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ジャックと天空の巨人(2013年/アメリカ) 感想


想像通りの映画で安心して楽しめる。


〘ジャックと天空の巨人〙

(Jack the Giant Slayer)

ジャックと天空の巨人ポス

以下、一部にネタバレを含む感想記事です。



■ストーリー

天まで届く豆の木を登った先には、人を食らう事を渇望する巨人達の国がありました。


■内容

『ジャックと豆の木』『巨人退治のジャック』を原作としたファンタジーアクション映画。

概ね原作となった民話をなぞりつつも、大人も子供も楽しめるような映画らしい、ロマンスあり派手なアクションありカタルシスありな、真ん中な作風でした。

巨人や豆の木を初めとするCGによる描画は、2013年の比較的大作風味なファンタジー映画にしてはややゲーム的すぎるCG丸出しな感じではあります。

ただ、この映画のような作風ではリアリティを突き詰めたような描写の必要性も感じませんし、最後まで観れば分かる通り、おとぎ話と現実世界の差異や揺らぎのようなものを意図的に残そうとしている節があります。

地上の町並みや天空世界ガンチュアなどの描写が相対的に手の込んだ、ガッツリファンタジー世界を堪能できるようなクオリティになっている点からも多分そう言う事なんだろうと僕は納得しています。



■感想(ネタバレあり)

思ってたよりも人が食べられる結構死ぬ映画でしたが、作風はあくまでオールラウンドな全年齢向けファンタジー映画のそれを踏襲したような感じでした。ジムカスタムみたいな映画。


巨人の心臓から魔力で造り出した王冠が巨人を支配できる力を持つスーパーアイテムであり、これを人間や巨人のボスが手にしては他の巨人達を操り人間へ攻撃を仕掛ける展開が繰り返され、最終的にはジャックが王冠を手にし、巨人を空へ還し姫と結婚して幸せな生活を送りましたとさエンドとなる、本当にもう何の迷いも感じないストレートな物語。

でもこういう映画は何故か年に数回は見たくなります、結局ひとはみな王道が好きってわけよ。


豆の木登りのパートにはそこまで時間をかけず出来事としても人間側の悪代官的なやつらが味方の命綱を切るくらいの事しかなくかなりあっさり流されていて、巨人と人間の対峙あたりからどんどん盛り上がりを見せました。

なにせ作風のわりに巨人サイドは容赦のない殺戮を繰り返すため、囚われた姫様がいつ喰われてもおかしくない雰囲気をしっかり出していますし、主人公サイドもガンチュア到着後、早々に精鋭騎士の何人かが死んでいくので意外にもスリリングな展開がしっかり緊張感のあるものとして描かれていました。


巨人が地上に降り立ってからの本当にやばい連中が来てしまった感も楽しいですし、城に籠ったところでそんなん直ぐ突破されるだろってくらいのサイズ差があるので後半かなり絶望感もあるはずなんですが、そんな中で城壁を隔てて人間と巨人が綱引き合戦を始める謎展開が待ち受け、かつこれがほぼ後半のハイライトを占めるのはちょっと笑えます。

城門を塞ぐための橋に双方フックをひっかけて、それに繋いだロープを引っ張り合って扉の開け閉めに熱中しているわけですが、それはもう流石に、橋の耐久性の高さに疑問を覚えますって。いくらファンタジーでも限度はあるんだ。


城の周りは油が流され火を放たれているので、唯一の侵入経路としての城門であり、それを突破する為の攻防、という流れも一瞬納得しかけますが、巨人側の大ボス的なやつが堀へ落下し炎に焼かれながら水面下へ消えた後、普通に城の底を突き破って内部に侵入してくるのもやっちゃった感あります。

みんなちょっと火傷しながら水に飛び込んで下から攻めたらいい。





■〆

個人評価:★★★☆☆

王道ファンタジー映画らしい王道加減でとても良い映画です。

ではまた。



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