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療育:「だったらいいな」を考えてみる🌈✨



前回の記事でも「療育」について書かせていただきました。



お時間が許せば前回記事をお読みいただけたら嬉しいですが、要約すると、少しでも発達について気になることがあれば、まずは「療育」を始めるのが良いと思う、というようなお話でした。


さらっと「始めたら良いじゃん」くらいな軽いノリで言っておりますが、いざやるぞ!やりたいぞ!と思っても、療育を始めるためにはいくつかのハードルがあったりします。


それも、ちょっと助走をつけたくらいでは飛び越えられない場合もありますね。



お金を払えば医療機関や企業では受け入れてもらえるかもしれませんが、ここでは金銭的負担がない、または極めて負担が少なく利用できる自治体管轄の療育、さらには未就学のお子さんを念頭に書いていきます。



いろいろな順番があるかと思いますが、我が家の場合はこんな感じでした。

① 自治体の窓口に相談する

② 発達検査を受ける

③ 利用したいサービスに問い合わせ、見学する

④ 申込する

⑤ 受給者証を受け取る

⑥ 利用したいサービスと契約する

⑦ 利用開始




①と②の相談と検査はセットみたいなものだと思うので、特にハードルは高くないかなと思います。


いずれも基本は平日日中に実施する必要があるため、お仕事をされていたらお休みなど取得する必要がありますね。

実際に私もそうでした。


②の発達検査は、指定された自治体の施設などで実施します。


我が家の場合、親は別室でヒアリングを受けて、子は1時間ほど、ありとあらゆる質問や指示をされたものと思われます。


検査員の方は当然ながら初めて会う全く知らない方ですね。



検査の種類も●●式とかいろいろあって、追々詳しく調べて記事にしたいですが、どんな形式であれ、その一回で判定へとつながるわけです。




ここで、素朴な疑問が浮かびます。



「その日のコンディションによって、結果違うよね?」


「いきなり知らない人の前で、ああせいこうせい言われて、普段と違う結果にならないかな?」



専門家の方々が研究や試行錯誤を積み重ねてこられての今なので、指標として明確なものが出るシステムになっているのだとは思います。

我が子のようにある程度特性が振り切っている場合は一旦置いて、いわゆる「グレー」、つまりは問題があるかな?ないかな?というのが明確ではないお子さんの場合、たまたまコンディションが良くて、検査官や検査自体の相性が良くサクサクできたら、結果として、支援不要になってしまうこともあるのではないか、そうしたら受けられる/受けた方が良い療育が受けられない、ということにもなりかねないんじゃないかな、と。


何でもパーフェクトにできることはなかなかないので、ここはあくまでも可能性として頭には入れておきたいところです。




検査を乗り越えた先の③サービスを探して見学したりするのも、いろいろとたいへんです。


お住まいの地域によっては、そういった施設がなかなかなくて、かなり遠方まで通わなければいけないケースもあると思います。


実際に我が子が通っていた療育施設も、県外から車で来ていた方がいらっしゃいました。

しかも一名だけじゃなかったと記憶しております。



お住まいの地域の通える範囲でサービスがあったとします。


必ず見学など必要なので、実際に現場へ行って、療育内容を見たり、職員の方から説明を受け、ぜひ通いたい!と思ったとしましょう。



ここがかなりの難関ですが、良いサービス、施設であればあるほど「空き」がありません。


そういった人気施設に関しては、空きが出ないと見学すらできない、というところもあるようです。


昨今、特に発達について課題や悩みを抱える保護者の方も増えてきているため、より混みあってきている節もあるかもしれません。



「空き」があったとしても、さらにハードルがあります。


平日かつ日中の受け入れが多い、ということです。

土日に実施しているところもありますが、当然ながら人気となり、待機枠に右から左へ受け流されます。



ここで振り落とされるのがフルタイム勤務の共働き、または、ひとり親家庭です。


未就学児のお子さんなので、基本的には保育施設に預けていると思いますが、療育への送迎は保護者がすることになるため、平日日中にお仕事をしていたら、そもそも利用できない悲劇。



見学の時点でそのあたりが明確となりますので、療育の利用を諦める方もいらっしゃるかもしれません。


ちなみに、ひとり親家庭の我が家はちょうどコロナ禍に突入した後のタイミングで、リモートワークに切り替えたことと、比較的近くに施設が複数あったことなどから、いろいろやりくりして利用することができました。


ただし、途中立ち行かなくなって、週休3日にしたこともありました。


勤務先、そして何より理解のある上司のおかげでもありますが、日本社会を見回すと、なかなかそうはいかないのかな、と思います。


多くの会社、管理者の方々がそのような柔軟な働き方を受け入れらる社会になっていったら良いな、と願ってやみません。



多様性・ダイバーシティであるとか、子育てやハンディキャップのある人々への支援は少しずつ進んできていると言っても、企業側からしたら人手不足だったりなかなか難しく、悩ましいところでもありますよね。



それらを解決する方法ってないんでしょうか。


なんだったら、検査の時に感じたような素朴な疑問、1回1時間で見知らぬ人の実施するテストを指標にしていいの?という疑問も解決できそうな方法ってないでしょうかね。




ちょっと考えてみます。


例えば、フルタイムの父さん、母さんの通常の平日の一日は、ざっくりこんな感じですよね。


朝、自宅を出て、子を連れて保育園に行って、会社へ行って、就業後、その逆ルートをたどり、保育園に迎えに行って、帰宅する、というものです。

ご夫婦で送迎を朝晩交代していることもあるかもしれません。


自宅から保育園の平均所要時間は、10分?20分?もっとでしょうか?

保育園から勤務先は、平均通勤時間が1時間くらいというGoogle先生からの回答でしたので、往復にすると2時間ですね。



ここに、無理やり療育を入れてみたらこんな感じでしょうか。


朝会社に着くまでは同じですけれど、仮に療育の開始をギリギリ最後の枠にして、それでも保育園と療育施設までの所要時間を考えると、1時間早い退勤では間に合わないかもしれませんね。


当然ながら、早く退勤する分には有給権利を使ったり、無給となったり、仕事を家に持ち帰ったり、同僚に激しく頭を下げたりするかもしれません。



やはり無理があるのは明確です。




やっぱりどうしようもないのでしょうか。



いや!


諦めたら試合終了です。


もっと考えてみましょう。


とりあえず、実現性とか予算とかはまったく気にせずにいきましょう。


実現可能かどうかは度外視して、まずは絶対的な理想を考えてみるのは、問題解決のために大切な要素だと考えます。


理想形を整えたうえで、可能な要素をピックアップしていけば良いのです。


というわけで、ここで本記事タイトルの「だったらいいな…」を発動してみましょう。




ずっと思っていたことではあるんです。


誰にも平等で、マンツーマンの個別チェックも、集団での行動チェックもできて、保護者の負担も少ない最強の方法があるよね?、と。




ずばり、「保育園」です。



保育園にすべて詰め込めば、良いのではないでしょうか。


何を詰め込むかというと、発達検査も、療育的な指導も、結果や進捗に関する保護者への連携も、すべてです。


保育士さんにやっていただく、ということではありません。



資格のある検査者や各種療法士さんを保育園に派遣するのです。


常駐+巡回者が複数名いることが最上級の理想ですかね。



保育園を発達検査と療育の場所にしてしまえば、1日のサイクルは下記の通常スタイルとなりますね。


療育施設への送迎が一切なくなるので、移動にかかる時間や、仕事が押して焦ったりして起こるトラブルや、心身ともにすり減ることなどもかなり削減されるのではないかと思うのです。


希望があれば参観・面談することも可能でしょう。


保育園であれば、発達の気になるところの有無にかかわらず、全員に検査や療育の機会が提供できますよね。


いろいろな検査がありますが、例えば、簡単な質問に答える、絵の通りにブロックを並べる等、遊びの一環にもなるようなアクティビティが多いので、普段の遊びの中に容易に組み込めると思うんです。

そこで、できる/できないを記録していけば良いのかな、と。


「普段の遊びの中」、つまりは日常的に経過を観察できるので、ごくごく自然体で、リアルな発達状況を確認できますよね、

もし見知らぬ人との検査が必要でしたら、巡回者が対応すればよいと思います。



さらに良いことには、相談、検査、施設の調査、見学、空きの確認、待機、申込といった手続きに関する一切のことも削減できます。


日常的な発達検査の中で、何かひっかかり、さらに専門的な施設でのケアが必要となったら、その時初めて上記の対応をすれば良いと思います。


仕事で平日になかなか時間がなくて、時間も手間もかかるので申込が進まなくて、検査や療育の機会が後手後手になることもないですね。


月齢に応じたチェック項目を設ければ、発達の遅れなどにも気づきやすいです。



保育園で療育をしてしまったら、今ある療育サービスはどうなるのか?となりますが、今ある療育サービスの方が巡回者になれば良いのではないかと思います。


どちらにしても自治体からの支払いであることは変わりがないですし、保護者の負担がある場合は、保育料とともに天引きすれば良いものと思います。



保育園以外にも、例えば保育園の待機をしていたり、幼稚園のお子さんもいらっしゃいますね。


少なくとも幼稚園のお子さんであれば、幼稚園に入るために発達検査のような試験を経て合格、入園しているわけなので、基本的には療育は不要ではないかと思います。

待機のお子さんに関して言えば、待機=保護者の方が自宅でみている、ということを考えると、平日日中に療育施設へ通うことはできますね。


実際に、療育施設で送迎の際出会う方は、そうした保護者の方が多かった印象です。


すべての保育施設に発達の専門家を置くのは人員的に難しいこともあるかもしれません。


当然ながら、ただマニュアルを渡されてすぐにできる仕事とは思えませんので、専門知識や資格なども必要でしょう。

発達チェックだけなら、チェック項目などをしっかり作り込めばそこまでの専門知識や経験は問わないかもしれません。


常駐が理想ではありますが、朝から晩まで毎日いる必要はないと思います。


教育や保育の大学や専門学校などで、そうしたプログラムをどんどん取り入れて、学生の時代に資格が取れるようにするのも良いでしょう。


社会人や現役引退してからも取得できるようにすると良いですね。


実際に現場に出向くのは、小さなお子さんを育てるお母さんでもできると思います。


何しろ、勤務先は保育園。


子連れで出勤して、該当年齢のクラスに預け、お仕事して、終わればお子さんとともに帰宅、というのもありなのかな、と。


発達検査自体、どうしても今日その時間にしなければいけないものではないので、お子さんの急な体調不良などでのお休みは問題にはならないはず。



結果などの保護者への連携・共有がたいへんかもしれませんね。


しかしながら、そこは令和のDX時代。

DX、つまりは、Digital Transformation、デジタルにより我々の生活をどんどん変革していこう!としている時代です。


アプリでつなぎましょう。


発達検査項目は、アプリのシステム上に登録されており、検査者はその項目に合わせて検査し、結果を入力していきます。


結果はAIに算出していただきましょう。


入力+送信!とすれば、発達年齢などの各種指数が一瞬で出ますね。


それを年に何度か実施すれば、さらに精度の良い結果が出るでしょう。


親側は個人アカウントにアクセスすれば、検査項目の内容や結果、判定などを確認できれば、保育園→保護者への改めての連携は不要ですね。


あくまでも指標であり、個別にケアが必要だったら専門機関へ…ということになろうかと思います。


ただ、保育園でも療育的ないろいろなアクティビティを積み上げていけば、小学校でいきなりハードルがあがる集団行動や座学の厳しさに辛くなるお友達は少なくなるかもしれません。


アプリには、生まれた時の体重や首が座った時などの発育記録も入れられると良いですね。


そうした記録は療育施設や医療機関などにも連携できれば良いですが、セキュリティなどのことを考えると、せめてPDFに出力できて、そのまま提出書類になると助かります。


ご経験のある方は多くいらっしゃると思いますが、相談でも、診療でも、見学でも、契約でも、ありとあらゆる場面で、何度も何度も発達記録など書かねばならないため、そうした負担もほぼなくなります。


アプリのセキュリティはしっかり守らないといけないので、最低でも二段階認証は必要ですよね。(パスワード+ワンタイムパスワードとか)



なんだか理想を語っていたらずいぶん長くなってしまいましたね。


しかしながら、今の時代だからこそ、できそうな、始められそうな希望があるなと頭の中の整理はできた気がします。


いきなり全部じゃなくても、一部の自治体とかでも良いんじゃないでしょうか。

もしかして、実際に取り組んでいる場所もあったりして?



ひとつ、手塚治虫さんの漫画大好きなワタクシとしては、AIなどのすべてを託して依存してしまうのは少し不安もありますが、いかがでしょうか。


けっこう皆さま思っていること、希望しているでしょうか。


であれば、実現の可能性もありますよね。



書ききれていない課題や「穴」もあるかもしれませんが、専門家でもない、ただ1保護者の療育に関する「だったらいいな…」を語ってみました。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


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