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【結果発表】「SNSでの誹謗中傷の罰則強化」 に賛成?反対?6,989票の結果!

学校総選挙は10~20代の若者と政治・社会をつなげるTポイントの社会貢献プロジェクトです。若者世代が政治や社会テーマについて考え、意思表示(投票)する場を作り、集まった声を世の中に発信したり、政治家や行政に直接届ける活動をしています。

社会問題化しているインターネットやSNSでの誹謗中傷。今の制度では、被害者が投稿者を訴えるまでにお金と時間がかかることや、匿名の誹謗中傷を直接罰する法律がないこと、誹謗中傷を放置した企業へ原則罰則がないこと等を問題視する声も上がっています。

そこで、第3回学校総選挙プロジェクトでは、インターネット・SNS等を利用して匿名で誹謗中傷を投稿した人の罪を重くする(罰則を強化する)制度を導入することについて、10~20代の若者世代に【賛成】か【反対】かを投票してもらいました。若者世代は匿名での誹謗中傷対策について、どのように考えているのでしょうか‥‥?


【結果】賛成が多数。しかし罰則基準など不安あり

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今回は全国の10才から29才まで6,989票の投票をいただきました。

結果は、「インターネット・SNS 誹謗中傷の罰則強化に賛成?反対?」という質問に対して、賛成が87.5%、反対が12.5%で、賛成が多数となった一方で、賛成・反対ともに簡単に割り切れない様子も見えてきました。

まず、投票者が賛成・反対を選んだ理由をそれぞれ見ていきましょう。


【賛成派】罰則強化による抑止力に期待

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投稿した人は軽い気持ちだったとしても、言われた方はその人の人生を変えてしまうかもしれないから。(22歳・男性)
強化することによって被害を最小限に抑えることが出来ると思うため。(25歳・男性)
誹謗中傷が多すぎる。罰則を強化する事で、少しでも嫌な思いをする人が減るのであれば、実行した方がいいと思う。(28歳・女性)
罰則を強化することで罪の意識が大きくなる。(17歳・女性)
人を簡単に傷つけてしまうから、すごく悪いことという認識が必要だと思うから。(18歳・男性)
自分が許しても社会が許さない構造、すなわち罰則をつくることには意味があると感じる。(22歳・男性)
スマホが普及される前からネットの誹謗中傷は問題になっていた。何年経っても改善されていない為、思い切った政策は必要なのかもしれない。(29歳・女性)
時代に合わせて罰則も変えていくべきだと思うから。(24歳・女性)
厳しくしないと無くならない問題だと考えるから。(19歳・男性)
みんなのモラルに頼るのは限界だと思うから。(19歳・女性)
誹謗中傷は言葉の暴力。暴行罪があるなら同じように罰せられるべき。(19歳・女性)
加害者に更生の余地を残す。罪を償うことで変わるきっかけになりうる。反省し行動を改めない限り同じことを繰り返す。(27歳・男性)


【反対派】罰則強化の前に出来る対策を求める

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100%誹謗中傷は良くないと思うし、罰則強化に務めるべきだと思います。しかし、制度として設定した場合、どのように罰則を判断するのか判断基準に対して不安に思い反対を選択した。(20歳・女性)
どんな行動が罰則の対象なのか広まっていない段階で実現するのは現実的ではない。(16歳・男性)
「誹謗中傷」の基準が明確になっていないのに厳罰化をしたところで減るとは思わない。(28歳・女性)
誹謗中傷の罰則強化によって、表現の自由が侵される可能性あるから。罰則ではなく、ネットやSNSの運営企業が何らかの対策をとるべきだと考える。(19歳・女性)
言論の自由が認められてるのにSNS上では実質的に規制されることになることに疑問を感じる。基準が曖昧な誹謗中傷にあたるのかを正確に判定するのは不可能であり「そういうつもりじゃなかった」という人まで罰せられることになりそう。(16歳・男性)
発言の自由が奪われる恐れがあるため。名誉毀損など現行の制度で被害者が守られて欲しい。(29歳・女性)
政府が対策する前に、SNS系の企業が機能の対策を練ったり、匿名の電話の活用や新たなコミュニティを増やすなど、企業側の対策を活性化させるべきだから。(16歳・女性)
罰で懲らしめるのは違う。道徳として教えて学ぶ機会を作っていく方が必要。(27歳・女性)
厳罰化前にまず教育や、企業の工夫などの対策を打ち出し、法改正は最終手段として取っておきたい。(21歳・女性)
SNSは急速に発展しあまり考えずに使ってる人が多いと思うので、まずは子供の頃からSNSの使い方や誹謗中傷について考える教育をするように整えるとか、SNSの広告やメディアで大人も誹謗中傷について考える機会を作ったりすべきだと思うから。(18歳・女性)


賛成/反対を選んだものの、割り切れない思いを抱える若者たち

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今回の投票では賛成or反対と理由に加えて、各選択肢の投票者に「賛成だけど心配なこと」「反対だけど心配なこと」があるか尋ねたところ、賛成派・反対派ともに7割以上の人が自分の選択肢に対して心配なことがあるとわかりました。


【賛成派】罰則基準の曖昧さを不安視する声が多数

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どこまでが誹謗中傷になるのか。受け取る側によっても誹謗中傷だと感じるラインは違うと思うし、発信の自由との兼ね合いが難しくなると思う。(23歳・女性)
例えばTwitterやInstagramだったら、リツイートやいいねをした人も加害者になるのか?ということが心配。(17歳・女性)
どこまでの悪口や陰口が誹謗中傷の罰の対象になるのか心配。(29歳・女性)
罰則がある=誹謗中傷をしないにならないか、なぜ誹謗中傷してはいけないのか、を考えられない人が増えるのではないかの心配。(24歳・女性)
賛成を選んだがルールが先走り、目的(人を傷つけない)ことが見失われないか心配。(19歳・女性)
「傷つけられた。慰謝料払え。」と嘘の申告をして冤罪になる人が現れるのではないかと言う心配。(18歳・男性)
取り締まりを漏れなくするのは、件数が多すぎて不可能だと思う。(20歳・女性)
画面上では簡単に削除ができるので取り締まりが難しそう、正しい判断がされた上で罰則を与えられるのかどうかが心配。(20歳・女性)
「賛成」を選んだが、それでも誹謗中傷する人はいなくならないのではと心配。(18歳・女性)
罰則を作っても、悪い人たちは知らん顔で誹謗中傷を書き続けるのではないか。(25歳・男性)
活発な意見交換が減り、世論が縮こまってしまうことが懸念される。(19歳・女性)
SNSの「誰でも気軽に発信できる」という点が損なわれてしまうかもしれない。(16歳・女性)
言いたいことを言えなくなって、逆に辛くなる人もいるのかなとは思います。「意見」と「批判」は、しっかりと分けられる対策は取らないといけないと思います。(28歳・女性)
罰則を気にしすぎて、SNSが考えたことを発信にしくい場所になってしまうこと。(20歳・女性)
「賛成」を選んだが、誹謗中傷をしてしまった方のケアもすべきだが、なかなか加害者側の方まで見向きされないのが心配。(19歳・女性)


【反対派】罰則強化には反対だが、誹謗中傷対策は必要という思いは同じ

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反対派からは、罰則強化には反対しつつも、「このまま誹謗中傷が減らないこと」に不安を感じる声が多く寄せられました。

罰則強化に対して反対なだけであり、誹謗中傷は減らすべきだと思う。(25歳・男性)
「反対」を選んだが、現状を考えると放置することはとても危険だと思う。罰則という形ではなくともなんらかの形で対策は必要なのではないかと考えている。(19歳・女性)
反対を選んだけど、また別の法令を作るというのも一つの手だとは思う。(23歳・男性)
被害者を守るための方法がしっかりしていないのが不安。(27歳・女性)
表現の自由だからと言って、誹謗中傷が正当化されるのではないかと心配。(24歳・女性)
何かあるから誹謗中傷を書いてしまうのだと思う。罰則よりも、心のケアが必要だと思う。誹謗中傷を書いてしまう人の心のケア、誹謗中傷で傷ついた人の心のケア。(25歳・女性)


【まとめ】誹謗中傷を減らすには、どんな選択肢があるだろう?

だれもが当事者になり得る、SNSの誹謗中傷問題。第3回学校総選挙では対策案の一つである「罰則強化」にフォーカスして考えました。賛成派も反対派も、誹謗中傷を減らすために対策が必要という考えは同じ。どちらかを選んで投票したけど簡単には割り切れない、という様子が伺える投票結果となりました。

おそらく、社会問題に対して完璧な解決策はありません。どの対策案も期待される効果と懸念される点を併せ持っています。その上で、「今の」自分は何を選ぶのか。また、自分と逆の立場の人は、なぜそれを選んだのか。両者で対話し、相手の意見を受けとめ、より良い方法を社会全体で考えていく必要があると、私たちは考えます。

どうか身近な人と、このテーマについて話し合ってみてくださいね。


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