RingNeイマーシブフェス感想あれこれ
その日、南足柄にて
RingNeというイマーシブ系のお祭りに行ってきたよ!
……ということで、一日経って色々冷静になったのでようやく感想を書こうと思います。物凄く長くなったから、せっかくだしnoteにまとめてみました。基本的には「色々あったけど、総合的に考えれば良い体験だった」というのが自分のスタンスなので、絶賛じゃないとイヤだ! という方はここで回れ右をお願い致します。
……まず本当に思うんだけど、野外イベントと雨の相性は最悪ですね。
いや本当に。雨は想定されていたと思うし、実際雨天時の流れとかも設定はされていたと思うんですが、いかんせん午前中の荒天ぶりが凄すぎた。実際直前までは台風だった低気圧が直撃しているわけで、むしろこの条件下でも開催にこぎ着けてくれたことには素直に感謝です。
正直な話をすれば、自分は17時30分までは最高に素敵なイベントだと思っていました。
そこから先、一番の盛り上がりドカーン! の部分で、「お、おう……」とはなりましたが。
「良い・悪い」と「好き・嫌い」を一緒くたに扱うのは本当に駄目なことだと思うので言いますが、自分はあの終わり方は「嫌い」です。物語としての納得度の低さももちろんそれは気になりますが、最終的にその辺りの案配は作者のやりたいこと、描きたいことが最優先されるべきだと思うので、そこに否やは言いません。
自分が「嫌い」だと思ったのは、あの終わり方では「物語中で分岐した、とある1グループの行動が完全に無駄になった」ように見えたからです。
これは下衆の勘ぐりなのですが、多分あれ、エンディングも分岐式のお話だったんだと思うんですよね。参加者が2グループに分かれる場面があったんですが、グループ同士の目的がバチッと対立するわけです。
で、分かれた先でなんやかんやあって、その行動の結果によってエンディングが変わる……というのが本来の形式であったのではないかと。
ていうかそうでないと某グループの方、マジで「えっ、私達のやったことって一体何だったの?」ってなってしまう終わり方したもん。
でもそこで襲ってきたのが先述した荒天です。
イベント時間も短縮し、イマーシブイベントは中止され、LARPや謎解きも内容を短縮するとのことでした。恐らくこの時点でかなりの混乱が発生し、現場ではパズルのようなイベント組み替えが発生したのだと思います。
そこで恐らく分岐式を捨て、どちらか一方のエンディングが採用され、あの結果になった……ということなのではないかと。勝手にそう思っているわけです。全然違ってたらごめんなさい。
全てを予測することの難しさ
当たり前だけど、自分達は人間なので「起きるかもしれないこと」を全部予知することはできません。
対策をとるにも限界があります。どこかのタイミングで「何を生かし、何を削るのか」という現実的な判断を下すときがやってくるのです。
体験型イベントにおいてそれは特に顕著となります。参加者一人一人の行動なんて、全部を想定内に収めることは不可能です。だから作り手側は「大抵のことが起きたとしても何とかなる装置」をイベント内に組み込んで、ひとまずは丸く収まるように作るわけですね。
でも、繰り返しになるけど今回の荒天はマジで想定外だったと思います。
そのおかげでイベント発生地点も変更になったり、キャストの動線も変更になったりしてるはず。
その「想定外」が発生してしまったことによる弊害は、これは間違いなくありました。特にイベント間の待ち時間は、想定されたものではなかったと思います。
だって最終イベント、30分近く「この辺で待っててね」って言われてから、「じゃあ始まりまーす!」ってイベント発生地点まで誘導されて、そこからおかわりで15分待たされたからね。こんなん最初から織り込まれてるわけないでしょ。
実質45分のダウンタイムという一撃は、参加者にとって結構なダメージだったと思います。もちろん、制作者側にとっても。
他にも結構待ち時間はあったんですが、一番待たされたのが最終イベントだったせいで、余計に悪い印象が残りやすくなってしまった。
そこから更にああいう物語の終わり方を選んだせいで、どうしようもなくフラストレーションが溜まってしまった参加者もいたのではないでしょうか。自分はそうでした。多分あれ、スムーズに進んであの終わり方だったら、ここまでは気にならなかったと思うんですよね……「まあ自分の好みじゃないけど、これはこれで作者の描きたかったものなんだろうな」ってなってたと思う。
今だから思いつく対策ってあるのだろうか
たとえば当日の混乱した動線。
どうしたら解決できたのか。
これはあくまで自分の予想と想像なので全然間違ってる可能性ありますし、見当違いなことをこれから言うかもなんですけど、スタッフ間の連絡も結構難しくなってる印象がありました。
シャトルバス乗り場と現地とか。
会場内の連絡は主としてインカム及びスマホで取り合ってたと思うんですけど(後はまあ普通に人力)、多分スマホ連絡系統が機能弱ってたんじゃないかな……という印象でした。
自分もイベント作るときに痛感するんですけど、電波弱いところでネット介した連絡系統いじってると、マジで詰むことがあるんですよ。LINEもDiscordも何も機能しない。スタッフに緊急事態を伝えたいのに、全然投稿した内容が反映されない。マジであるあるだと思います。
多分この現象が発生して、どこかで処理がスタックしていたんじゃないかな……と思うことがありました。
対策はまあ、それこそ「ヤベえときの集合場所を作っておく」とか「困ったら見る用のマニュアルをスタッフに渡しておく」とか「統括本部が死ぬ気で走り回る」とか、とにかくアナログでやるしかないわけです。だってデジタル死んでるわけですし。
実際参加者として会場にいる間、何回も「電波弱ッッ!」ってなることあったので……。
でもさあ、これって今だから言えたり、思いついたりすることであって(終わったから振り返れるわけで)、想定外の大雨が降ったときの対策なんてなかなか徹底は難しいですよ。
課題ではあるだろうし問題も一杯起きていたんだろうけど、自分はそれをことさら悪く言いたくはないなって思います。だって自分がやらかす可能性も全然あるんだし。
むしろ「そうか、こういうトラブルが起きる可能性もあるのか」なんて言いながら、頭の中で「自分だったらどうするか……」ってシミュレートしたりしてましたもん。
偶然同行したSさんに「あなたはストーリーじゃなくてシステムの話ばっかりしてるね」って言われましたし!
……ちゃんと理由があるんですよ。
自分は異世界観光パスで入った人なので、イマーシブ体験はできなかったんですよ。一応みんなの後をついてって、色々と観戦はしていたんですが。
(そういう意味では本来最終イベントも参加できなかったはずなんですけど、「入れるようになったみたいですよ」って教わったのでしれっと混ざり込みました。今思えばスタッフさんにちゃんと確認すれば良かったな……)。
物語世界の中の住人ではなかったので、システム面で色々「ほえ~すげ~!」って感動したりしてたのです。
体験と物語
先述した通り、自分はあの終わり方は好きじゃないし、物語偏重型の考え方をするので「これはどうなんだろう」って思ってしまうのですけど。
たとえばサウナとか滝行とか楽しんで、フェスで音楽聴いたりとか、ヘッドスパとかいろんな体験を楽しんだお客さんって、これ満足度全然違うなって思ったのです。
そういう人達が「今日めっちゃ良かったね!」って帰った可能性、全然あるなぁって。何ならそういう人多そうだなって。
だってさ、体験は間違いなく素敵でしたもん。
まずロケーションが最高過ぎる。自然溢れる森の中で非日常を味わう、もうこんなん勝ち確定なんですよ。優勝ですよ。実際会場に入った瞬間「こんなんもう勝ちじゃん」って思いましたし。
その中でまあ、チケットの制限はあれど(正直このチケットによる体験できる・できないの差がマジでわかりにくかったので、次回は是非改善してくださると嬉しいです!)、あちこち歩き回って体験もしたりして、滅茶苦茶に楽しんでましたからね自分は。シャボン玉飛ばしたのなんてマジで何十年ぶりだよって思いましたけど、あれ楽しかったな……!
現地で出会ったSさん(さっきのSさんとは別の人)に「何だあいつ……シャボン玉滅茶苦茶飛ばしやがって……」って感じで見られてた可能性はありますけど。いいんです楽しかったし。
だから、体験は満点だった。
そして体験を求めてきたお客さんは、満点のまま帰れたんだろうなって。
それはとても素敵なことだし、羨ましいとも思います。
自分はどうしたって物語を全ての土台に置いてしまうから、「なんかわかんねえけど楽しかったいいやー!」っていうのができないんです。理屈っぽく考えちゃう。
面倒くさい講釈抜きで、五感を通じて面白さだけを吸収できるお客さんもきっと沢山いるはずで、そういう人達にとっては最高な時間だったのではないかなと。
何となくだけど、作り手側としても、物語も大事だけど体験をより深めていきたいねってマインドで作ったイベントのような、そんな気がします。全然違ったらごめんなさい。
自分、馬鹿だからさ……わかんねえんだよ難しいことは……。
どっちが良いとか悪いとかではないんですよね。
お客さんが何を求めているのか。
そして、提供側はどんな希望に答えるのか。
全ての要望に応えることはできない。ならば重視すべきは何なのか。これはイベンターにだけ決める権利があることです。
「お客さんとしてお金払ってるんだから」って考えちゃうこともあるんですけど、別にお客さんだから偉いわけでもなかろうし、金払ったから好き放題文句言っていいだろっていうのも全然あっていいんですけど、自分はそのスタンスはとりたくないので。
あの場所にいた一人の人間として、良かったところも悪かったところも、まるごと全部体験として持ち帰れたのは幸せなことだったなって思います。
……ちなみに、いい人ぶりたくないから白状しておきますけど、帰りの車の中では滅茶苦茶にぶち切れてました。
「何だあれは! ふざけてんのか!」って。一晩経ったら冷静になった。自分がSNS依存してなくて良かった。怒りのままSNS投稿してたら絶対炎上してた(実際には燃えもせず、ただただ遠巻きにされてただけだろうけど)。
楽しい遠足のさいごに
本当になんだか、楽しい遠足だった! っていう印象でした。
それは同行してくれた人達が滅茶苦茶楽しませてくれたせいもあるし、笑わせてくれたおかげでもあると思います。
体験型イベントの、ある意味キモですよね。友達と楽しめたから全てはそれでいいやって。友達とわいわい楽しむための材料をどう提供すればいいんだろうって、それさえ提供できれば後はもう全部勝ちだろって、マジでちょっと思いますし。
バス時間遅れたから偶然友人三人と合流できたし、一緒にご飯食べられたし。ハンバーグおいしかったし七色わたあめちょっと買えばよかったって思ってる。
道の駅でお土産買えたり、結局みんな買うもの一緒だったり、顔ハメパネルで写真撮ったり……。
現地でも知り合いにあったりして、一緒に行動したりして。
思い返せば、楽しかった。ちょっと遅めの夏休みでした。
……あ、でも、一個だけ言わせて!
「シャトルバスでしか来られません」的な感じにしたのはマジで駄目だったと思うの!
宿泊プランのお客さんのために駐車場を潰せなかったっていうのはわかるけど、でもめっちゃ広い500円の駐車場あったし、実際停められたし! 余裕で! あとちょっと離れるけど地蔵堂駐車場か長者橋駐車場もいけたような気がする……。
色々事情はあったと思うんですが、自家用車もオッケーになっていたら、よりユーザーフレンドリーだったなぁって思いました。
自分はちなみに車で山を上って、ガラガラだった500円の駐車場に停めました。ちょうべんりじゃん!
……まあでも、人様の駐車場とか勝手に「使え」ってイベント側としては言えないよね……。
さいごのおまけ
イマーシブらしく役者さんがキャラグリーティングしてくれたんですが、その中でもわらべうたを歌っていたお姉さんとその連れのお子さん、あの二人はマジで最高でした。ひふみひふみ……の歌を歌ってくれてた人達。
最終イベント待ち時間中にも、世界観に合わせて色々お話してくれたりしてて、この人本当に凄いなって。感動した。あのキャストさんいたから今冷静になれてるまであります。舞台とか出てらっしゃる方なのかな。一気にファンになっちまったよ。
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