぽかったお姉さんがクライマックス前に殺されたり、掻き回し役っぽいチャラ男が早々に生贄にされたり、ここの裏切りが結構多かったのも個人的には好印象でした。


■〆

個人評価:★★★★☆

ゾンビ映画的な王道をやりつつ、金庫から金を盗み出すという全く別ジャンルの映画も融合させ、その上で王道が在るからこそ映える新ジャンルのゾンビも投入していたり、観ていて楽しいゾンビ映画でした。

ほんと久々に楽しいゾンビ映画が観れて良かったです。

ではまた。



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