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覆水盆に返らず「アサヒスーパードライ」 新宿店

ビールというのは、どこで飲んでもそんなに変わるものでない。アサヒスーパードライをアサヒスーパードライの店で飲んだからと言って、特別に美味いというわけでない。異論はあるだろうが、こちらだって、一体どれだけ麦酒をあおってきたと思っているんだと言いたい。ドライの店とほかの店で同じ商品の味に差があったらその方が問題だ。

ところで、アサヒスーパードライの店は、一応チェーン店だと思うのだが、あちこちで料理の味付けがかなり違うように感じている。これは、ライバルであるはずのキリンシティとは大分に違う。キリンシティは全国津々浦々、ほぼ同じおつまみを同じ味で提供している。

鮮度が命のビール業界、自らの代表ブランドを冠したビアガーデン。あえて各店舗の料理人にあるいは店長に裁量を与えているということか。ある意味太っ腹である。

昔から通ってきた「アサヒスーパードライ」 新宿店は、つまみが充実していてお勧めだ。塩加減もちょうどよい。しかし、長く付き合ってくるといろいろなことがある。

そばめしのオムライス「オムそばめし」消滅?

そばめし、焼きそばの麺とご飯を鉄板などの上で金ゴテで刻むようにしてソースで炒めたもの。昭和生まれの方なら、一度は食べたことがあるのではないか。一時期には全国的にブームになって、冷凍食品の棚にも並んでいた。このそばめしにオムレツを乗せて、かなりのボリュームを出した一皿。しかもうまい。そばめしブームが収まってからもずいぶん長くおつまみメニューを彩っていたが、見かけなくなった。私が見過ごしているのかもしれないが。

ニシンのマリネ、どんどん小さく。

当初はニシンのマリネ、半身分たっぷりのそぎ切りが皿の中心にあった。付け合わせはおなじみの玉ねぎのスライスとクリームチーズソース。クレソン、ピクルス。ニシンは不漁続きなのか、どんどん小さくなっていく。現在ではクラッカーとともに皿に乗るようになった。量は半分くらいになってしまった。

アサヒエクストラコールド

鳴り物入りで登場したエクストラコールドだが、クラフトビールのブームにより、凍り付くような冷え冷えのビールは思ったほど市民権を得ているとは言えない。導入された機器類の採算は取れただろうか。心配だ。

こうして振り返ってみると、スーパードライのシェアがプレモルに食われていくのと並行して、リアル店舗の迷走ぶりがうかがえる気もする。昔なじみは客ばかりで、定期的に店長は異動にかかるみたいだ。

しかし、スーパードライは今も変わらず、銀色の輝きを放ってている。なみなみ注がれたジョッキの、最初の一口。その一口が忘れられない分、むかしのおつまみの盛り具合も忘れられないというだけだ。

この界隈は「キリンシティ」と「響」と「スーパードライ」が徒歩圏内でしのぎを削っているはずなのだが。固定費用が一番高そうな路面店のスーパードライが一番雑な感じがする。

そこがまたいい。




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