マガジンのカバー画像

PANAMAMANのお蔵出し~新宿・渋谷編

13
都内の食べ歩きや買い物などについて、徒然なるままに書き留めています。
運営しているクリエイター

2020年5月の記事一覧

他人の芝は、青い「餃子荘ムロ」高田馬場

高田馬場駅戸山口出口から数分、大通りへ出る坂道の途中に餃子荘ムロはある。こちらの店は、池波正太郎のエッセイにも登場しており、ご存じの方も多いだろう。昔風の、薄皮餃子を出す老舗である。 古めかしい木戸はなぜか赤色のペンキで塗られており、ムロのレトロな看板とあわせていい雰囲気を醸し出している。 餃子は注文してから作り出すので、ある程度時間がかかる。そのため、注文するときに気持ち多めに頼んでおく。その時に難儀することが、なんの種類の餃子を頼むか、である。 ふつう、にんにく、チ

ベジおせちの到達点 みどりえ「無添加・オーガニック自然派おせち」

おせちをひと揃え、全部作る人は少なくなったのではないでしょうか。 その昔、年末になると書店にはおせち料理のレシピ本がこれでもかと平置きで売られていた。おせちといえば、作る側にとっての一丁目一番地が黒豆。しわのない、柔らかな黒豆を炊くためにわざわざ圧力鍋を購入したご家庭もあるのでは?最近では、某人気料理研究家の土井先生が、平鍋で数日間かけて黒豆を炊き上げる一子相伝(?)のレシピを公開されるなど、原点回帰の動きも認められる。スウジツカンカケテクロマメ… 働いていなくても無理

何かに誘われてお出汁にさらわれて「追分だんご本舗」 新宿三丁目

新宿三丁目というと、まず思い浮かぶのが伊勢丹だ。しかし、最近では百貨店で買い物することはめったになく、近隣にあるマルイのほうが便利でついつい通ってしまう。マルイでぶらぶらした後に、画材道具などの専門店「世界堂」にもお邪魔する。石膏像をじーっと見ながら、いつか、こんなものを飾ることのできる家に住んでみたいと夢想する。…ブロンズ像と混同しているようだが、気にしない。 ところで新宿三丁目辺り、皆さんお食事はどうしていますか?特にランチ。この近辺、伊勢丹のレストランでご飯を食べるの

中二階で噛みしめたい「墨繪パン」新宿

バゲットサンドってほんとうに美味いでしょうか、時折考えることがある。 まだまだ「フランスパン」との呼び方しか知らず、今ほど店頭で販売されていなかったころ、「フランスパン」ていうのは、硬くてゴリゴリするものが多かったと思う。 おしゃれなバゲットサンドなどは、見た目はいいが、いざ口に入れようとするとごり、ごりごりごりとバゲットの周りをかみ砕いて飲み込む必要があることも。もう、美味しいかどうかは関係ない。咀嚼しやすいように何とか臼歯でグルテンの壁をすり潰すことが至上命題であった

やっぱりビールが好き「ベルク」新宿

ベルクについては書籍も販売されておりご存知の方も多いはずだ。新宿駅東口の地下街、改札からすぐそばの少し奥まった部分に店がある。 こちらではビールを飲むために多くの人がレジに並ぶ。先にお金を払ってビールや食べ物を受け取るスタイルだ。ビール以外を頼む人もいるがおそらく少数派。ナマとおつまみにホットドック(日本ではホットドックはおつまみです)、また、レバーパテやハムなどがセットになったベルクセットなどを注文する。 店員の多くが役者志望やクリエイター志望のように見受けられる。店内

じっと手をみる「森本」渋谷

渋谷駅のマークシティの辺りはあまり治安が良くないなんて言われている。歓楽街も鬱蒼としていて、一人歩きには向かない雰囲気が漂う。 しかしながらこの近隣には名店と呼ばれる飲食店が沢山ある。森本もその一つだ。焼き鳥とうなぎの串焼きが有名な昔ながらの東京の居酒屋だ。 まあ、うなぎがこれほど手に入らなくなるとは誰も考え付きやしなかったわけです。うなぎの高騰にも関わらず、こちらでは焼き鳥の串にうねうね曲がったうなぎがこんがり焼かれて提供される。老舗の心意気です。でも数年したらこんなも